英・EU離脱が思わぬ方向で問題になっている。メデイアは「ポピュリズムの悪さ」に言及するが、本当に悪いには政治家の噓、それを煽るメデイア、そして正常な感覚を失った国民の政治感覚の劣化ではないか。
英国では「やってしまった」と離脱決定に反省する国民、メデイアの報道が目につく。負けた残留派は再投票、離脱を匂わす。世界が政治制度の師と仰いだ英国の国民投票もそのもろさをさらけ出した。
重要な政治課題を国民投票に頼る政治家の無責任さ、そして国民にメリット、デメリットを明確に提示出来なかった批判は大きい。
でも、日本でもポピュリズムに頼る危険を既に経験しているのだ。
田中角栄さんが総理になったとき日本中が「今太閤」「小学校しか出ていないのに総理に」「コンピューター付きブルドーザー」などとメデイアは囃し立てた。確かに官僚を上手く使い分け政治も一変したかに思えた。
ところがロッキード事件が明るみに出て失脚する羽目になった。その後は金権政治のもっと足る物として「政治とカネ」では何時も話題になった。
いつかは忘れたが、総選挙中に時の総理であった大平さんが急死すると「弔い合戦」を煽って自民党が大勝利した。
最近では、小泉内閣の「反対する者は抵抗勢力」と国会でも言及、メデイアは囃し立てた。あの顔で机を叩いての演説は絵になったのだろう。郵政民営化を進め自民党内の反対者が離党する騒ぎになったが、今郵政民営化はどうなっているか。離党した議員が復党しているではないか。
民主党の政権奪取をねらった総選挙での「政権交代してみませんか」は国民を大きく動かした。年金問題、官民癒着、数々の自民党議員の不正事件は「ここら辺で政権を変えてみよう」と国民は動いた。
でも開けてみれば権力の二重構造、在日米軍基地問題での右往左往、注目をひいた「事業仕分け」も「廃止」決定が政治判断で復活する様は失望を買った。
そんな民主党政権が長続きするはずがない。
日本経済の停滞の要因は円高にあるとして市場にジャブジャブカネを流すリフレ派政策である「アベノミクス」の3本の矢で復活させるという安倍さんが登場した。また体調不良で途中棄権するのではないかと思っていたら、意外にも長期政権のようだ。
当初はアベノミクスも円安に誘導するなど輸出産業をはじめ好況に転じ安倍総理はそれなりに評価された。しかし、今の安倍政権はどう評価されているのか。
これらの政変(?)は、政治家やメデイアが煽ったポピュリズムによる結果ではないか。
英国のEU離脱をポピュリズムと笑ってはいけない。日本だってポピュリズムの例は一杯あるのだ。
そのポピュリズムの要因は、「政治家の噓」「メデイアの煽り」どこに居たのか分からない「専門家の台頭」そして一番重要なのは国民の「政治感覚の劣化」だ。
近づく参院議員選挙、東京都知事選では自公党首に惑わされず、自公公認に惑わされない政治感覚を取り戻そうではないか。
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