英・EU離脱ショックの影響が読み切れず、リーマンショック以上のリスクという見方も広がるが、アベノミクスの見直しは必須だ。成長戦略、骨太の方針の両エンジンを空ぶかししても日本経済は好転しない。
市場は一時混乱したが、落ち付きを取り戻したかに見える。投資家は転んでもタダでは起きないのだから良くなったり悪くなったりを繰り返しながら円高、株安基調を進むのだろう。
政府は補正予算を組んで財政出動、日銀は追加緩和で英・EU離脱ショックによる世界経済の我が国経済に及ぼすリスクに対応しようとしている。
この英・EU離脱ニュースに参院選が食われた格好で、争点をはじめ選挙情勢が分からなくなってきた。
安倍総理は街頭演説で民共共闘を野合と批判、「アベノミクスの道」を進むのだと言えば、民進党の岡田さんは「アベノミクスの失敗」を強調する。讀賣深層NEWS(2016.6.29)によると公明党の山口さんは「憲法改正の議論は成熟していない」としテーマにならないという。一方、共産党の志位さんは「アベノミクス不況が実体だ」という。
安倍総理はアベノミクスの是非、消費税増税10%への先送りの是非など経済政策が争点だというが、自ら言い出しっぺの2%物価安定目標達成、異次元の金融政策が議論されていない。
確かに安倍総理はG7サミットで世界経済は危機的状態にあるとして力のある国は財政出動の必要性を訴えた。しかし他の首脳は危機的状態にある事に同意しなかった。
でも今の英・EU離脱によるリスク(?)はリーマンショックを越えるのではないかとみられている。リーマンショック・クラスが起きれば日本の消費税増税は先送りすると言っていたが早々と先送りしてしまい、その是非が問われていたが何故か安倍さんの予想が当たった形になってしまった。
でも消費税10%への増税先送りが本当に正しかったのか。
今の経済停滞の理由にも関係する。
内需不足が要因だが、将来に不安から「ケチっている」のか、「本当に欲しい物がない」のか。
大企業は円安で輸出産業を中心に儲かり、政府の賃上げ要求もあり家計への再分配が始まったかに見えたが、日銀のマイナス金利もあり、また経営者の先行き不安から賃上げも滞った。
家計を助けるために勤めに出ようとするが子育て、待機児童問題でママならず、直ぐには消費に結びつかない。政府も優先順位を上げて対応しているのでGDPは上がるだろう。
将来不安は社会保障と税の一体改革にも関係する。社会保障、財政再建は不安を払拭し消費を伸ばすきっかけにもなるかもしれないが定かではない。
一方「欲しい物」が見つからないのか。これでは海外に需要はあり輸出に頼ることになるが国内需要は期待出来ない。成長産業分野に投資し需要を起こそうとするが技術開発などを見るとこれも時間がかかる。
東京地方区の参院選選挙ポスターを見ても与野党の争点が分からない。皆勝手なスローガンを掲げている。衆院選と違う面があるのか。
都から課税の通知が来ると「何で我が家にこんなに」と不満が募る。これを見ると「ケチろう」という意識になる。家内は毎日スーパーの開店する9時半には買い物に行き「今日は安く買えた」と自慢する。必要品でも定価ではなく安売りを待つのだ。これで7人家族の食事を賄っているのだ。
アベノミクスは破綻している。そのことを認めて経済政策を見直すべきだ。成長戦略、骨太の方針の両エンジンを空ぶかししても成果は上がらない。
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