2016年6月3日金曜日

目指すはGDP600兆円:アベノミクスのエンジンをふかせと言うが燃料は?

成長と分配でGDP600兆円を目指すためアベノミクスのエンジンである「骨太の方針」と「成長戦略」を最大限ふかさなければならないと言うが、その燃料は何なんだ。

政府は消費税増税10%を延期したかと思ったら間髪入れず、「骨太の方針」「1億総活躍プラン」「日本再興戦略」「規制改革実施計画」の4つのプランを閣議決定した。

どういうことかと思って内閣府HPから第10回経済財政諮問会議の記者会見要旨を開いてみた。

政策を提案するには財源について手当てしなければならないが、消費税10%への増税を2年半延期したばかりで早速、麻生財務相から「社会保障の充実分を赤字国債で賄うということではないと理解して良いのか」と発言、それに対して石原さん、安倍さんが「そうではない」と否定したという。

でも先の安倍総理の記者会見では赤字国債を発行しないで政策を進めるので出来ないものも出てくるので我慢しなければならないと言っていたはずだ。

どうもアベノミクスの成果と歳出改革で赤字国債を出来るだけ抑制するというのだ。政策に優先順位を付けて少ない財源を効率的に使用すると言うことか。

行政・規制改革などの構造改革に果敢に取り組み、更に財政出動で世界経済を成長路線にけん引する。そのためには内需を腰折れさせないためにも消費税10%増税を延期したのだ。

成長戦略と骨太の方針で成長と分配の好循環を構築しGDP600兆円を目指すのだ。

まだ政府はアベノミクスに執念を燃やしている。多くの専門家が「見直しすべき」と言うのに耳を貸さない。安倍総理にごまをすっているとしか思えない。

津々浦々までアベノミクスの成果を出すために航空機で言うと左エンジンに「成長戦略」、右エンジンに「骨太の方針」を積んでおりこれをフル回転させろというのだ。

では燃料は何なのか。

まず、財源だろう。消費税増税を延期したから十分な財源は確保できない。歳出を削減し、アベノミクスの成果としての税収増に期待したいがその保証はない。

後は消費者マインド、企業家マインド、市場に期待したいが、それには政権への信頼がある。伊勢志摩サミット以降の安倍総理の記者会見での発言には整合性がなくチョット疑う。海外投資家はチョットした変化を見つけては儲け口にするのでしっかりした金融政策、成長戦略、規制改革そして財政出動、更にはこれが重要だが財政規律と政策の総動員が重要だ。

政策を確実なものにするためには、P→D→C→Aのサイクルを回し軌道修正する必要があるが、出てくる政策は何時も見た物ばかりでは口先だけの感じもする。



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