2016年6月5日日曜日

結果の想像力欠如?:子どもの置き去り、遺棄、殺人事件を考える

これから育ってくれないといけない子どもの置き去り、遺棄、殺人事件が何と多いことか。考えるに親の「結果の想像力欠如」に問題があるのではないか。勿論、片親での生活難、「しつけ」、「再婚、内縁」などそれぞれに理由はあるだろうが狂った社会になったものだ。

政府は少子化対策、待機児童対策、1億総活躍プランなどかっこいい政策を打ち上げ、事件が起きる度に学校、教育委員会、児童相談所が検証し対応を見直すと言うが成果が上がっているのか。

今回の北海道七飯町で起きた7歳児の山中置き去り事件はその経緯に国民は注目したが生存で保護という好ましい結果で終わった。しかし、「しつけ」とはいえ行き過ぎた感がし、広く問題提起しそうだが、子どもの常識を疑う行動、強靱な精神には驚かされる。

同じ年頃の孫を持つ者としては、あのV字のサインで笑顔の写真を見ると他人事ではないのだ。

もう少しで暗くなる山中に5分ほど置き去りしたとか、500m走って迎えに戻ったが見つからなかったとか、2台の車とすれ違ったとか、新聞報道でも説明がおかしい。

一度目は走って車を追っかけたというが、2度目は追っかけず逆の方向に歩き出したらしい。警察犬でも足跡を追跡できず茂みの中の捜索になったのだろう。

しかし、6日目、これで大がかりな捜索は最後と言うときに自衛隊の施設の中で見つかった。専門家に言わせると幾つかの運の良い条件が重なったと言うが、子どもにしては真っ暗闇の夜、誰も居ない山中で生き延びたた強靱な精神には感心する。

今回は生きて見つかったが、不幸にも亡くなっていたら親は刑事犯に問われる事件だった。

「しつけ」が目的だったら自分の目の届くところでのやるべきでたまたま遊びに行った帰りの山中でやるとは言語道断だ。恐らく「車の後を追っかけてくるだろう」という想定の下でやったのだろうが、「最悪の場合の想像力」が欠如していた。

親、保護者、配偶者など「結果を想像する力の欠如」が問題になる事件がおおすぎないか。

片親での生活苦、再婚連れ子、食事を与えず放棄、片親→生活苦→仕事に追われて家族を顧みず子どもは不良化→仲違いで殺人など子どもに関する惨い事件が多すぎる。

マザー・テレサさんが言っていた「生まれてくれてありがとう」という考えはなかったのか。専門家はよく言う「子どもに親は選べない」と。その通りだ。

事件が起きる度に新聞で生前の可愛い顔を見るが、警察から送検される親の顔を見ると不貞不貞しいギャップには「何故?」と考えざるを得ない。

都会での片親での育児の大変さはよく分かる。そんな時に「おじいちゃん、おばあちゃんはどうしたのか」とも思う。祖母がテレビで「こんな事になって」と絶句する場面も見受けられるが、どうしてもっと早く相談、協力出来なかったのかとも思う。

昔は3世代の大家族で子どもの面倒も見合っていた。子どもをおばあちゃんに任せて仕事も出来た。ところが今は核家族、片親だけで仕事をしながらの育児は想像を絶する大変さだろう。

テレビの特集で歌舞伎町で働く母親が店に出る前に子どもを抱っこして託児所に行くシーンがあった。抱っこされた子どもがネオンを指さしながら「お母さん、きれいね」と言っているのだろう。同じ年頃の孫がいると「何とかならないか」と思うのだ。恐らくこの子は深夜まで託児所で遊び、寝るのだろう。

こう言う生活が子どもの発育に良いはずはないのだが、生きて行くには仕方ないことなのだ。

そんな中、4日のTBSテレビ報道特集で「こども食堂」を見た。

個人やNPO法人が仕事で忙しい親に替わって週に1回子どもに食事を提供しているのだ。「こども食堂」とは良く言ったものだ。子ども100円、大人500円といっていた。勿論儲けなどない。温かいご飯、たくさんのおかずを前に楽しそうに食事するシーンを見て、こんな奉仕活動があるのだと感心した。この運動を更に展開する動きもあるのだ。

一方で、親身のない政府の対応に怒りを感じた。野党議員が国会の委員会でこの活動を紹介し「何故、国は援助をしていないのか」と問いただしたが、1億総活躍社会担当相はペーパーの棒読みであっけない答弁だった。何を言ったか分からないほどだ。

1億総活躍社会構築、少子化対策など聞こえの良い政策を打ち出すが、民間のこういう慈善運動に何故、国は援助出来ないのか。

「政治とカネ」の無駄遣いに年間320億円も使い、東京都に至っては2回の舛添さんの外遊で1.2億円も使った。オリンピック関連では巨額のカネが必要になっている。

無駄が多すぎる国や自治体の政策より民間のこのような運動を支援する方が効果があるのではないか。これからは「民間の力」を利用すべきだ。それによって雇用も出てくる。

又今日も同じような事件が報道されるだろう。


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