日本経済の体温計を壊し、「見えざる手」を不自由にし経済を潰す安倍総理、黒田・日銀総裁は退陣すべきだ。日銀の政策で各種金利の目安となる長期金利は国債の大量買い付けで低金利に操作するために金利目安の体温計を壊し、異次元の金融緩和で年間80兆円(現在は60兆円)の買い付け、ETF年間6兆円の買い付けで株価は19500円台の維持を目指す。市場の「見えざる手」も不自由になってきた。
こんなことで日本経済を舵取りすることが出来るのか。
安倍総理のアベノミクスに踊らされて日銀は異次元の金融緩和策をとり、「2年で2%物価目標」達成を当初狙ったがうまく行かない。FRBは利上げ、欧州中銀も緩和縮小を目指すが日銀は「2%物価目標達成」を至上命題に緩和策の継続だ。
その結果、日銀が買い付けた国債は430兆円、発行残高の40%をしめ、このまま行くと18年10~12月度には日銀が行き詰まるという。今、年間60兆円を買い入れているが市場に買い入れる国債が少なくなるのだろう。
日銀は政府と一心同体だから潰れることはないだろうが日銀の経営がうまく行かなくなると国債の信用はがた落ちで日本経済は大混乱だ。ETFで年間6兆円分買い入れ株価19500円台を維持しているが、うまく行かなくなると大幅下落だ。今でも2000円分高めとみられている。
日銀の仕事は「物価の安定」だ。何故無理をして2%を目指すのか。今だって消費者物価は0%前後で安定しているではないか。政府は「脱デフレ」を目指しているがイオンを始め小売り、流通業界は値下げ競争だ。消費者のデフレ・マインドは強いとみている。
イオンの岡田会長は「脱デフレは大いなるイリュウ-ジョン」と言い切った。
安倍総理のアベノミクスは頓挫、一時は成果があったがリフレ派経済は経済学の主流ではない。正統派経済学者は皆反対していた。その通りになったようだ。
今、アベノミクスに言及するのは安倍総理自身とイエスマンだけだ。そして日銀の黒田総裁を始め9人の政策委員、その黒田総裁だって金融政策は時間稼ぎ政府の構造改革、規制緩和を要求している。
そこで日銀は日本経済をどう見ているのか。9人の政策委員は全員リフレ派で占められた。政権寄りの経済の舵取りが可能になる。
そこで日銀の政策委員会・金融政策決定会合の議事要旨(2017年6月15,16日開催分)を日銀HPから開いてみた。
日本経済は総じて「緩やかな成長」とみている。「緩やかな」とはどういう定義か忘れたが、各項目で全て「緩やかな」がついている。
たとえば、日本経済は総じて「緩やかな成長」、「緩やかな拡大に」と見ている。輸出は先行き増加、公共投資も災害復旧、インフラ投資で緩やかに増加とみている。設備投資は「緩やかに増加基調」、雇用については「労働需給は着実な引き締まり」で雇用所得も「緩やかに増加」と判断している。
問題の個人消費は「底堅さを増し、穏やかな増加傾向」だ。消費者物価も前年比0%だが、小幅なプラスで一進一退の動きとみるが、プラス幅は拡大し2%へと楽観的見方をしている。
そこで日銀は金融市場調整方針として政策金利-0.1%を適用、国債金利は0%で推移と決めた。
9人の政策委員で賛成7人、反対2人という。このときはまだ木内委員が在籍して、今回も反対したが木内員は任期切れとなり退任した。木内さんは2%物価安定目標を○○年度と表記するのではなく、中長期的に目指すべきだと何時も主張していた。国債の買い入れも80兆円から60兆円に減らすべきだとも言っていた。
今考えると木内さんの考えが正当と思われる。
今の日銀の政策委員9人は全員が黒田総裁寄りのリフレ派だ。当然国会が承認する人事だから安部政権の意向が働く。でも日銀はいつまで政府追随姿勢なのか。
アベノミクスも批判が拡大している。ポスト安倍の岸田さん、野田さんは「見直し論」者だ。自民党内には「反アベノミクス勉強会」も出来反安倍パターンが広がっている。
日銀も政府と距離をとったらどうか。過去に日銀総裁をやっていた人が言っていた。「1番気を遣ったのは政府との距離感だ」と。
日銀は日本経済の体温計を壊したり、「見えざる手」を不自由にしてはいけない。
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