2017年9月8日金曜日

加計学園獣医学部新設疑惑で戦略特区諮問会議が果たしたこと

加計学園の獣医学部新設計画が「安倍総理が信用できない」という世論調査の結果、内閣支持率を大きく下落させているが、この新設計画が戦略特区諮問会議でどう考えられているのか。5月22日の第30回国家戦略特区域諮問会議の議事要旨と9月5日の特命担当大臣の記者会見要旨から見てみた。

朝日新聞(2017.9.6)「特区会議の運用 首相見直し言及」によると、安倍総理が国民的疑念を招く結果になったことを反省し、会議の透明性を高めた運用見直しを指示したという。

でも、9月5日の諮問会議後の担当大臣の記者会見の要旨を見ると、記者から「透明性の向上」について質問が出ると、担当大臣の答えは冴えない内容だ。合意議事録、議事公開ルール、検討を踏まえた議論などが上げられていたが「すぐにはそういう方向にはならないだろう」という。

岩盤規制改革の必要性が叫ばれているが、諮問会議こそ省庁間の調整などが必要な岩盤規制ではないのか。

そこで5月22日の戦略特区域諮問会議の議事録を開いてみたが、驚いたことにたった21分の開催時間の中で約10資料に基づいて議論されている。1件について約10分で審議されているのだ。

獣医学部の新設について、民間議員から意見が出されていた。

憲法の「営業の自由」が関係しているようだ。薬局新設で需給調整のため100m離す規制がされていたことが最高裁判所で違憲判決が出た。そう言ったことを踏まえて医学部は35年、獣医学部は50年新設がないのはおかしいというのだ。

需給調整目的の「文科省の告示」は営業の自由、競争によって利用者の利益を最大化する観点からこの告示こそ撤廃すべき岩盤規制だという。戦略特区でこの告示に例外を作ろうとしたのだ。

でも肝心の教育や研究の質が確保されるのか。特に動物による感染症の研究に重点を置いているようだが、認可を決める教育審議会(?)は2度目の先延ばしを決めた。教授、スタッフなどに問題がありそうだ。

新聞報道では石破さんが担当大臣だったときに決めた4原則(?)があるそうだが、これも戦略特区諮問会議では岩盤規制になるか。無視することが岩盤規制緩和になるのか。以前の政治的背景も岩盤規制になるのだ。

突破口を作ったことで続けて第2,第3の獣医学部が認められるべきだという。

民間議員の竹中さんは、抵抗勢力とのバトルがあるが、まず広域的な、獣医学部がないところに取り敢えず1校作ろうとする「1点の曇りもない議論」をして来たという。

今、理不尽な議論が今進められていると批判する。「人を批判する時は証拠に基づかなければならない」と言い、今は、証拠と言われているものは出所不明のもので証拠主義の無視、更には立証責任の転換だという。

詰まり、今安倍総理が批判されているが批判される元になる証拠が曖昧で、安倍総理に立証責任があるように言われているが、それは攻撃する野党にあるのではないかというのだ。

今回の戦略特区構想での獣医学部新設は安倍総理の大親友が事業者になり、忖度政治で不公平な行政がされたのではないかという疑念だ。「安倍総理ありき」の証拠となる議事録、メールが出て来た。

安倍総理は「何も指示していない」と関係を否定するが、政治家がよく疑念に対して「知らない」「存ぜぬ」「やっていない」との常套句を使う。でもこれを立証することは本人以外は分からない。本人も自分に都合の悪いことは言わないだろう。

安倍総理の加計学園の加計理事長が事業者だったことを知ったのは今年の1月22日という。議長をやっている戦略特区諮問会議での席上と言う事らしい。

でもそれは以前の発言と整合性が出来ないし、いかにも不自然な話だと野党は攻撃している。

諮問会議のメンバーは短時間のうちに好きなことを言って審議したように見せる安部政権のイエスマン会議の決定に国民は疑念を呈しているのだ。

安倍総理が「加計理事長から話を聞いたことがある」、「設立目的、教育の質が重要だから頑張って欲しい」「諮問会議では事業者が私の旧来の親友だが、依怙贔屓せず公平な審査をやって欲しい」などと言っていれば、これほどこじれたことにはならないのではないか。


全ては安倍総理の力量の問題なのだ。説明責任、立証責任は安倍総理にある。その結果は有権者である国民が判断すれば良い。

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