2020年4月30日木曜日

緊急事態宣言延長の是非(1):無理な外出自粛要請は解除したときの反動が大きくならないか


無理に無理を重ねた外出自粛要請は、緊急事態宣言を解除、あるいは一部解除したときの反動が大きくなり今までの努力を帳消しにさせ、更なる感染拡大になるのではないか。国民の身丈にあった自粛要請が必要ではないか。

「何時?」緊急事態宣言が解除されるのか、連休後はどうなるのか、国民全員の知りたいところだが、29日の衆院予算委員会で安倍総理は「何時かは専門家でもいえない。極力8割削減で収束を目指す」と同じことの繰り返しだ。だから国民の不安は募るのだと野党の玉木議員は指摘した。

安倍総理、小池都知事は「8割削減」を訴える。東京は新感染者数が100人を切ることがあるが、感染者数は増えている。院内感染も重要視されているが、市中感染も多いのだ。感染経路を追うことができない。

一方、テレビの情報番組はビッグデータから解析された人出の変化を解析する。ところが主要な都市での場所、時間、曜日で人出の削減も30~60%と80%には届かない。常時8割削減は大変なのだ。

5月6日以降どうなるか。専門家会議で検討するというが、この緊急事態宣言を発出したとき、1ヵ月後の解除の条件が「感染者数の減少」といわれているだけで具体的数字は示されていない。専門家会議の疫学的調査に基づくのか政府の政治判断に基づくのか不明だ。

専門家の中には1/5程度になることだろうという。だとすると東京では新感染者数が20人程度になることだ。

大事なことは今回の度重なる外出自粛要請をどう感じているかだ。特に政府や東京とはGWでの多くなる人出を押さえ込み感染拡大をコントロールしようとしている。「県外をまたいで移動するな」といえば観光地は「今は来るな」という。新幹線や高速道、航空機の予約も換算としている。国民は要請にこたえているのだ。

一方で、テレビはパチンコ店や屋外ゴルフ練習場が込んでいるという。どこでストレスを発散させるか。家にいるだけではDV,子供への虐待、アルコール中毒が増えているという。何で自分の妻や子供を鬱憤を晴らす対象にしているのか。情けなく感じないか。作家の藤原先生は「本を読め」と読書を薦める。余った時間をどう有効に使うか、家族とどう付き合っていくか、

新型コロナウィルスは社会を大きく変容させようとしている。それに対応できる能力がないとこれからはやっていけない。

ある調査機関によると緊急事態宣言前後の国民の「生活の自由度」調査によると以前を100とすると今は54だという。ここは「我慢」だ。自分や他人の健康を考えるとお互いに「我慢」しかない。

しかし、これでもか」「これでもか」と外出自粛をエスカレートしていくと国民の自由度も限界に来る。

新型コロナウィルスとの戦いは長期戦だ。無理に無理を重ねて削減しても長続きしない。解除しようものなら反動が大きく、第2、第3波に悩まされることになる。

そこで、この1ヶ月の人出削減でどの程度の成果があったのか。8割は無理でも6割は達成できているのか

当初、基本的再生者数を2.5と見て、シミュレーションした結果、感染者数85万人、死者41万人という数字が出た。そこで「8割削減」が主張されたと思うが、これはドイツでの基本再生者数で東京では1.7と見られている。これだと6割削減で感染者数は減少に転じるということだった。

「6割削減でよいと思うが多めに8割」にしたという発言を聞いたことがあるが、この辺の検証は十分なのか。

専門家会議は原点に返り実績を検証に国民に正しいメッセージを送るべきだ。

30日のテレビの情報番組で希望が持てる明るいニュースが出てきた。

ノーベル賞受賞の大村先生の開発したィベルメタチンが効果があるらしいし、米国ではレムでシビルが効果があるということでNY株が上昇しているという。そして山中先生はPCB検査の危険性、簡易に検査できることから唾液を使った検査法を推奨している。

政治家や官僚ではなく、こういった学者の発言、情報発信は大事だ。「政治家や官僚は黙っていてほしい」といいたい。明るいニュースが出てくると投資家も反応するし、経済再開に向け動きも出てくる。

今は、新型コロナウィルス対策と経済再開がトレードオフの関係だ。まず感染者数を削減することに重点を置くべきではないか。

あの悪評の高いアベノマスクが4日前に届いた。使ってみるとチョッと小さい。あちこちに隙間ができているようでウィルスの漏れが出ているのではないか。あわてて作って品質管理に手抜かりがあったようだ。「数さえそろえればいい」という官僚穂発想か。

伝教大師の教え「一隅を照らす」が今こそ必要なのだ。国民一人ひとりが自分の立場で何をすれば最善かをしっかり考えるときだ。それが出来る人間が「国の宝」と言う。



2020年4月29日水曜日

国会審議からわかる政府対野党:どうなる?「外出自粛」「PCR検査数増」「9月新学期」


今回の新型コロナウィルスは当初予想に反して、社会、世界にとんでもない事態をもたらし、収束後は社会を一変される結果になりかねない。

わが国は緊急事態宣言が発出され、「外出自粛」「休業要請」されているが、政府の言う人との接触「8割削減」もままならず、更には「検査数を抑えているので感染者数が少ない、陽性率が低い」のではないかという専門家などの意見も出てきている。

更には、学校休校に伴う学力の地域格差に加えて「9月新学期」の考えも出てきた。

今、外出自粛が要請されている。家の中で何をしていいか迷う日々もあるが、休日でも予算委員会は開かれ、NHKが中継している。与野党議員がこの国難のときに何を、どう審議しているのか見聞きするのもいいのではないか。29日の衆院予算委員会を聞いてみた。

玉木議員が「外出自粛」要請の見通しを質問していた。オーバーシュートまではいたっていないが、感染者数は増加、医療崩壊を防ぎ山を大きくしないようにしている。ある程度効果は出ているが8割にはいたっていない。

「何時?」といわれても専門家の中でもいえない。極力8割を減らし収束を目指すという。

医薬品、ワクチン、アビガンなどの臨床研究を早くし、望めば倫理委員会の承認を得て使用できるようにするとも言う。

玉木議員は「今のような説明を繰り返すから不安が募る」と「トンネルの長さ? 国民はどう覚悟を持って望めばいいのか」と畳み掛ける。人件費、家賃が固定費に占める割合は大きい。

最大200万円の給付、固定資産税などを考慮するというが、「要請はあるのか」という問いに国土交通相は「件数、結果は具体的な数字は招致していない」という。

玉木議員は家賃支払い猶予法案をフリップで示しながら説明、28日に共同提出した。与野党で協議し父さん、廃業を抑えるために早急な結論を出すよう要求した。

安倍総理は議員提出法案なので政府としてはコメントできないが、与党としては案を持ち寄り検討するという。

玉木議員は、接触8割削減ができていないことについて、今は施設ごとであるが、業務で命令、罰則の規制が必要ではないかという。

安倍総理は収束が見込めていないことから更なる政策が必要かという。

そして、財政出動だ。大きな財政出動、たとえば100兆円のコロナ国債で7月末までに収束できないか。

安倍総理は国民に安心感を持たせ収束へ、雇用、生活を守ることを最優先にするという。

ついで共産党志位議員は、「今何をなすべきか」、PCR検査を改善し、必要な人が受けられるようにすべきだ。総理は1日2万件というが実際は8000件? 自覚症状が無ければ検査を受けられない実情を訴える。

今は、保健所を通じての検査依頼で保健所は能力の限界、検査機関も能力の限界では院内感染や医療崩壊は避けられない。そこでかかりつけ医からPCR検査センターに直接依頼する改善策をフリップで説明した。

ところがPCR検査センターの予算化が49億円でまったく不足していると指摘に対して厚生労働相は「違う、運営費だ」という。

この辺がどうなっているのか分からないが、志位議員は東京では検査センターを47箇所設け、予算は一箇所で5000万円、総額200億円を予算化しているという。だとすると49億円は何なんだということになるが説明が不十分だ。

検査数が少ないことは専門家も指摘し、検査数を増やして陽性者を探しそれなりの隔離をすることが必要だが、それがなされていないので市中感染が広がり感染者数の増加が止まらないのではないかという意見がある。

安倍総理は国会で1日2万件の検査能力を言うが実態は8800件らしい。東京で200件の感染者数が出たときの検査数が350件だったことを覚えている。検査数からすると東京で新感染者数が350件を超えることはないのだ。

これは陽性率にも関係する。メデイアの報道では4/9~15日で陽性率17.5%、4/16~22日で12.3%が出ていたが、7%ぐらいではないかとコメントしていた。

検査数が少ないのではないか。自覚症状があり陽性の可能性のある者を検査すれば陽性率は上がるが、希望者に検査すれば陽性率は下がることもある。検査のシステム上保健所がコントロールしているが今は保健所もパンク状態だ。その要因に行政改革で保健所の職員も半減しているらしい。

港区のみなと保健所の様子を見ると密室で混沌としている環境に驚く。いっそうの事AIを導入し症状を訴えている人をスクリーニングし保健婦さんの仕事をバックアップできないか。電話でノートに書きなぐりしていては重要は情報を見落とすのではないか。

そして休校が続き学力にオンライン教育など地域格差が出てきていることで玉木議員は「9月新学期」を問うている。

教育格差は社会に全体で大きな影響を及ぼす。受験生には死活問題だ。1人1台のPCは自治体がしっかり対応することだ。124単位とか34単位と就学上の単位数の話も出てきたが、「対面指導」の見直しが必要か。「学ぶ場所」でもある。

萩生田文科相は「省令改正」でできるかというとそう簡単にはいかない。社会全体の問題でもあり広く認識すべきだといい、安倍総理も「さまざまな選択しを検討」という。

小、中、高校生を持つ娘も、外出自粛は5月の連休明け意向も続きそうで「これじゃ9月新学期」しかないといっていた。

今回の新型コロナウィルスは社会に大きな変化をもたらすのだから、教育も大きく変化することが必要だが、今が「9月新学期」のチャンスか。

国会審議も野党議員はテレビ中継があるということでフリップを作成し、何を訴えているかを視聴者に分かりやすく工夫しているが、閣僚は相変わらずペーパーの棒読みだ。

閣僚も大きくやり方が変わることに抵抗している。検査法の変更に安倍総理は「途中でやり方を変更することは混乱にもなる」と言っている。

昨日の予算委員会で枝野さんが、安倍総理に「最悪を想定しているか」「正常性バイアス」にかかっているのではないか」と追求していた。災難にあったときに「安心バイアス」にかかることがある。自分は大丈夫だと思って判断を誤り事態が悪化するのだ。

新型コロナウィルスに対する政策で右往左往している安倍総理、「極力8割削減」を主張するが、単調なトーンで吉村大阪府知事や小池都知事に比べて積極性が見られない。もちろん緊急事態対応の具体的推進は自治体の首長だが、大きな方針は国が出すことが必要だ、

こんな総理に任せていたから失敗したといわれないように官邸に泊り込んでも先頭に立ってやる「姿勢」を見せてほしいものだ。

5月6日前後に国民にどんなメッセージを発するか。注目だ。夕方記者会見し、即帰宅する姿だけは見たくない。




2020年4月28日火曜日

新型コロナウィルス後の世界?:「グローバル」から「ローカル」へ、「小さな政府」から「大きな政府」へ


現下の新型コロナウィルスによる感染拡大に取り組む世界各国はまさしく「新型コロナウィルス大戦」だ。世界のトップもトランプ大統領は「自分は戦時大統領」、フランスのマクロンさんは「公共衛生戦争」といえば、安倍総理も「第3次世界大戦」といったらしい。

全世界で死者20万人、負傷者(感染者)291万人、都市閉鎖で外出禁止だ。こんな戦争が今まであっただろうか。

大戦後は関係国の政治、経済システムが大きく変わる。今回の新型コロナウィルス戦争はいまだ収束も見えず被害は拡大する一方だが、収束後の世界はどう変わるか。

ノーベル経済学賞受賞者で「富の格差拡大を警告」するステイグリッツ教授や「Gゼロ」で世界のリーダー不在を憂うる国際政治学者のイアン・ブレマーさんがメデイアの電話インタビューに答えこれからの世界のあり方を提言、何が起こるかを予測している。

今まで何かあるとアメリカがリーダーシップを取り対応してきたが、今回は米国も震源地の中国以上の災難にあっている。大統領選も控えトランプ大統領は「アメリカ第一」「保護主義」を強く打ち出すだろう。

一方、震源地でありながら早くから都市閉鎖、医療対策などを実施し、中国の情報が正しければ経済再開へ、感染が拡大している新興国には支援の手を差し伸べている。

G7メンバーのイタリアが中国の支援下に入ったことで他の先進国も警戒感を強めている。先進国間の綻びに中国が楔を打ち込み覇権拡大をもくろんでいる。

トランプ大統領は先進国、民主主義国家のために頼れるのか。

ところで、ステイグリッツ教授は読売新聞(2020.4.26)でのインタビューに答え、「科学を尊重し、政治を重視、市場を見直して皆が富を共有できる社会」の構築を目指せという。富の偏重、格差拡大の是正が必要だがそこには「大きな政府」が必要になる。

科学は大事だ。今回は早期の検査法、ワクチン、治療薬の開発が急がれる。今回見られる景気後退も需給バランスの崩れが問題ではない。新型ウィルスコロナへの対応によっては不安を払拭し国内経済もV字回復が期待できるのだ。

又、今までは規制緩和、福祉削減、緊縮政策、市場原理を尊重する「小さな政府」を目指したが、市場には「見えざる手」は存在しないという。企業や富裕層は更なる利益を求めて99%の富を吸い上げていくのだ。

国民が等しく富を共有するには企業や富裕層に対する課税を見直し所得の再分配すべきであり、規制強化、福祉の充実など「大きな政府」が必要なのだ。

一方、イアン・ブレマー氏は「まったく違う世界」になるだろうという。

今、医療供給網、人や物の移動の管理、ワクチン開発、経済刺激策と課題は多いが、リーダーシップをとる人間はG7、G20にいないという。経済が復興し、人々が安心して旅行できるようになるまでに3年はかかるだろうが、今までとは違った世界になると見る。

経済活動は世界に展開する「グローバル」から国内消費者に近い「ローカル」なものに移行すると言う。

政治面では格差拡大でポピュリズム、ナショナリズムが台頭しエスタブリッシュメントへの反発から現政権を揺るがし国内政治は混沌となる危険もある。

中国を「世界の工場」として経済構造も今回の新型コロナウィルスでサプライチェーンを崩され国内生産に大きな支障が出た。その反省から「生産の国内回帰」が進むだろうとアメリカは歓迎しているし、日本もそれに予算を付けている。

新型コロナウィルス以前は、米中貿易摩擦が世界経済を混乱させ景気後退の端緒になっていたが、今は新型コロナウィルスの発生元、中国の初期対応のミスから米中コロナウィルス摩擦に発展した。

各国に財政危機は進むだろう。新興国はIMFから十分な支援が得られないとなると中国の支援下に入るだろう。金融危機の危険がある。

新興国ばかりでなく、日本もアメリカも金融政策に苦労するだろう。日銀は政府の財政出動での国債増発に備え国債の買い入れ80兆円の上限を廃止し、「できることは何でもやる」政策に変えた。FRBもゼロ金利への回帰、国債買い入れの上限を撤廃しているが、FRBの後追いだろう。

自国経済再開に向け各国は独自の政策を打ち出すのだろう。他国のことを考える余裕などないはずだ。

「グローバル」から「ローカル」へ、「小さい政府」から「大きな政府」へ。中国頼みから以下に脱却できるか。




2020年4月27日月曜日

新型コロナウィルスでどこへ消えた?:たかがマスク、されどマスク

本当にマスクはどこへ消えたのか。普段は薬店、薬局に行くといろんな種類のマスクが3枚入り袋で棚に並べてあった。今、買い物のついでに覗いてみると棚はあるが品物はない。「御一人様1パック」とか「入荷の見通し無し」と表示されている。不足していたトイレットペーパーは戻ってきたようだ。

しかし、マスクと消毒用アルコールは相変わらず品切れだが、消毒、除菌には石鹸で手洗いすればいいし、除菌も台所用漂白剤を100倍希釈した次亜塩素酸水溶液で代用できる。ところがマスクも手作りや代替品は工夫しだいだが市販品の要望は強い。

ところが、今町中の空き店舗や異業種の洋服店などでマスクを販売し、長い行列が出来ている店もあるが、箱が山積みされたまま売れ残っているシーンを見る。輸入業者、卸業者から入手できるのか。

そして、目立つのは通販での販売だ。価格は1枚50~100円、シャープも自社工場で生産したマスクをネットで販売しようとしたが今までのところサイトにつながりにくくなっているようだ。私も何回か渡来したがらちが明かない。

政府はメーカーにマスクの生産、増産を要求、異業種も含めて15件に補助金も出している。中国で生産している物もあるだろうし国内で作っている物もあるだろうが、品質管理から言えば国内生産が望ましい。

どのくらい国内で流通していたのか調べたら、2018年度のマスクの量は55億枚と言う(日本衛生材料工業会)。中国製が44億枚、国産は11億枚だ。今回安倍政権が一世帯に2枚に布マスクを配布するため4社に発注したらしいが生産は海外のようだ。案の定異物、ごみ、昆虫の混在で品質上の問題が発生し、2社は回収、検品するという。466億円かけた事業だがお粗末すぎる。問題はその中の一社の名称を厚労省が発表していない。何やら安倍総理の関係者が絡んでいるのではないかと疑う。今、官僚の中で例のマスクを着用しているのは安倍総理だけだ。見ていると小さすぎて顎が出ている。

3月には6億枚生産できるというから年間72億枚になり2018年度をはるかに上回る。さらに秋には8億枚と言うから品不足など解消し却って売れ残るのではないかと心配になる。

でも、1億人が使い捨てマスクを使用するとなると月30億枚、年間360億枚でとてもじゃないが増産しても追いつかない。

私も先のブログでそんなに作ってどうするんだという意味の記事を掲載したが、ピークを過ぎて皆がマスクをしなくなったら余分な生産設備をどうするんだということだ。

今は、「外に出るときはマスク着用」、濃厚接触者の定義は「マスクなしで1m以内15分」「自覚症状のない若者からうつされないためにマスクの着用」だが、この風潮がどう変わるか。



2020年4月26日日曜日

ノーベル経済学受賞のステイグリッツ教授曰「科学と政府を重視、市場を見直し、皆が富を共有する秩序を作れ」と


ノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツ教授が読売新聞(2020.4.26)「あすへの考 対コロナ小さな政府の限界」の電話インタビュー記事で「科学と政府を重視し、市場を見直し、新たな秩序つくりが必要」と説いた記事が目に付いた。

スティグリッツ教授と言えば、「世界の99%を貧困にする経済」(徳間書房 2012.7)で「1%の上位が99%の下位から富を吸い上げる」格差拡大を警告し、「日本人に繁栄を幅広く共有できるか」と問うた。

その教授が、今回の新型コロナウィルス感染対応で右往左往する各国のトップ、特にトランプ大統領の政策を見て危機対応に疑問を呈する。

オバマ大統領が築いた公的医療保険制度の見直し、CDC予算削減、疾病対策局の解体は危機対応に逆行、トランプ大統領の「4月には終息後、V字回復」の判断は初動ミスを招き、今の米国は感染者数90万人、死者5万人という震源地中国の倍の国難に会いトランプ大統領自身「戦時大統領」という。

世界一豊かな国と思われていた米国が、新型コロナウィルスで人工呼吸器、防護服、マスク、検査薬などの医療現場での必需品が不足していることを露呈させた。

アメリカでも感染が一番多いNY州知事は感染対応で悪い情報を流すがトランプ大統領は経済活動再開を視野に入れた政策でNY州知事を対立している。最近も間違った情報として消毒薬を注射すればいいとコメントし専門家が猛反発、事故も起きているらしい。記者会見での発言を同席していた専門家が即否定するシーンも流れている。

トランプ大統領は選挙戦も控え経済再開を模索するが、今の景気後退は需給バランスではなく、新型コロナウィルス感染拡大の阻止と疫学的制御が問題なのだ。感染阻止で何か明るいニュースが出ると国民の不安は払拭され消費も上向くのではないか。

米国の失業率は3%から15%へ悪化、倒産も増加する。日本も同じことが言えるのだ。

こんなとき、ステイグリッツ教授は「強い政府」が必要という。

日本も同じことだが、規制緩和、福祉削減、緊縮財政、市場原理にゆだねる「小さい政府」を目指した。その結果富裕層の利己主義で最上位0.1%が全米の総資産お20%を占めるいびつな構造になった。

貧富の格差は拡大し、「市場の見えざる手」など機能しない。「ない」と同じなのだ。そこで国民を守り、社会全体に奉仕する「政府」が必要になるのだ。いわゆる「強い政府」だ。

ステイグリッツ教授は「科学を重視」「政府を重視」「市場原理を根本的に見直す」新たな秩序作りが必要と説く。

これはアメリカばかりでなく、日本にも言えることだ。今、ノーベル賞を受賞している研究は数十年前の研究だ。今は大学の研究費も削減されノーベル賞級の研究は無理だというし、カミオカンデでの研究は巨大な予算が必要だ。

新型コロナウィルス感染には臨床治験が不足している新薬が役に立ちそうだ。ベッド数不足など医療破綻が現実になってきているが、医療改革でベッド数を減らしたり、効率の悪い公立病院の統廃合もやっている。厚労省の医療政策は今回の新型コロナウィルスで見直しを迫られるか。国民の健康を守るのに逆行していないか。

経済界も事あるごとに対策を政府に迫る。異次元の金融政策では市場に流すお金は投資ではなく、内部留保(?)で460兆円になっている。何に使うのか。

改革のための「働き方」も労働者を守るよりも経営者の都合のいい改革になっている。労働条件の悪い非正規労働者が増え失業率が好転していることが本当に国民のためなのか。

安倍政権は政策検討に民間人を採用した○○○審議会、諮問委員会、懇談会などを多用して民間委員に政策を提言させたり、審議させ国会審議をおろそかにしている。YESMANだけで審議して国民の民意をくみ上げられるのか。

金融政策でも日銀にリフレ派委員を送り込み異次元の金融緩和策を継続、出口戦略も見えぬままマイナス金利、ゼロ金利を継続し副作用に警戒が必要だ。

「コロナウィルスの見えざる手」とともに「市場の見えざる手」も期待できない現在、「大きな政府」により一部の富裕層ではなく国民全体に富が共有できる政治経済が必要になる。

そういう風な新たなグローバル化の模索に向かうべきだとステイグリッツ教授は提言するのだ。


休業すれば収入はないが家賃が:自営業者が開業しても店は借家なのだ

今回の新型コロナウィルスで東京都など自治体は休業要請しているが自営業者は「休業しても家賃が・・」という。「休業し収入がなくなれば家賃が払えないのだ」と苦しい胸の内を話す。その家賃も契約で何か月も前に解除の通告をしなければならない。だから数か月も払い続けなければならないのだ。

自営業者も経営は大変なのだ。今回のような緊急事態にでもなればそれこそ死活問題なのだ。

もう40年も前の話だ。行きつけの散髪屋で「サリーマンと違って腕に技術があれば死ぬまで働くことが出来いいですね」と言うと、店長は「そんなことはありません」と言う。

私たちの仲間で自分の家で開業している者は半分もいない。ほとんどが借りて開業しているのだ。年を取れば、客層も変わる。自分の年齢±10年の客層だという。更に1人を散髪するのに約40分かかる。効率化などたかが知れているというのだ。

その話を聞いてサラリーマンの方が楽かと考え直したが、今は非正規労働者、雇止めとサラリーマンも厳しくなっている。

今回、自営業者が廃業したら万一収束後の経済再開時にどう影響するか。すぐに戻ってこれるか。




2020年4月25日土曜日

緊急事態宣言での外出自粛要請、休業要請の効果は人出6割削減か、8割削減か

テレビ情報番組より
2020.4.13

7都道府県の緊急事態宣言に続き全国へ展開した外出自粛要請、休業要請の連休明けの成果がどうなっているか。人出が6割削減できたか8割削減できたか。その結果、新型コロナウィルスの感染者数の推移がどうなっているか。

専門家会議は総合的に判断するらしい。具体的な判断基準が数字では挙げられていないので、疫学的調査より政治的判断が下される傾向にある。国民に分かりやすく説明するというが安倍政権の政治判断ほど分かりにくいことはない。

この一ヶ月の努力で何とか6割削減が可能なのか、それとも要請を強化したことにより8割削減が可能になるのか。

継続できる行動変容になっているか。無理な行動制限は長続きしない。「継続は力なり」なのだ。

今までのテレビの情報番組によると、主要都市では3070%の削減、平日と休日ではまだギャップが大きい。所によっては80%に近い場所もあるが、東京では人が集まる主要繁華街や駅周辺だ。

言えることは、6割削減は可能だが、8割削減にはいっそうの努力が要るということか。その努力は継続できる内容なのか。

感染者数の推移はどうか。日ごとの数字に一喜一慮するのではなく、週ごとのトレンドで読めばどうなるか。更に言うと検査数との関係だ。これから検査数が増えると感染者数も増えるだろう。今までの国立感染症研究所がいう「積極的疫学調査」と同調整していくのか。

ここで思い出すのは、クラスター対策班の西浦先生が「削減目標を6割でもいいのだが、多めに8割にした」という発言だ。6割でもいいということか。

これには基本再生産数が問題になる。1人が何人に感染させているかという数字だ。

西浦先生は、欧州特にドイツの2,5を採用しこのままだと感染者は85万人、死者は41万人になるとシミュレーションし、「人と人との接触を8割減らせ」という。安倍総理も緊急事態宣言で「最低7割、極力8割」の接触削減を提案した

でも東京では1.7らしい。これだと6割減らせば何とかなる数字なのだ。東京とドイツでは生活も違う。何故、2.5を採用したのかということになる。1.7だと現状にチョッと努力すれば達成できる数値ではないか。

テレワーク、在宅勤務、通勤電車での混雑防止のための時差出勤、ビル、事務所の「3蜜」環境、スーパーでの買物、休日のレジャー、暇つぶしの遊興、休業と補償、自由への制限、医療体制の破綻など違うのだ。

無理な行動制限は長続きしないが、働き方改革、教育など従来の制度を見直すいい機会になったのではないか。すでに始まっている中国依存から生産設備の国内回帰、やることは一杯あるが、まずは新型コロナウィルスの感染拡大を阻止し、第2弾、第3弾に備えることだ。

今こそ国民一人ひとりが何をすべきか考え行動するときだ。安倍総理小池都知事の言うことに従順に従っていてはダメだ。




安倍総理! アベノマスク回収と共にアベノミクスも回収し退陣しないか


最近、テレビに映る安倍総理に覇気がなく記者会見も国民に訴える力も弱弱しく自信がなさそうだ。更に首相動静を見ると毎日私邸に帰宅している。何故、新型コロナウィルスの「国難」で公邸に寝泊りして先頭に立って対応しないのか。

ここ6年、強固な危機管理で長期政権を維持してきたが、今までは国民の身体、生命に関わる事案は無かった。今回の新型コロナウィルスははじめての国民の生命に関わる事案であったが、打ち出す政策は国民の不満が高じるばかりで政策も混乱し朝令暮改状態だ。

強い政治主導を推進しようとした官高党低で民意のくみ上げができず、生活救済の給付金も選挙、内閣支持の政策に変容しもめている。官邸、自民党内の権力闘争も背後に出てきたようだ。

今まで安倍政権を支えてきた権力構図が変わってきた。新型コロナウィルス対応が停滞すれば任期を待たずに退陣の方向か。

マスク不足で国民の不安が高まっていた事態を解消すべくマスクの世帯配布に打って出たが、4社に発注するも異物混入、黄ばみなど品質上問題が発生し、興和、伊藤忠商事2社が未配布品を回収し検品すると言い出した。

海外で製造したらしいが、品質管理面で「納期ありき」があったようだ。サイズが小さいとも言う。テレビで閣僚を見ると安倍総理のマスクを見ると確かに小さい。子供用の小さいサイズのようだ。しかし他の閣僚は皆、市販のマスクをしている。

何故、安倍総理だけ世帯配布のマスクをしているのか。自分が決めた事案なので責任を貫こうとしているかもしれないがこのマスクではダメだ。それに4社に発注したというが3社は明らかになったが、1社についての公表は厚労省が頑なに拒否している。又、安倍総理の懇意の関係者が関係しているのだろぷか。

466億円かかったというが、社民党・福島さんの試算では相当に高い買物のようだ。品質も悪いとなれば税金の無駄使いになる。

回収、検品すればいいという問題ではない。国民のカネを使うという意識が安倍政権にはあるのか。

ついでに、アベノミクスも回収、検品したらどうか。

当初の「3本の矢」では不足と見たのか「新しい3本の矢」を放ったが、6年間一度も検証されることも無く矢を放ちっぱなしだ。

主流派経済学者はこぞってリフレ派の推進する異次元の金融政策、非伝統的金融政策に反対していたが、当初は効果もあった。

円高、株安に悩まされていたが、市場にカネを流すことにより円安、株高で日本経済も息を吹き返したように見えたが念願の脱デフレはかなわなかった。

2年で2%の物価上昇目標は先送り先送りで達成できていない。今後のほとんど無理だろう。

それでも安倍政権はリフレ派の経済人、学者を政策委員に送り続けている。マイナス金利は銀行経営にも支障が出てきているし大量の株式購入は官製株価、日銀が大株主の様相を呈し株式市場まで異常さが目立つ。

それでも政策委員は更なる緩和が必要という。日銀黒田総裁は本音はどうなのか。金融政策の検証はどうなったのか。見直しが必要と公言するとアベノミクスへの批判になり、黒田総裁にできるはずがない。日銀と政府は一体なのだ。今は独自性などない。

国会で野党議員から「何時まで異次元の金融緩和か」と問われ、安倍総理は「何時までも続けるわけには行かない。私の任期中に方向性を出す」という意味の答弁をしていたが、それでも「黒田総裁に任せている。信頼している」といつもの人のせいにする。

安倍総理がいる限り異次元の金融緩和を継続しなければならないのだ。このままでは日銀の経営にも影響が出てくる。

国民の政策では優先順位が下位であるが安倍総理はトップに持ってきているのが憲法改正だ。岸家、安倍家の政治課題を引っ張っているのだ。国会の憲法審議も進まず、緊急事態条項など4項目を追加したいらしいが、今のような緊急事態対応しかできないでどうするのか。時の政権は緊急事態対応が苦手なのだ。これを機に一気に憲法改正というわけには行かないだろう。

一時、開催が不安視された東京オリンピックもバッハー安倍会談で「延期」の線が出て1年延期が決まった。3000億円という経費増の問題をバッハ会長は「安倍総理が持つことになっている」というようなコメントをし日本側はいっせいに反論した。

安倍総理の面子をかけたオリンピック延期だが裏でどんな約束をしているか分からない。今回の新型コロナウィルスが1年後に収束しているわけがない。海外から大勢の選手が集まってくるが入国審査はどうなるのか。マスクは足りるのか。3「蜜」回避はできるのか。日本医師会はワクチンができなければオリンピック開催は無理という。

オリンピックは中止を決め、選手村は新型コロナウィルス感染者用の代替病院にしたらどうか。他に自治体と比べ東京はそんなにカネがあるのか。

安倍総理が得意(?)とする外交分野も行き詰まり状態だ。

対ソでの北方4島返還は平和条約締結後の2島返還のプーチンの曲球で振り回されている。ロシア国内では返還反対なのだ。プーチン大統領は思わせぶりなことを言っては極東の経済開発に日本から資金を出させようとしている。どんな密約をしているのか。

対中での政策は難しい。習主席の国賓待遇での訪日をギリギリまで中止できなかったが、安倍総理はこれを機に改善を目指したようだ。こんな時期でも尖閣諸島への威嚇を忘れない中国だ。

対北朝鮮の拉致問題は解決できない。そもそも相手にされていないのだ。

対米もトランプ大統領は「保護主義」で国際政治から孤立している。いつものような追随外交は無理だろう。頼み事をするたびに高価な軍備の購入を約束させられる。5兆円になろうとしているし、在日米軍の駐留費用の負担を5倍要求しているらしい。今、2000億円だから1兆円になる。

アメリカは日本防衛を担っていると考えているようだが、本当はアメリカの海外戦略の一環なのだ。米国の海兵隊組織を維持しようと思えば沖縄駐留が一番経費が安いという結果が出ているのだ。

国内を見ると、森友事件で公文書改ざん、隠蔽という民主政治の根幹を揺るがす憲政史上まれなる安倍総理夫妻による不祥事件を起こした。安倍総理の釈明を国民の70%以上が納得していない。

官僚組織を恣意的に利用できるように内閣人事局制度を悪用している。安倍総理の不祥事に関係した官僚は見な、出世している。今度は黒川東京高検検事長の定年延長で検事総長を意のままに使おうともくろんでいる。暗に指揮権発動で安倍政権の不祥事を検察段階で不起訴にでもしようとしているのか。

もう辞めてほしい。アベノマスク回収とともにアベノミクスも回収し、退陣だ。

2020年4月24日金曜日

新型コロナウィルスの今こそ最澄大師の「一隅を照らせ」だ:

「それぞれ国民一人一人が自分の立場で最善を尽くす」ことが、新型コロナウィルスによる感染拡大を阻止するために、今こそ大事ではないのか。

「一隅を照らす」とは、天台宗を開祖した最澄が「人々を幸せに導くための国宝的人材を育成するため」に書いた「山家学生式」の冒頭に書かれた最澄の教えだ。

今、新型コロナウィルスによる感染で多数の人が感染し、死亡している。正常な生活が維持できない状況が世界的に広がっている。

政府は「人との接触を最低7割、極力8割」削減し感染者数の減少を目指し、緊急事態宣言を発出し、外出自粛要請、休業要請しているがなかなかうまくいかない。

テレワーク、在宅勤務で外出自粛、休業要請で人込みを作るな、人込みに出るな、マスクなしで1m以内15分は濃厚接触になり感染の危険が高い、手洗い励行など政策を打ち出しているが、どうしても出社しなければならない人、町工場で出社しなければ仕事にならない人、休業すると収入がなくなり生活できない人、欲望に勝てず歓楽街で遊ぶ人、いろんな立場の人がいる。

しかし、「自分の身、命を守るため」「他人にうつさないため」何をすべきか、自分の立場で最善を尽くすには何をすべきか。

しっかり考え行動できる人が「国の宝だ」と伝教大師最澄は教えているのだ。


新型コロナウィルス対策:ドイツ・メルケル首相の説得力は我々にも通じるものがある


移民問題に関連しポピュリズム野党の台頭で2021年に辞任することになっていたドイツ・メルケル首相の新型コロナウィルス感染拡大阻止で国民に発した言葉が、ドイツ国民の支持を得、支持率が64%になったという(週刊文春4月30日号)。

その言葉はドイツ国民ばかりでなく、我々にも共感を得る内容で安倍総理以上である。

メルケル首相は東ドイツで育ち物理学の教授だったと聞いたことがある。物理学者だから論理は整然とし無駄がない。

説得は的を得、行動、移動の自由束縛も東ドイツでの経験からなるほどと納得がいく。

それによると、今のドイツの感染拡大のペースは横ばいだが、感染者一人が一人にうつす計算だ。それが1.1になると10月、1.2になると7月、1.3人になると6月に医療体制は崩壊を迎える。現在は極めて危ない成功でしかないと4月15日の会見で言ったそうだ。

更に旅行や移動の制限について、東ドイツで育った人間にとっては旅行や移動の自由は苦労して勝ち取ったものにとって、こうした制限は絶対に必要な場合にだけ正当化されるのだという。

一方、安倍総理の新型コロナウィルス対策は混乱している。危機管理に強固な体制を持っていると思っていたが、今までは自らの不祥事、恣意的な政権運営で反対勢力を抑えてきた。国民の身体、生命の安全に対する事案は無かったが、今回は身体、生命に関する事案そのものだ。打ち出す政策が不適なら国民の批判は高まる。安倍政権にとっては始めてのケースなのだ。

唐突な「一斉休校」要請したかと思うと1週間で解除、感染者数の増大で再び「外出自粛」「休業要請」に出たが、効果が期待できないと見て、緊急事態宣言を7都道府県対象に発出したが、更に全国拡大し自治体の混乱を招いている。

経済のバランスを考えて外出自粛も買物、公園などへの散歩は自粛要請対象外とすると、国民はスーパーへの買物、公園やレジャーを求めて散歩(?)に出る。スーパーは混雑し感染の危険場所に、公園などレジャー場所は県外ナンバーで駐車場、道路は渋滞し、関係自治体は「来るな」という。

暇つぶしにパチンコをするためかどうか知らないが、自粛していない県のパチンコ店が繁盛し批判を浴び、施設の名称を公表するという。営業している施設が悪いのか、外出自粛をしない国民が悪いのか。

人と人との接触を「最低7割、極力8割」減らし、感染者数の減少を目指したい安倍政権、小池都知事にとって8割達成は無理でGWも控え更にオンライン帰省など10のポイントを指摘した。

感染者増加に基幹病院の院内感染が見逃せない。医師や看護師の感染による離脱は、ベッド数の問題もあって医療体制の崩壊が始まっている。軽症感染者をホテルに隔離、オリンピックの選手村の使用、日本財団の提案など試行錯誤が続くが専門家に言わせればすべて政治がらみだという。

そういえば、中国からの感染者入国を水際でとめることができなかったのは、習主席の訪日計画、オリンピックの延期問題などがあったためだろうが、安倍総理は国民の身体、生命の安全より自分の面子のための政治をやっているのだ。

メルケル首相には辞任せず、もっとやってG7, G20をリードしてほしいぐらいだが、安倍総理は任期を待たず退陣すべきではないか。国民に信頼されていない総理が対応できる新型コロナウィルス対策ではない。


上高地周辺で群発地震?:長野県中部を震源とする震度1~3の地震が24回群発、巨大トラフ地震の前兆か

tenki.jpの長野県中部地震資料に発生個所を記入
同じ場所で発生している
境峠・神谷断層帯がありその北端が動いたのか
上高地周辺の同じ場所で長野県中部を震源とする震度1~3の地震が23日から24日の6時までに24回発生した。今も煙を吐く焼岳、1998年ごろのは登山道が崩れる事態にもなったことがある。

付近には境峠・神谷断層帯が存在し、M7.6クラスで今後30年間に発生する確率は0~13%といわれるが「非常に高い」とみられているのだ。長い歴史の中で2回発生していることがトレンチ研究などで確認されている。
NHK NEWSWEB 災害列島 内陸直下活断層による
地震に警戒 2019.4.8

南海トラフ巨大地震発生までには内陸直下地震の発生が危惧されているが、この周辺の地震も該当する。付近には糸魚川・静岡構造線もあり複雑な絡み合いがありそうだ。
気象庁 地震情報より

2020年4月23日木曜日

外出自粛要請強化:小池都知事曰く「ここ2週間が本当に大事、家にいてください」と


小池知事がスーパーの混雑回避でルールを公表した。買物は「3日に一回」と。「今後2週間が本当に大事、家にいてください」とも。東京の主要箇所での人出の減少も30~70%とばらつきがあり、休日と平日でもばらつきがあり、とてもじゃないが80%達成は無理だ。

スーパーへの買物、公園などへの散歩は自粛対象外ということでスーパーは買い物客で込み合い従業員は根を上げている。感染の危険を犯して働いているのだ。

そこで東京都は「スーパーへの買物のルール」を公表し、3日に一回とした。しかも込んでる時間を考えての買物になるが、開店の10時の時間帯は非常に込む。当然の話でスーパー側に問題があるのだ。「今日の目玉安売り」を狙って女性が殺到するのだ。14時~16時、18時~20時の時間帯は込んでいない。

公園や名所に県外ナンバーの車が集まる。近県の穴場に東京から大勢が遊びに来て駐車場がごった返す。ウィルスを持ち込まれると困るので「来るな」という。

小池都知事は「ここ2週間が本当に大事、家にいてください」と懇願する。「人との接触を8割削減しろ」というのだ。連休明けの評価が気になるのだ。

東京も23日は134人の感染者が出た。累計で3574人だ。10日間100人台を記録しているが今後2週間でどう推移するかだ。

いつもの話になるが、検査数が少なく、本当の実態が分からないのだ。

専門家会議の副座長がテレビの番組に出演し、緊急事態宣言後の成果をどう判断するのかと質問されていた。

外出自粛要請で行動変容を見て効果があったか、無かったか、医療体制を総合的に判断し、「従来どおり」「更に強化」「部分的に改善」を決めるという。

具体的な感染者数の推移など基準は無いようだ。だから疫学的判断か、政治的判断になるのだろう。国民に分かりやすく説明するとも言うが、安倍総理の判断はどうなるか。

更に継続というとここ2週間の外出自粛、休業要請を継続するということか。反対に解除でもすると「気の緩み」で感染は拡大するだろう。難しい選択になる。

新型コロナウィルス肺炎(30):マンションがクラスターになる日が来るか、未曽有の経験になるか


密閉環境で多数の人が生活しているマンションがクラスターになる日が来るのか。今はまだ、そういうニュースを見てはいないが、今後の展開によっては可能性があるのだ。

東京の感染者数は一見安定しているように見える。10日間100人台をキープしているが累計感染者数は増加の一方だ。大きな病院がクラスターになった院内感染、感染経路不明者は7割を占め、市中感染が横行している。

人との接触を8割削減し月末には感染者数の減少を目指すが、人では30~70%減で、休日と平日のギャップが大きすぎる。80%削減は相当努力しなければ連休明けの自粛解除は難しい。

スーパーでの買物、公園などでの散歩は自粛要請対象外ということになると人出が増える。スーパーは危険な場所となり入場制限などルール化すると言うし、休日になると名所旧跡などに県外ナンバーの車が集まり、地元の人は「来るな」という。

感染者が増え、病院もパンク状態で軽症者は自宅や借り上げたホテルで隔離される。ホテルには専門の看護師などが常駐するので問題はないか。

ところが、マンションはどうなのか。

平均的なマンションの規模だと65世帯、250人が生活しているが、高級マンション、タワーマンションになると人間も多く、密閉環境になるが、その構造、管理のやり方はまちまちだ。

安普請のマンションは都営の集合住宅のように共有廊下もオープンで、換気はやっているがエレベーター内、エントランスホール、風除室は密閉状態だ。当然に強制換気したほうがいい。

そして不特定多数の人が触るドア、手すり、エレベーターの行き先ボタン、開閉ボタン、風除室の操作盤、受付台や手で触る箇所は消毒が必要だ。

今、アルコール消毒剤は手に入らないが、家庭の台所にある次亜塩素酸成分の漂白剤は100倍希釈で消毒剤として使用できる。エチルアルコールより効果がある。ただ手袋など着用すべきだ。

管理人さんは清掃人がいれば日常業務として消毒作業をしてもらうこともできるが、日常業務とはいえ、「管理契約」がある。緊急事態対応として管理契約に書いてなければやらないか、それとも必要だから管理契約を見直しても実施するかだ。

それは管理組合の意識の問題だ。

管理契約を見直すとなると、理事会、総会で審議が必要だが、こういう緊急事態のときは開催も容易ではない。回覧稟議で理事会で決めるなど臨機応変に対応すべきだ。

「1m以内で15分」の濃厚接触の機会は多い。誰が感染者かも個人情報保護(?)はきりしない。マンションがクラスターになると大変な事態になる。




今日の新聞を読んで(353):マスクは必要だが、そんなに投資、増産で大丈夫か

マスクは必要だが「政府の推奨によって」とはいえ、そんなに投資、増産して本当にいいのか。この新型コロナウィルスの感染がどうなるかわからないが、収束はないだろう。でも生産設備が過剰にならないか。価格が高止まりのマスクを買い上げて政府が保管するとなると税金の無駄遣いにならないか。

本来は体調の悪い人が他人にうつさないためにマスクの着用をするが、今は新型コロナウィルスにかからないためにマスクの着用するから従来の生産では間に合わないのは当然だ。

市場では相変わらず品不足で、薬店、薬局では棚にはマスクはなく、「入荷未定」だ。だったら「棚をなくせ」と言いたい。なんとなく不安を掻き立てている原因にもなる。

ところが通販では50枚4500円、3D立体構造30枚6000円、でも10回水洗い使用できるので安いというものもある。材料によっては2枚3300円と高いが品質は相当いいものもある。

異業種のシャープがマスクを生産に通販で販売するというのでサイトにアクセスしてみたが何か障害がありせつぞくできなかった。50枚2900円と言う。

政府もマスク不足で国民の不満が高ぶっており、ここでマスクを配布すると国民に不満は解消するとでもアドバイスされたのだろうか、安倍総理は466億円かけて各世帯に2枚はいふすることをはじめた。ところが異物混入、黄ばみなど妊婦ように配布したマスクでクレームがついた。

社民党の福島さんが厚労省にメーカーを尋ねたら、興和、伊藤忠商事、他2社らしいがそのうちの一社の名称を公表するのを頑なに拒否した。うがった見方をすると安倍総理の親友関係の会社ではないかと疑う。そのうちに週刊誌がすっぱ抜くだろう。

今の品不足を解消するために中国に頼っていたマスクの生産を国内企業で投資したり増産することを政府が奨励した。設備投資交付金、売れ残りは政府が買い上げるというのだ。異業種からも参入することになった。

新聞報道によるとアイリスオーヤマは約30億円をかけて設備投資し増産するというが20億円は交付金らしい。でも経営上の不安はあるらしい。設備投資、人の確保で人件費で固定費がかさむ。今後の動きでどうなるかわからないのだ。

完全に収束はないだろう。ハーバード大は2022年までかかるという。東京ではオリンピックも予定されている。収束していなければ大量のマスクが必要になる。

そのうちに富士山噴火もある。防塵マスクも必要になる。

品物不足の要因は、「買占め」「流通上の問題」「国民皆が着用するようになった」などがあげられるが、町中を見ると棚にはないが、皆マスクをしている。手作りも進んでいるし、卸売り、輸入業者の別ルートがあるのか。

私たちは手に入りにくくなっており「使い捨て」マスクを洗ったりして使いまわししている。私も使った後は次亜塩素酸水溶液をスプレーして乾かし使いまわししている。

小池都知事や西村経済再生担当相らは毎日記者会見しているが、その都度マスクを変えている。どこで入手しているのか。

いったいどれだけのマスクが必要なのか。

毎日、1億人の国民が使い捨てをやっているとすると1日1億枚が必要だ。月産30億枚が必要になる。使いまわしをしている人もいるだろう。半数が使いまわししているとすると15億枚/月になるが国民全員が着用しているわけではない。

どういう計算で生産設備を確保しようとしているのか。後で過剰設備にならぬようにしっかり検討すべきではないか。今、「本業がダメだから異業種のマスク生産で儲けるか」では危ないことにならないか。

2020年4月22日水曜日

「東京の人間」はウィルスか(1):こんな報道が続くと地方に帰れない


東京に住んでいるとウィルスか、新型コロナウィルスでこんな報道が続けば地方にも帰れない。帰ると近所から白い眼で見られ警戒されるのだ。メデイアはニュース性があると思って東京で起きている事例をこれでもか、これでもかと安易に流す。

毎日のトップニュースは、「まず新型ウィルスのニュースから」と東京での新感染者数を報じる。「今日は132人、9日間続いて100人越え、累計で3400人超え」と、推移は安定していても不安を煽る。

都内の主要箇所での人出の増減も場所によって違うが、休日は80%になっても平日は50%程度だ。「最低7割、極力8割」の人との接触削減を促す。

感染者で目立つには、院内感染だ。地域の基幹病院、大学病院、著名ながんセンターなどで患者、看護師、医師の感染が続き病院の機能に支障をきたしている。医療破綻の危険は良く分かる。東京でこうだから地方では大変なことになる。「来るな」といわれるのは当然だ。

人手の多いのは商店街、スーパーらしい。買物や散歩はいいというが人ごみに出かけていることになる。子供連れの買物に警告する人がいる。レジに吊るされたシートの下を子供が覗き込んでいるのだ。感染の危険があるという。

病院のベッドが足らないといってホテルを借り切って軽症者の療養に当たるというが軽症者でも急に症状が進み死亡する例も出ている。

小池都知事は毎日テレビで「お願いします」のCMを流す。よくやっていると評価する人もいるが、都知事選のためのようにも思える。むしろ鼻につく。

郵便局も感染者が出たことで、郵便ポストと郵便局を閉鎖する。営業時間の短縮もある。

警察でも留置場で感染者が出た。警察業務にも支障をきたしている。

私もマンションに住んでいるがクラスターになっていないのか。今まで新型コロナウィルスの対策をしていなかったので、次亜塩素酸水溶液でエレベーター内、ドア、ボタン関係の消毒、風除室、エントランスホールの換気を提案した。緊急事態対応での管理契約の見直しも必要だ。

休業要請にこたえない施設、パチンコ店があり名称の公表をするという。都内のパチンコ店がしまっているので近県のパチンコ店に行くらしい。閉鎖空間で人ごみの中、3つの「蜜」に該当する。

東京は若者も多い。ついついにぎやかな繁華街に足が向く。1か月我慢できないのかと思うがそうはいかないらしい。無謀な行動が感染を広げている。仲間と交じり合ってともに行動する。「マスクせず1m以内、15分」が濃厚接触の条件だ。

安倍総理はGWに地方へ行くなという。GWの東京人の地方への移動は感染拡大の危険がある。高速道の割引はしない、SAやPAの営業自粛を要請するという。効果があるか。

東京ばかりではない。地方でも感染状況の報告をやっている。富山では小学校で児童や教師の感染が見つかった。感染経路は一人の児童が父親からうつされていたのだ。

東京の状況が次々に報道されるたびに東京はすごいことになっている。東京人は危ないと思われても仕方ない。私も地方に帰る用事があるが、何時になったら人目を気にせず帰ることができるのか。


M9.1,日本海溝巨大地震:どうなる福島第一原発、防潮堤11mに13.7mの津波

毎日新聞 2020.4.21電子版
内閣府の有識者会議が北海道から東北北部の太平洋沖でM9.1~9.2最大級の地震が発生時、最大津波高30mが押し寄せるという推計を発表した。

千島海溝ではひずみがたまり巨大地震あ切迫しているが、東北北部も東日本大震災でのわれ残りも危険視されている。千島海溝、日本海溝で発生する地震は300~400年の間隔で巨大津波を伴うが、すでにこの間隔は過ぎており、最大級の津波が来襲しても不思議ではない。

注目はやっぱり廃炉へ向けて作業中の福島第一原発だ。前回は15mの高い津波被害にあったが、今回は13.7mが予想され、今建設中の11mの防潮堤を超えるのだ。

東電にしてもこの予測を無視して二の舞の事故を起こしてはならない。原子炉建屋は8.5mの高台にあり、建物地下には高濃度の汚染水がある。11mの防潮堤では被災は免れないのだ。

汚染水タンク群や非常電源はさらに高い場所にありそれなりの対策は生きるらしい。

もう東電は原発のリーデイングカンパニーではない。謙虚に受け入れ対策を急ぐべきだ。

緊急事態宣言から2週間:感染者は増加一方、人出の減少には地域差、好まぬ影響も続出か


東京の新感染者数は、ここ2日102人、123人と100人台だが8日間も100人を超えている。更に感染経路不明者も7割近くと高く、全国的にも累計で1143人、死者275人で感染の勢いは止まらないとメデイアは報じる。

検査数も少なく感染者の数も少ないが、ヨーロッパのようになる危険はあると専門家は警告する。

外出自粛、休業要請の効果も今の結果は2週間前の行動の評価、これからの国民の対応は2週間後に現れる。だからいっそうの努力を小池都知事は訴える。一方、大阪府知事は院内感染を除くとある程度落ち着いているのではという。

確かに、基幹病院などの院内感染は問題だ。医師やスタッフの感染、現場離脱は医療行為に重大な支障をきたしているし、マスクや防護服などの不足は致命傷だ。

ベッド数の不足ですでに満杯状態というが、以前はベッドを減らす政策を取ってみたり、最近では効率の悪い公的病院の統廃合を進めたり、SARSの経験が活かされていない。厚労省の医療政策に問題があったのではないか。医療費の削減を進める行政が、国民の安全、健康を損ねる結果になっている。

家庭内感染も増えているらしい。「自分がかかっていないか、他人に移すことにならないか」との不安で国民が望む検査も国立感染症研究所の「積極的疫学」に縛られていたが、やっとドライブスルーなどでの検査がやれるようになった。

今は、低位で進んでいる感染者数の推移も今後は急激に増加するのか。軽症の自覚症状でも積極的に検査し、重症度に応じ適切な処理をしなければ市中感染は増えるだろう。

変死体を調べてみたら陽性だったという事例が11件発生、更には使用済みマスクが路上や植え込みに捨てられている事例も見つかり感染の危険がある。

又、驚いたことに家庭内暴力が増えているのだ。奥さんに暴力を振るったり、子供を虐待したりするケースが増え、支援するNPOも忙しくなっているらしい。専門家に言わせれば潜在的リスクが顕著になっているという。

又、今までの考え方を変える必要も出てきた。「濃厚接触」の定義が変わったのだ。国立感染症研究所は、「マスクなしで1m以内で15分」「発症の2日前に感染」という。感染経路調査で傾向が分かってきたのだろう。

頼りの「人出の減少」は自治体、地域によってさまざまだ、80%程度の減少が見られる地域もあれば30%しかなく、更には休日と平日でも大きく差が出ている。テレワーク、自宅勤務の効果だろう。

安倍総理は「健康、命を守るために外出は控えてほしい」と訴える。現状のままでは感染者数減少は期待できないと見ているのだ。更に成果が出なければ、「政治的責任」を問われかねないが、「辞めればいいということでもなかろう」と抗弁するか。

緊急事態宣言を全国に拡大した理由に、GWで人出が増え、東京から地方へ感染が拡大し、地方の医療体制を破綻しかねないからだ。高速道の割引は止めるというし、SA,PAの営業も自粛要請するという。いっそうの事、新幹線も減便したらどうか。

外出自粛要請、休業要請は経済面でも影響が出ている。

休業すれば収入はなくなるが、家賃は支払うことになる。月60万円になるところもあるし、契約で7ヶ月前にルール見直しが規定されている例もある。すぐには休業できないらしい。福岡市は家賃の補償を提案している。

廃業、倒産もこれから増えるだろう。完全に収束は難しいが、落ち着いた後の経済再開に大きな支障となるだろう。雇い止め、解雇、採用取り消しなどで社会は大きく混乱する。

働き方も代わるだろう。テレワークがどの程度広がるか。東芝が5万人をテレワークにするという。人間は群れて話をする中で何かアイデイアが沸いてくるものだがどうなるか。

面白いニュースがあった。本業は休業状態だがマスクを高額で販売し稼いでいるというのだ。確かに私の住んでいる町でも洋品店や空き店舗で輸入業者(?)がマスクを販売している。

更に、原油価格がマイナス40ドルだという。経済が停滞し原油タンクが一杯になったので手数料を払ってでも原油を引き取ってくれということらしい。最近ガソリンスタンドに行ったがハイオクも以前は150円台だったが今は130円後半だ。Tポイントで更に2円安くなるという。

ところでこの外出自粛、休業要請の今後だ。

連休明けに今回の緊急事態宣言の成果を評価するのだろう。継続か、解除か。

こういう政策では、政策を始める前に解除するときはどういう状態になったときかをしっかり決めておくことだ。「感染者数の減少」というが定義がない。またまた政権の都合のいい解釈で間違った政治判断をし、NYのようになりかねない。

PDCAのサイクルをまわし成果が確実になるよう国民に正確な情報を流し引き締めていく必要がある。