2020年4月28日火曜日

新型コロナウィルス後の世界?:「グローバル」から「ローカル」へ、「小さな政府」から「大きな政府」へ


現下の新型コロナウィルスによる感染拡大に取り組む世界各国はまさしく「新型コロナウィルス大戦」だ。世界のトップもトランプ大統領は「自分は戦時大統領」、フランスのマクロンさんは「公共衛生戦争」といえば、安倍総理も「第3次世界大戦」といったらしい。

全世界で死者20万人、負傷者(感染者)291万人、都市閉鎖で外出禁止だ。こんな戦争が今まであっただろうか。

大戦後は関係国の政治、経済システムが大きく変わる。今回の新型コロナウィルス戦争はいまだ収束も見えず被害は拡大する一方だが、収束後の世界はどう変わるか。

ノーベル経済学賞受賞者で「富の格差拡大を警告」するステイグリッツ教授や「Gゼロ」で世界のリーダー不在を憂うる国際政治学者のイアン・ブレマーさんがメデイアの電話インタビューに答えこれからの世界のあり方を提言、何が起こるかを予測している。

今まで何かあるとアメリカがリーダーシップを取り対応してきたが、今回は米国も震源地の中国以上の災難にあっている。大統領選も控えトランプ大統領は「アメリカ第一」「保護主義」を強く打ち出すだろう。

一方、震源地でありながら早くから都市閉鎖、医療対策などを実施し、中国の情報が正しければ経済再開へ、感染が拡大している新興国には支援の手を差し伸べている。

G7メンバーのイタリアが中国の支援下に入ったことで他の先進国も警戒感を強めている。先進国間の綻びに中国が楔を打ち込み覇権拡大をもくろんでいる。

トランプ大統領は先進国、民主主義国家のために頼れるのか。

ところで、ステイグリッツ教授は読売新聞(2020.4.26)でのインタビューに答え、「科学を尊重し、政治を重視、市場を見直して皆が富を共有できる社会」の構築を目指せという。富の偏重、格差拡大の是正が必要だがそこには「大きな政府」が必要になる。

科学は大事だ。今回は早期の検査法、ワクチン、治療薬の開発が急がれる。今回見られる景気後退も需給バランスの崩れが問題ではない。新型ウィルスコロナへの対応によっては不安を払拭し国内経済もV字回復が期待できるのだ。

又、今までは規制緩和、福祉削減、緊縮政策、市場原理を尊重する「小さな政府」を目指したが、市場には「見えざる手」は存在しないという。企業や富裕層は更なる利益を求めて99%の富を吸い上げていくのだ。

国民が等しく富を共有するには企業や富裕層に対する課税を見直し所得の再分配すべきであり、規制強化、福祉の充実など「大きな政府」が必要なのだ。

一方、イアン・ブレマー氏は「まったく違う世界」になるだろうという。

今、医療供給網、人や物の移動の管理、ワクチン開発、経済刺激策と課題は多いが、リーダーシップをとる人間はG7、G20にいないという。経済が復興し、人々が安心して旅行できるようになるまでに3年はかかるだろうが、今までとは違った世界になると見る。

経済活動は世界に展開する「グローバル」から国内消費者に近い「ローカル」なものに移行すると言う。

政治面では格差拡大でポピュリズム、ナショナリズムが台頭しエスタブリッシュメントへの反発から現政権を揺るがし国内政治は混沌となる危険もある。

中国を「世界の工場」として経済構造も今回の新型コロナウィルスでサプライチェーンを崩され国内生産に大きな支障が出た。その反省から「生産の国内回帰」が進むだろうとアメリカは歓迎しているし、日本もそれに予算を付けている。

新型コロナウィルス以前は、米中貿易摩擦が世界経済を混乱させ景気後退の端緒になっていたが、今は新型コロナウィルスの発生元、中国の初期対応のミスから米中コロナウィルス摩擦に発展した。

各国に財政危機は進むだろう。新興国はIMFから十分な支援が得られないとなると中国の支援下に入るだろう。金融危機の危険がある。

新興国ばかりでなく、日本もアメリカも金融政策に苦労するだろう。日銀は政府の財政出動での国債増発に備え国債の買い入れ80兆円の上限を廃止し、「できることは何でもやる」政策に変えた。FRBもゼロ金利への回帰、国債買い入れの上限を撤廃しているが、FRBの後追いだろう。

自国経済再開に向け各国は独自の政策を打ち出すのだろう。他国のことを考える余裕などないはずだ。

「グローバル」から「ローカル」へ、「小さい政府」から「大きな政府」へ。中国頼みから以下に脱却できるか。




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