日銀は金融緩和策の見直しをするというが物価上昇2%をめざし従来の量的緩和を継続するという。ECBもFRBも目標は同じで「日本化」の様相だ。新型コロナウィルスで需要が起きず物価は下押し圧力というが新型コロナ以前にも消費は伸びず、物価は上がらず投資も伸びず、いずれも経済の好循環は期待できない。
安倍政権、日銀が採用した非伝統的金融政策であるリフレ派の量的緩和である市場にカネを流し2年で2%を目指すといったがいまだ達成できない。今後も難しい目標だ。
FRBも雇用最大化、物価の安定に著しい進展があるまで量的緩和を継続するというが緩和拡大は見送るらしい。一時的には2%を超えても我慢するらしい。事実上のゼロ金利も2023年末まで継続らしい。
ECBも緩和拡大で政策金利は0%、マイナス金利を維持だ。バンデミック緊急資産買い入れプログラムも22年3月まで伸ばすという。
日銀も新型コロナで2%の実現には時間がかかるという。政策の軸足も「量」から「金利」に移した未だ達成できず、8年近く続けた大規模緩和で日銀の保有資産は拡大に市場を歪め、副作用が目立ってきた。国債の買い入れは財政ファイナンスの様相で政権の財政規律が緩んできた。
今後日本経済にどう影響するかは警告されてはいるがよいニュースは聞かれない。
今の経済はインフレよりデフレではないか。物価は低く安定しているのではないか。 消費者にとってはいいことではないのか。世の中は安売り、通販で商品を選び、安価なものを手に入れやすくなる。
「市場の見えざる手」が需給を調整するというが消費者には「市場は見えている」のだ。供給過剰では物価は上がらない。さらに今後は人口減少、高齢化で経済構造は変わり、消費は伸びない。ある外食産業のトップが「これからは 高齢化でお年寄りの胃袋は小さくなる。外食産業は縮小だ」と。
日本は物価上昇ではなく、雇用の改善していることが指摘され、「それでいいじゃないか」と安倍前総理や浜田内閣参与が逃げの手に出た。それでアベノミクスを評価しているのだ。
何時まで物価上昇2%を掲げるのか。日銀は市場の期待に応える、市場の期待をあおるために量的緩和をやっているのではないか。市場が浮つきだすと日本経済は混乱する。それを避けたいのだろう。
黒田総裁は常に「金融政策には限界がある、財政政策を」と主張する。政府も経済構造転換で好循環を目指し52兆円を投じデジタル化、脱炭素、中小企業の事業再編成、大学ファンド、GOTOトラベル、イートの延長を目指す。期待したいが菅政権で終わる気もする。
問題は財界の意識改革だ。お亡くなりになった経済同友会の代表幹事をやっていた品川さんは「おねだりばかりするな」、「改革は誰のためか」と警告を発していた。正論だ。
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2013.9.6掲載
「誰のために改革か」と訴え続けた財界ご意見番の品川正治さんゆく
yamotojapan.blogspot.com/2013/09/blog-post_618.html
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