2020年12月5日土曜日

関電・大飯原発許可取り消し大阪地裁判決:揺れる原発、下級審で「NO」でも上級審では?

 

今日のトップニュースは何を言っても関電・大飯原発3,4号機の設置許可を取り消した大阪地裁の判決だ。揺れる原発政策を垣間見ることが出来る。この種の判決は下級審で「NO」だが、上級審でひっくり返る例が多い。今回も国は控訴を検討という。

過去にも安全審査の誤り、新規制基準は「緩やかすぎ」の判決はあったが、今回も原発の基準地震動が十分余裕を持って計算されたかを問うている。そして「ばらつき」を考慮していないと許可を取り消したのだ。 

基準地震動は各電力会社が決め(今回は856ガル)、規制委が「審査ガイド」により審査するという。これには「バラつき」も考慮せよというのだ。 

平均値に何らかの上乗せが必要なのだが判決では、平均値と乖離したデータを検討していないので看過しがたい過誤、欠落があるというのだ。

一方で、国は断面積が広く決められているので「ばらつき」を考慮する必要はないという。 

国民、原発付近の住民は、福島第一原発事故以来原発は危険で、どこまで安全を検討しても危険に変わりはないと思う、一方、事業者は火力発電用の原油の購入が減るので経営上は大きなメリットがある。収支が大きく違ってくるのだ。 

ところが下級審の判決と言っても他の原発にも大きく影響するのだ。同じような基準値で計算している原発が多いと言う。「ばらつき」をどう見るか。最後は最高裁までもつれるだろうが、上級審に行くほど国の方針を是とするのだ。専門家に言わせても「ばらつき」が一人歩きしていると批判する。 

他にも大きな問題として、使用済み核燃料の貯蔵施設の確保がある。国は候補地を探しているが町や村は手を上げると調査段階でも交付金が下りるので、財政目当てに手を上げる自治体がある。泊まり原発の近くの町がそうだ。しかし北海道は反対している。 

災害立国日本にとっては、巨大地震、火山噴火でどこかの原発が大きな被害を受けると全国的な問題になる。二度と福島第一原発のような事故があってはいけないのだ。

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