2020年12月4日金曜日

野党を育てるしかない:自民党の横暴な政権運営を許すな!

 

自民党の横暴な政権運営を絶つには野党を育てるしかない。ここにきて自民党を取り巻く環境は悪い。安倍前総理の「桜を見る会」前夜祭での後援会活動での政治資金規正法違反、そして吉川元農水相の汚職事件が明るみになり自民党内からも批判が高まってきた。

さらに新型コロナウィルス対策など時間をかけず打ち出さなければならない生活支援、感染拡大防止対策があるにもかかわらず菅政権は国会を閉めるという。先の政権での10兆円に及ぶ予備費も7兆円残したままだ。 

野党第一党の立憲民主が国対で会期延長を要求するが自民党は拒否だ。不祥事で火の粉をかぶる危険は避けたいのだ。おまけに菅総理自身も野党の質問に答える能力に限界があるようだ。 

自民党の長期政権による民主政治を揺るがす不安な政権運営が目立つ。野党は国会対策でいろんな要求をするが自民党は真っ向から対峙する考えはないようだ。力づくで回避を狙う。 

こんな情勢下でも自民党の政党支持率は35~40%と高く、野党は1~6%と低位が続く。こんな政治を国民は本当に願っているのか。何とかしようとも考えないのか。 

そのきっかけを作るのはニューリーダーの登場だ。 

日本は長く短期政権が続き、国際政治の舞台でも日本に対する信頼は低かった。ドイツのメルケル首相は長期政権でトランプ大統領にも物申したが、EU内での政策の不一致で来年辞任するらしい。米国も原則8年の長期政権だが、トランプ大統領は4年で辞任だ。米国民はトランプ流政治に危機感を持ったのだ。 

日本も日本新党登場での連立政権、社会党を中心にした連立政権、それがだめとなると自民党政権になり、小泉政権以降、安倍政権、福田政権、麻生政権と自民党内のたらいまわし政権が続き、そして「政権交代しませんか」で民主党政権が生まれたが、大ぶろしきの政策、党内の主導権争い、福島第一原発事故対応、「解散はいつ」の政局で3年の短期に終わった。 

その間、日本経済は長期のデフレに見舞われた。時の政権はどこも脱デフレを謳ったが、かなわない。 

そこで出てきたのがリフレ派経済を掲げ異次元の量的緩和で市場にカネを垂れ流し2年で物価上昇2%を目指す安倍政権が誕生した。政権は発足後2年ぐらいはアベノミクスで日本経済も回復を見せたが、物価は上がらず、消費も伸びず、経済の好循環は期待できなかった。

そのうちに総理夫妻による森友事件、加計事件が続き公文書偽造、破棄など民主政治の根幹を揺るがす事態になったが、内閣人事制度を悪用し官僚の忖度政治が始まった。 

それでも大義名分のない解散総選挙を繰り返し、野党を弱体化し自民党が圧倒的多数の議席を得、憲法改正の衆参両院での発議が可能な状態になった。 

選挙に強い安倍総理ということで総裁任期を改正し7年を超える長期政権を可能にしたが、レガシーというと安保での集団的自衛権の行使が可能になったが、憲法改正を経ず、閣議決定してしまった。憲法を守らない安倍総理が憲法改正を主張するのだからお笑いだ。 

トランプ大統領とは親密化関係を維持したが、お願いごとのたびに高価な兵器を購入数掠足をした。念願の尖閣諸島問題ではトランプ政権をして「尖閣は施政権内」の言質を取ったが中国の侵犯は改善せず、北との拉致問題もトランプ大統領に口添えを頼むが北は無視だ。

北方4島問題もプーチン大統領のくせ球で内容がちょっと変わってきた。ロシアは返還など考えていない。 

安倍総理はトランプ大統領、プーチン大統領と2人だけの会談をやっていたが、裏で国益を害するような約束事をしていなかったのか。野党が追及しても「相手側のある事」と詳細を話さない。 

こんな自民党政権でいいのか。自民党の恣意的政権運営を防止するには野党が強くなければならない。野党の議席数を増やし拮抗させる状態に持っていくべきではないか。 

野党は枝野さん、玉木さんのリーダーシップでいいのか。日本新党の細川さんのように新しいリーダーがさっそうと登場することはできないのか。吉村さんは維新の会でダメ、小池さんは自分本位で資格はない。喧嘩して自分の存在感を出すだけだ。 

原発問題、憲法改正、エネルギー問題、自衛隊の存在、日米安保と政策上の一致を目指すことなど不可能だ。自民党だって党内ではいろんな考えを掲げているが、政権を維持している。こんなことでごたごたしているから政党支持率は低いのではないか。 

また、連合や組織に頼りすぎていないか。企業でも管理職以上は自民党、組合員は野党支持というが、こだわりすぎていないか。有権者ひとりひとりが誰を支持するかだ。 

経済界も時の政権によりすぎる。いつも大企業、富裕層の優遇税制、減税を主張する。これが格差を生み、富の再分配の邪魔になっている。財源不足の中では根本的な税制改革、見直し、富の再分配は重要だ。 

どの政権でも経済政策に大きな違いはない。脱デフレだ。消費を伸ばし、経済の好循環にもっていくことだが、経済構造も変わってきた。政権が経済産業省寄りか、財務省寄りかで政策は違ってくる。 

野党に対して厳しい見方をしていればいつまでたっても自民党だ。政策の違いは容認する広い気持ちが必要だ。当然にゴタゴタも起きるだろうが少しずつ修正していくことだ。 

野党各党のリーダーも議席数での主導権争いをしてはいけない。最大議席数の政党から連立のリーダーを出すことばかり考えないことだ。過去にも自民党が後ろに引き社会党が総理になった例もある。しかし、自衛隊問題、安保で社会党が今までの政策を修正したために社会党は衰退の運命だ。 

反自民での連立政権になると自民党は例によって政策の違い、不統一を追及してくるだろう。そこは有権者が理解を示すことだ。有権者やメデイアが政界の混乱を面白がっていてはどうしようもない日本になる。

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