気候変動に関するIPCC第6次評価報告書 第1作業部会報告書 |
異常気象、巨大化する台風の来襲、その要因は人為的CO2といわれ削減対策が急がれている。そして発生確率が70%をこえ何時発生しても不思議ではない南海トラフ巨大地震、首都直下地震だが、「もっと先の話」と思っているのか。
日々進歩しているコンピューター・サイエンスでその要因が詰められ、「温暖化は「人間の影響を疑う余地はない」とIPCC第6次報告書は発表した。
一方地震予知はどうか。「何時」「どこで」「規模は」と言うとなかなか無理な話だが、「何年ごろ」「警戒地域は」「M7クラス」程度の予知(?)は専門家が発表されている。
地球温暖化と巨大災害の世紀に入り、自然災害の未来予測を行うには過去のシグナルを未来に外挿することによって近未来を予測するしか方法はないという(安田喜憲著「気候変動の文明史」2004.12 NTT出版)。
開発したアプリに過去からのデータをインプットし、現在の状況と合致するかを検証、修正を加えながら未来を予測する。
それにはコンピューターが役立つ。スーパーコンピューターは難しい計算をこなし結果を出す。しかし「コンピューター・サイエンスは、サイエンスか」という疑問がわいてくる。実験ではなく、論理によって自然法則を解き明かす面もあるのだ。だから「サイエンスではない」と主張する専門家もいる。
1960年代から気候変動問題でコンピューター技術を駆使して研究しCO2原因説にたどり着いたプリンストン大の真鍋先生が昨年やっとノーベル物理学賞を受賞したのも「コンピューターサイエンスはサイエンスではない」という考えがあったのではないか。
しかし、IPCCの報告書での「疑う余地はない」の結論に貢献したのが日本の地球シミューター、スーパーコンピューター「富岳」だという。勿論真鍋先生も日本人だ。
新聞報道ではプリンストン大に天才数学者のフォン・ノイマン先生がいて、計算機による気象予測に挑んでいたところで真鍋先生は最先端の計算機を駆使することが出来たという。運も良かったのか。
地球温暖化は自然変動説だけでは説明できず、人間が吐き出すCO2など温暖化効果物質の要因を加味して初めて現在の気温上昇と合致するらしい。それによりさらに今後気温の上昇を食い止めるにはどうしたらよいか。2030年までの削減、2050年までに実質ゼロで上昇を2℃未満(1.5℃目標)を目指している。
でも専門家の間では異論も多い。アラスカ大の赤祖父先生などは自然現象説だ。CO2などが影響しているとしても1/6、残り5/6は自然変動だというのだ。
地球温暖化は当初、政治課題として取り上げられたが、今政治課題が大きくのしかかり遅々として進まない。それに活を入れるために真鍋先生らが受賞したと思っているが・・。
ところでもう一方の地震予知はどうなのか。「確率70%とは明日かもしれないのだ」。TBSの「日本沈没」で田所博士も指摘している。「もっと先ではないのだ」。
勿論、GPS、FM電波異状、イオン濃度変化などそれぞれの研究者の理論が大きく影響しているだろうがコンピューターが使用されているのは確かだ。これはドラマだが、「日本沈没」の田所博士は「スロースリップ」で日本沈没を予測していた。
「何時」「どこで」「規模は」を予測するのは難しい。今は「ここでも巨大地震が」「古文書での地震記録は○○地震では」など。港の潮位の変動サイクルから次の南海地震は2030年代中ごろとか、今までの南海トラフ巨大地震のメカニズムを検討した結果、地震の周期の見直しで「もっと先、200年先」という説もある。
南海トラフ付近には観測機器が設置されデータの収集を行っている。スロースリップが頻発する地域は巨大地震の発生箇所とも言われている。
巨大地震の震源域での発生も震源の深さが違うために関連性なしと気象庁はコメントすることが多い。3日の紀伊水道地震もその一つだ。
内陸部での震度5弱地震では巨大地震の前に、内陸部で地震が多発するとも言う。
活断層には要注意だが、日本の地層は堆積物が厚く、活断層を目視することができ難い。関東平野は特にそうらしい。
「地震予知が出来るか」、地震学会でテーマになったことがあるが、「地震メカニズムが分かっていないのに予知できるはずがない」という意見も出たそうだ。しかしだからと言って予知を諦めてはならない。
何故、予知しても発生しないのか。東海地震が迫っていることで観測網の整備もされたが、いまだかって発生の気配がない。東海地震の震源域のど真ん中に浜岡原発がある。今回再開に向け防潮堤を50cm上げたという。
首都圏直下地震も19の発生パターンがある。今までは東京湾北部が注目されていたが、今は都心南部直下地震が東京に被害を及ぼす確率が高いために注目される。私の住んでいる大田区が震源域になる。
コンピューター・サイエンスでは被害状況を確認は出来るが、予知は無理か。何時起きても大丈夫なように日常から身構えて対策を立てておくべきなのだ。
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