2025年1月10日金曜日

グリーンランド、アメリカ湾、51番目の州の大胆な政策?:結局は米国は「弱い国」になったのか

 デンマーク自治領グリーンランドをよこせ、いやなら高関税をかけるとか、メキシコ湾をアメリカ湾に名称を変えろ、住んでいるのは我々アメリカ人だとか、カナダ・トルドー首相に高関税が嫌なら「51番目の州になれ」など大風呂敷の政策を打ち出し関係国の顰蹙を買っている。

外交的にはロシア、中国の覇権を警戒している。特にグリーンランド周辺は北極航路確保に重要な要所でありロシア、中国の艦船の動きが激しいという。

一方、国内では国民の生活、経済を守るために関税の引き上げで「国家経済緊急事態」宣言をする考えだ。輸入品に10~20%の関税をかけ「異例かつ重大な脅威」に対応するという。先の大統領選ではラストベルト地帯の復活、雇用の創出が叫ばれ、支持を得たお返しの政治的動きも大きい。

一期目に続き2期目も「米国第一」の保護主義を掲げるが、世論調査では「国民の生活」「リーダー的存在」を守れと言う。

結局のところ米国は「弱い国」になった感じだ。一時はグローバリゼーションで米国式経営を海外にも広め、巨額な利益を上げたと思うが、米国内は重厚長大の企業が落ちぶれラストベルト地帯、雇用も減少した。

トランプ次期大統領は生産施設の米国回帰、雇用創出で活気を取り戻そうとしている。更に選挙で分断化された国内を共和党を中心に修正しようとしているのだろうが、共和党も本来の共和党ではなく、トランプ共和党だ。

特に貿易赤字を改善しようと関税を吹っ掛けるのだ。中国の安い製品が国内の経済をかく乱していることを考え、60%に及ぶ関税をかけると言えば中国も逆に高い関税で応じるという。貿易圏を設け関税を考慮しなくていい貿易を推進するのが従来の貿易だったが、トランプ氏はこれを嫌い二国間のデイールで解決しようとしている。

関税の掛けないは国内で安かった輸入品が高いサービス、製品になりアメリカ国内はインフレになるのではないか。そうするとFRBは利下げどころか利上げに向かうことにもなる。

今回の大統領選も「物価高」対策がテーマだったが、どうするのか。

今日本の日鉄とUSSでの買収でバイデン政権は買収反対を打ち出した。米国内の他の鉄鋼会社と競り合って日鉄が買収する計画が進んでいたのだ。日鉄の買収がなければUSSは本社の移転、雇用、粗鋼生産に問題が生じるのだ。

確かに製鉄は基幹産業であり海外の企業に買収されることは、安全保障上も問題だろうが、日鉄の買収はトランプ氏の政策にあっているのではないか。トランプ政権の判断に注目だ。


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