2025年1月7日火曜日

賃金は上がりにくいのか:日本の経営者は何故、賃上げを嫌がったのか

エズラ・ウォーゲル が「ジャパン アズ NO1」と言ったのは46年前の1979年、日本経済を率いる日本式経営が称賛されたのだ。今、日本がNO1と言われるのは1000兆円を超え対GDP比250%の多額な借金、人口減・高齢化社会、円安で安っぽい国ぐらいが思いつく。

あれから46年、日本の経済は多国に比べても見劣りがする。日本も含め、各国は異次元の金融政策を採用するが、多くの国で国内がインフレになり利上げに踏み切ったが、日本だけは物価が上がらない。

物価上昇を各国2%を目標にしたが日本だけは達成できない。安倍政権で多額の資金を市場に流したにもかかわらず、物価は上がらない。

アベノミクスを評価する日銀の多角的レビューで「長期デフレで賃金、物価が上がりにくいことを前提」とした慣行、考え方が根ずいてしまったというのだ。

世界を席巻したあの日本式経営、終身雇用で企業と労働者は一体の関係にあったが、どうなったのか。

アメリカ式経営を世界に広めたグローバリゼーションが日本にも襲ってきた。勝ち抜くためには中国、東南アジアに進出し、やすい人件費に頼ったが、国内企業も東南アジアの安い人件費と競争せざるを得なくなった。優秀な経営者、人材は米国にわたりMBAを取得、日本企業の経営にあたった。

すべてがコストカットの合理化だ。人件費も当然にコストだ。固定費の中で占める人件費は高い。いかに安くするかで手腕が問われた。海外での人件費と競争できる人件費が求められた。当然に日本での人件費も低くなった。

売り上げを伸ばし株配当に回す。そんな経営者がメデイアで称賛された。そういう時代が長かった。

気が付けば海外の企業は人件費を伸ばしているのに日本だけは数%の伸びにとどまっていた。

消費が上がらず、経済も上向かない要因に労働者の賃金の低さが目立ってきたのだ。賃上げ→物価高→経済好転のリサイクルを回すには、まず賃上げだ。今、政府が音頭を取って賃上げを経済界に要望している。

規模の大きい企業は5%ぐらいの賃上げを目指すが、中小企業はついていけない。 企業の提供するサービス、製品に賃上げが反映されにくいのだ。

さらに、アベノミクスで中小企業は低金利になれている。経営の質も落ちているのだ。企業の淘汰も必要になる。安い賃金の企業から  高い賃金の企業へ労働力の移動も必要になる。

家内工業だっていい技術を持っている。そういった企業も高い賃金を支払うことが必要になる。

昔の日本式経営の見直しが必要ではないか。家内工業が繁盛していた時の日本経済を思い出そうではないか。 





0 件のコメント: