2011年12月2日金曜日

野田内閣も支持率を維持できない内閣か







発足3ヶ月の野田内閣が、早くも支持率を維持できない内閣になってきた。発足当初は60%を越える支持率だったが、直近の世論調査では50%を切る有様だ。私は以前、「半年過ぎても支持率50%を維持できる内閣は出来ないのか」という意味の記事を書いたことがあるが、誰の内閣であっても相当無理なようだ。

野田内閣に何を期待したのか。

そもそも選出が異常だった。前原さんが野田さんと立候補で会談したとき、「何も出来ていないじゃないか。これでは負ける」と感じて前原さんが立候補を決意したと報じられていた。野田さんは泡沫候補だったのだ。

案の定、代表選は小沢vs反小沢の構図になり、消費税上げをもくろむ財務省の後押しもあって2位につけ、決戦投票で首位を得、代表→総理の座を射止めた。消費税増税論者の野田総理を選んだ。

「ノーサイドにしましょう。もう」といった野田さんのやらなければならないことは、党内融和だった。

普通なら小沢系グループをどう処遇するかだが、何か奇策でもあるのかと期待していたが、やっぱり常識の線で、2人の閣僚入閣と幹事長の起用で小沢系グループを抑えた。一応の党内安定で評価されたはずだし、発足した野田内閣は小粒で、余り名前の知られていない閣僚たちだ。かえって政権運営に不安を抱かせた。

それでも、余りにも酷過ぎた鳩山、菅政権に較べれば安全運転の野田内閣は、それなりに期待もされた。消費税増税を狙う財界筋、メデイアからは賞賛の声も聞こえた。

しかし如何にせん、山積する政治課題が多すぎ且つ難問ばかりだ。政治基盤の脆弱な野田総理には指導力を発揮し突破する力などない。

最近の読売新聞世論調査でも、「指導力」「スピード感」に欠けると指摘されている。TPP,朝霞公務員宿舎問題では「私が政治判断する」という。

TPPでは、党内議論もまとまらないまま、参加に向け関係国と協議に入るといってみたが、その態度は曖昧なまま、米国の「国益」に押される危険もある。関係国に歓迎されている報道だったが、そうでもないらしい。

消費税増税では、税と社会保障の一体改革で社会保障は自然増でも年に1兆円といわれ、恒久財源として避けて通れない問題である。野党は早く成案を出し協議しようというが、野田総理は成案とか素案とか言って何やらトーンダウンの様相を呈している。

財政再建の重要課題ではあるが、これが旨く進まなければ政府債務問題で何時市場が危機感を表すか分からない。そうなったら世界的経済危機であり、IMFの支援など無理な話になる。

この最大課題を「先頭に立って」政府、与党内の議論を引っ張っていくというが、最大派閥の小沢系グループは消費税増税に反対し、来年予想される衆議院選では、戻ってこれる者はほとんどいないといわれている。

消費税増税関連法案を国会で通してから、国民に信を問うのだから民主党が惨敗しても消費税増税は既成路線で財務省の狙い通りだ。

沖縄普天間移設問題では、防衛大臣、沖縄防衛局長の不適切発言もあり、日米合意の路線を進むことは困難を呈してきた。環境アセス提出、強硬路線をとろうものなら政権はもたないだろう。

こんな政局になったのは野田さんの所為ばかりではない。誰が総理になっても紆余曲折はある。内閣支持率50%を維持することは難しいだろう。

しっかり公約に掲げて総選挙で勝利し、誰にも有無を言わさぬ国民の信任を得ることしか道はない。

写真左:野田総理記者会見 消費税増税では、政府、与党内を先頭に立って議論を引っ張るという 2011.12.1 民放TVニュースより

写真右:民主党政権の発足直後の支持率の推移 読売新聞 2011.12.2

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