2012年5月8日火曜日

民主党・増税反対グループの存在は、今だ、まともな政党の証しか


逆説的になるかもしれないが。民主党に増税反対の小沢グループがいること自体が、まだ民主党がまともな政党である証しにならないか。ただ、それを主導権争い、党内抗争と絡めてメデイアに報道されることは、小沢さんという存在の負の遺産なのだ。

財政再建は自民党政権時代から先送り傾向にあった政治課題であり、野党だった民主党が財政再建にどう取り組んでいたかは、はっきり覚えていない。にもかかわらず「4年間は増税しない」、「政治の仕組みを変えて16兆円の財源を洗い出す」など、耳触りのいい公約を掲げて政権交代を勝ち取った。

野党から批判が強い「マニフェスト違反」は、当然の話で、「財源が手当てできないので変更」は許されても、「増税路線」まで変更するのとはやり過ぎの気がする。

そんな中で、小沢グループが「増税反対」、「政権公約を守れ」、「政権交代の原点に返れ」と叫ぶのは理解できる。政権交代のうま味を有権者に味わわせていない公約違反は、当時代表としてマニフェストをまとめた小沢さんや選挙を控えたそのグループにとっては耐え難い屈辱だろう。

彼らの存在は、ややもするといい加減な党と見られがちである民主党にとって、少しはましな党ではないかと思えるのだ。

しかし、その反対派を率いるリーダーが小沢さんであることから真面な意見もこじれてくる。小沢さんの存在が常に親小沢vs反小沢の構図でみられ、主導権争い、党内抗争と映る。小沢さんは徳のない政治家なのだ。

その小沢さんの処置が、今問題になっている。輿石幹事長は、消費税増税関連法案の成立に党内融和を優先する余り、資格停止処分の解除を急ごうとしている。一方野田総理は「党で決めたこと。党員として守るのは当然」と党議拘束を御旗に増税賛成を強要するが、反対派はそんなことはないと反論する。

小沢さんが処分解除で党員に復活すると、党議拘束で増税賛成しなければならないが、万一反対すると除名(?)などの処分が再び降りることになる。

民主党員として、やるべきことは1人1人が、有権者の話を聞き国民全体の代表者として、その賛否を判断することだ。
小沢さんをリーダーに何か事を起こそうとするのであれば、それは民主党の命取りになる。

野田総理は、自民党の谷垣総裁に期待しているようだが、自民党のスタンスもはっきりしていない。賛否両論あり一枚岩ではない。事の次第では谷垣総裁の首もかかっている。

野田、谷垣、勝の増税3兄弟で進める増税への作戦には、裏では手を握っているというメデイアの報道もある。本当であればケシカラン話だ。

ところが、谷垣総裁はそれを打ち消すように「ガチンコ勝負」を千葉市で訴えた。今期中に衆院解散に持ち込むという野田(読売新聞 2012.5.8)。「話し合い解散」も模索しているのだろうか。

それにしても野田総理、谷垣総裁にとっては、今国会が最後の正念場になるのか。

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