2012年5月2日水曜日

財務省、民主政権との癒着を指摘され朝日新聞に抗議


財務省HPに載った「朝日新聞の
民主党政権 失敗の本質1と題する
記事への講義

財務省が民主党政権との癒着を指摘され、朝日新聞にHPで抗議している。時の政権と官僚の本丸・財務省との関係は「官僚主導」か「政治主導」かで気になる点であるが、大方の政権にあっては財務省に頼る政権、政権に食い込む財務省の関係ではないだろうか。「脱官僚」を掲げて政権交代を勝ち取った民主党政権であったが、朝日新聞(2012.4.5)の「民主党政権 失敗の本旨」① 「脱官僚の裏で握手」は、「やっぱりそうだったのか」と思わせる記事だった。

それによると、「財務省は無駄をなくす味方か、官僚の既得権益を擁護する敵か」で民主党の見方は2つに分かれていたというが、「出来の悪い官僚は叩くが財務省とは手を握る」と考えてもいたらしい。

鳩山さんは「財務省の最大の使命は、歳出削減だ」と見誤り、歳出を減らすのであれば、財務省に協力すると考えたらしい。

抗議文 2回分
朝刊の1面トップ記事で謝罪文を載せろ
という
菅さんも国家戦略局相だった時、マニフェスト実行の財源に目途が立たず、予算の基本方針の作成も遅れると困っていた時に、勝さんが「マニフェストに従って予算を作れと言えばいいんだ」とアドバイスしたら、予算編成権が国家戦略局から財務省に移ってしまった。当時の藤井財務相は「大蔵省には100数十年の歴史がある。政治家に求められるのは決断を下すこと」と「してやったり」のコメントをしたのを覚えている。

勝さんが、助け船を出して財務省の権限を守ったのだ。

野田さんが財務相になると、財務省の仲介で自民党の財務相経験者と会合を重ね、「財務族」になっていった。

野田総理が「大義だ」、「政治の集大成」と言って憚らない消費税増税にのめり込んでいく過程でも財務省が暗躍しているのだ。

また、財務省は官僚の人事権も死守した。民主党は幹部を全員一旦辞めさせ、政治任用することを主張していたが政権交代直前に撤回したという。官房副長官、内閣府事務次官に勝事務次官の息のかかった役人を配置し消費税増税シフトを敷いたというのだ。

稚拙な政権運営をする民主党政権にあって各場面で財務省が重要な役割を演じていることがわかるが、財務省は主要な関わりを否定し、朝日新聞に朝刊1面に謝罪記事を載せろと要求しているのだ・・「朝日新聞(平成24年4月5日付朝刊)の「民主党政権 失敗の本質1」と題する記事への抗議」。

そして、財務省の本性は、官僚機構の守護神で最大の狙いは自らの利益を拡大するために消費税増税にあたっているという。これについては、財務省は特に反論していない。

消費税増税に反対するメデイアの報道に目を光らせているようだが、この部分にもカチンと来て難癖をつけているのだろうか。鳩山さんの後悔談であるが、これは朝日新聞ばかりでなく、多くのメデイアが指摘していることだ。


不可解な行動をとることもある。公務員宿舎問題で朝霞宿舎建設を復活させたが、大きな批判で建設中止し、宿舎全体の見直し案も出てきたが、裏があるという。国家公務員の新規採用削減が一番大きかったのは財務省であるが、これにも何か裏があるのか。疑いが出てくる。

政権が財務省との距離をどうとるかは、悩みの一つである。距離が近すぎると財務省のポチと揶揄され、距離が遠くなると政権運営に支障をきたす。

ところで、朝日新聞には4月5日に記事が掲載され、財務省がHPで抗議しているが、何故1か月も後の今、読売新聞に記事が載るのか。あの讀賣ジャイアンツの違法契約金問題が掲載されたことへのしっぺ返しなのか。

野田総理の不退転の決意に答えるように、財務省は水面下でも自民党に法案成立を働きかけていると言い、党内抗争の根底に「財務省とどう向き合うか」の統治感の対立もあると朝日新聞は言う。

確かに、小沢元代表は「野田政権は財務省の言いなりだ」と度々批判している。「政権交代の原点に返れ」とは、政権交代前後の民主党首脳のチグハグな行動で、民主党が目指した政治姿勢に国民が不信を持っていることへの反省からかもしれない。

朝日新聞の記事でも注意書きがあった。この連載で問いたいのは、消費税増税の是非ではない。官僚主導から政治主導への統治のあり方を根本から変えるという民主党の「政権交代物語」が失敗したということ、「失敗の本質は何か」と考えたいというのだ。

意外に、民主党政権の理想を追い求めた未熟さ、財務省の民主政治を踏みにじる飽くことのない官僚支配に政権交代物語の失敗があったのではないか。

野田政権がマニフェストを守ろうと進める歳入庁構想も財務省の反対でとん挫しそうだというし、勝事務次官の定年が6月だというが、消費税増税の行方を心配して勝事務次官は自らの定年を6か月延長する案を野田総理に打診し、野田総理は了承したというニュースも流れた。
野田総理は、財務省に毅然たる態度で臨まないと党内抗争も解決しないし、内閣支持率も回復しない。

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