2012年5月22日火曜日

良い事より悪事を企てている時の方が脳は活性化?


人間の創意工夫が最もよく発揮されるのは、人のため世のため、良いことをする時よりも、自分の利益のために悪事を企てている時ではないか。これは相当前に出版された「詐欺とペテンの大百科(青土社出版)」の読書雑感に書かれていた書評だ。

ところが、このことが最新医療で分かってきたのだ。米国テンプル大医学部などの研究で、嘘をついている人と本当のことを言っている人の脳の活性化をMRIで断層撮影した結果、嘘をついている人の方の脳の法が活性化していたというのだ(読売新聞 電子版2004.11.30)。

今、身の回りの出来事を顧みると、頭がフル回転している時は、国民のため、世のためになるよりも、自分の利益あるいは悪事を企てたり、悪事がばれて、どう繕うか知恵を絞っている時なのではなかろうか。関係者が雁首揃えて創意工夫している姿が想像できる。

政治家に多いのは、政治資金規正法で収支報告書に虚偽記載が見つかった時、どう辻褄をあわせるか。秘書に責任を押し付けるか、「知らぬ存ぜぬ」で逃げるか。責任を認めて辞任するのは簡単だが、逃げ切るには工夫がいる。

原発再稼働での安全性の確認をどうするか。電力需要を考えると電力不足にどう対応するか。電力会社は電力需給の背後に原発再稼働を企む想定をする。

財務省をはじめ中央官僚の既得権益確保は並大抵のものではない。国民は税金の無駄使いと思っていることも彼らにとっては当然のことなのだ。究極は、国会で審議した法律でも官僚に不利益になる条文には後で文言を追加して不利益を回避する。後日、国会で追及された時、官僚は「いわゆる接続詞のようなもの」とバカ面で答えていたのはつい最近のことで覚えている。

大震災で発生した原発事故は日本全国に多大な被害を及ぼしている。放射能汚染をシミュレーションするシステムを持っていながら住民避難に役立てず、寧ろ被爆する結果になった。その時の関係者の言い分がでたらめだ。

もう忘れかけているが牛肉などの食品偽造は経営者の経験で驚く手法が使われていた。下火になったと思っていたが、まだ存在するオレオレ詐欺などの巧妙な手法にも驚かされる。

善悪は別として、政治の世界でも多いはずだ。

民主党のマニフェスト違反、メインであった「子ども手当」も野党から批判され、メンツをかけて名称を「子どものための手当」とか何とかしようとしたが、従来の「児童手当」に戻っていった。

やっと社会保障と税の一体改革が国会審議に入ってきた。野党の質問者はテレビ中継を意識してボードまで用意しての質問だが、大臣側は官僚が作成したペーパーを捲っての答弁だ。整合性するために官僚は四苦八苦しているはずだ。

一体改革も「胸襟を開いて話し合いを」とか「修正に応じる用意」とか、内容の定まらない改革のような感じがするが、野田総理は今国会期中に成案に持って行くという。

党内の反対グループの小沢元代表との会談を希望したり、自民党案にすり寄ろうとしたり一体改革案の内容よりも一体改革という法案に気持ちが走っている。

良きにつけ、悪しきにつけ野田総理以下関係者は雁首揃えて作戦を練っているのだろう。国民のためには、良い方向で創意工夫してくれていると思うのだが。

言えることは、「騙す人は騙される人より頭がよくなければならない」ということだが、国会議員や国家公務員は国民の公僕として負託に真摯に答えるべきだ。

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