2012年9月17日月曜日

野田総理では解散は出来ない


民主党代表選3候補は野田総理の党運営を批判し、野田総理自身が「崖っぷち」というほど党内はバラバラの政権与党で解散などできるはずがない。今後の政治スケジュールを考えながら政権の延命工作をし、衆議員の任期一杯まで解散を引き延ばすしかないのだ。

「近いうち」解散も野田総理と谷垣総裁での会談では何ら具体的な時期の詰めはなかったようだ。谷垣さんが「9月7日の解散もあるかもしれない」と街頭演説で発言したのは、谷垣さんの単なる願望だったのだ。

野田総理は「近いうち」とは、「それ以上でも、それ以下でもない」と珍妙な答弁を繰り返す。それ以上とは衆議員の任期一杯のことで、それ以下とは 9月7日のことか。

確かに時期を表明した途端に総理への求心力はなくなるし、森さんに言わせると「解散時期はうそを言っても許される」不文律があるようだ。

民主党内の体制強化のために、野田総理は代表選後に内閣改造、党役員人事をやるという。名目上は挙党体制の構築だろうが、実質は代表選での再選への工作であることは明らかだ。

民主党は、ここまで党を弱体化し、更に離党者も出そうな状況では、増税問題を隠そうとしても不思議ではなく、次期衆院選マニフェストとも言う改革続行宣言には消費税増税の語句はなかったが、野田総理は「消費税8%、10%を明記する」と明言した。

党は崖っぷちに立たされているが、野田総理は一体改革でまだやらなければならない政策を果敢に実施に移すために代表選に出たのだという。党のことは犠牲にしてでも一体改革を前進させたいのだ。

代表選の結果によっては離党することを仄めかす候補者もいるぐらいだ。

負け戦がはっきりしている解散・総選挙に向け、生き残りをかけた残留、離党が続くのだろう。残れば有権者から批判され、離党すれば離党したで自分のことしか考えていないと批判される。民主党員にとっては茨の道だ。

崖っぷちに立っている政権政党に政治を託すること、原発ゼロ、TPP,外交など難しい政治課題に判断を下す民主党政権を国民はどう思っているのか。

民主党にとっては、解散まで与党であることにメリットは大きいだろう。バラマキ予算など利益誘導で人気を挽回できるチャンスもあるだろうから任期いっぱい政権の座にいたいのだ。

それまでは政権が変われば反故になりそうな政策決定を次々に繰り出すことになる野田。

[後記]
野田総理! 合意に向けた詐欺的「近いうち」解散はやめたらどうか

18日のTBSテレビ NEWS23「民主党代表選候補が激論」で、野田総理は自民党が問責決議に賛成したことで、3党合意、近いうち解散に対して党首会談で見直しの意向を表明した。

しかし、野田ー谷垣会談でも解散時期について具体的な時期ではなく、あいまいな表現に終わった。そのために国会でも問題になったが、野田総理は「それ以上でも、それ以下でもない」と珍妙な答弁を繰り返した。

野田総理は、そんなあいまいな「近いうち」を武器に、野党合意をせまる詐欺的行為はやめた方がよい。

自民党も、早期の解散を急ぐようだが、今の野田総理の民主党内の立場を考えると、解散などできる力は持っていないことに気づくべきだ。
                    (2012.9.19)



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