2012年9月10日月曜日

谷垣総裁不出馬:何故だ ブレまくって終わるのか

総裁選不出馬会見をする谷垣総裁
2012.9.10 民放テレビニュース

谷垣総裁が記者会見で突然、自民党総裁選への不出馬を宣言した。表向きの理由は同じ執行部から2人出ることは避けたいというのだ。確かに早期解散・総選挙で民主党と闘ってきた経緯がある。違いと言えば、片や若手、長老に人気があり、一方は不人気で「選挙の顔」ではないという。派閥の領袖は「若い者が活躍できるステージ」を作りたいとも言うのだ。

政権選択は政策にあると思うが、まだまだ「選挙の顔」が必要なのだ。それだけ政治のレベルは低いのだ。谷垣さんは世論調査の「総理にふさわしい人」では決まって4,5位に位置し、党の顔としてのアピール力が低いと見られている。

しかし、どんなに批判され、人気がなかったとしても、不出馬、退陣、辞退ともなれば,却って「何か良いところはなかったか」と考えるようになる。

確かに民主党の失点もあったが選挙には勝っている。野党に落ちてからというもの、政権奪還に向け努力してきた真面目さは評価でき、目標達成の目前での不出馬なのだ。

一方で、消費増税国会ではブレまくった印象が強い。3党合意で消費税増税関連法案の成案に貢献したが、「近いうち」の解散では野田総理に振り回された格好だ。財務相経験者として財務省、野田総理に手玉にとられたのだろう。

最後は無理筋の野党7会派の問責決議案に乗って一挙に信頼を落とす結果になった。それだけ会期内の解散・総選挙に拘ったのだ。

突然の不出馬に至った原因は、明日の新聞で検証されるだろう。自民党にあって派閥の領袖でもなく、政治基盤も脆弱で周りの意見に影響されブレる要因にもなったのだろうが、長老連中の支持が得られなかったことも痛手だったのだ。

谷垣さん不出馬で俄然勢いづいたのが石原さんだが、彼だって山崎派にあって政治基盤が強固な訳ではない。万一政権奪取で総理の座に就いたところで、長老に振り回される結果になり支持する議員らが考えているような政権運営はできない。

民主党・代表選、自民党・総裁選への乱立する候補者を見るにつけ、強固で安定な政権を築くことはできず国民にとっては不幸が続くことになる。

[後記]
朝日新聞2012.9.12の「解散追い込めると思った」の単独インタビューを読んで

谷垣さんは、人がよすぎたのだ。首相とコミュニケーションを築こうとしたが、うまくいかなかったようだ。そして谷垣さんは会期内解散を強く望んでいたが、野田さんもそう思っているだろうとの思い入れが強かった。
野田総理には、党内的に解散できる力はないことを見誤ったのではないか。

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