2015年11月11日水曜日

1億総活躍社会構想の安定財源に「アベノミクスの成果」は期待出来ないか

新たな政策を打ち出すのは良いが、先立つものは財源、「アベノミクスの成果」には期待できそうにない。安倍政権は新たに新3本の矢を放ち1億総活躍社会の実現を目指すと言うが、安倍総理は、その財源、予算規模について10日の国会閉会中審査で「政府与党でちゃんと中身を詰める」と言う。政策だけ打ち上げ財源は他人任せではその実現はおぼつかない。

15回経済財政諮問会議でも政策審議で財源を「アベノミクスの成果」に求める発言があったが、それは難しいらしい。

アベノミクスの成果と言うと政権は、円安、株高、雇用などいろんな経済指標を挙げて成果が上がっていることを主張するが詰まるところは税収だろう。

民主党政権時代では税収は40兆円超えで予算の半分は赤字国債に頼っていたが、今は税収も50兆円を超え歳出の6割まで賄うことができるようになった。消費税、所得税、法人税が増えたためだろう。でも企業業績は良くなったと言うが異次元の金融緩和政策もあり企業の内部留保は356兆円、預金は200兆円を超え、政府は賃上げや設備投資を経済界に要求している。

政策を打ち出すためには「まず財源の確保」が問題になり、与野党で政策の議論がある時も最後は「その財源をどうするか」で潰しあいにかかっている。

その財源についても911日に開催された第15回経済財政諮問会議の議事「子育て支援、少子化などについて」でも論じられている。

臨時に出席した下村文科相(当時)が、今年の7月に教育再生実効会議が少子化の克服、格差是正などのために必要な教育投資のあり方、財源確保策などを強く提言しており、教育は未来への先行投資として充実していく必要があることを紹介した。

これに対して麻生財務相が、施策の充実を図るためには財源を安定的にしておく必要があるが「アベノミクスの成果」を還元するという話が良くでるが、名目成長率3%台後半の高度成長を前提にしており、中長期の試算上の税収増は既に経済、財政再生計画に盛り込まれているという。

「アベノミクスの成果」に期待するのは難しいようだ。
民間議員は、少子化対策は経済における乗数効果も大で優先的に財源を確保していくべきだと言い、民間の工夫で公的サービスを産業化する手もあると言う。

又、ある議員は社会保障関連の歳出の効率化を財源に充てるとか、資産などの経済力を重視した負担を求めるコトも考えられるがそれには時間がかかる。それまでのつなぎ財源をどうするか、是非考えて欲しいという。

経団連代表の民間議員は、基本的には社会全体、税財源で負担すべきで新たな税負担を強いることは止めてほしいという。

安倍政権お気に入りの経済財政諮問会議でも提案する政策への財源確保は難題らしい。

「アベノミクスの成果」と言っても3%台後半の成長率を実現することが前提であり、そこを越えての税収に期待することなど簡単なことではないのだ。

安倍政権は「官民対話」で経済界にハッパをかけているが「需要」がなければ経営者の動きは鈍い。人口減などを考えて金融業は海外でM&Aに精を出している。政府は海外企業の事業を日本に呼び込もうとしている世界的企業であるトヨタは車の自動運転に当たる技術開発のために米・シリコンバレーに進出し5年間で1250億円を投資するという。

円安で海外の生産設備を国内に戻す動きもあるが限定的で、消費地に密着した海外生産の基調は変わらない。

少しずつは税収も伸びてこようが国の借金は1000兆円を超え海外からも財政再建を要求されている。財源がなければ新しい政策が出たとしても期待は出来ない。

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