2016年3月28日月曜日

156人の民進党で再出発:民主党政権交代時の支持を取り戻すことが出来るか


NHK おはよう日本
2016.3.28

民主党が20年の歴史に幕を閉じ156人の民進党として再出発することになったが、09年の政権交代時の支持を取り戻すことが出来るのか。メデイアの見方は厳しい。かっての離合集散から確固たる政策が見えてこないのだ。

それは岡田代表の挨拶からも分かる。

「政権与党として十分な期待に応えられなかった」、「離合集散を反省する」とし、安倍政権の暴走を止める。覚悟を持って民進党をスタートさせるという。

しかし、テレビ画面で岡田代表は一度、スタートさせる民進党を新進党と言い間違え、しばし苦笑いしていたシーンが印象的だった。新進党は岡田さんや小沢さんらが立ち上げた政党ではなかったか。

それだけ民主党は離合集散を繰り返した歴史がある。1996年の鳩山、菅両代表で発足した旧民主党は20年の歴史に幕を閉じた。

一方で、期待を抱かせたこともある。

09年の「政権交代しませんか」のキャッチフレーズで自民党を下野させ、政権の座を奪い取った。

民主党の掲げる公約・マニフェストは多義に渡り国民に政策を問うたが、如何にせん財源の見通しが付いていなかった。民主党の政策を立案した若手議員らも財源が見つからないことに一抹の不安を抱えていたが、小沢さんが「何とかなる」と言ったそうだ。

私も、一般会計は国会で審議されているので無理なところもあるが、特別会計は無駄があるのではないかとみていた。10%のカットぐらい直ぐに出来ると思っていた。

でも、実際には無理だった。国民の注目を浴びた「事業仕分け」は「廃止」を決定してもその後、政治判断で蘇る不可思議な結果になった。私も2度聴講したが、民間委員の質問に役人がタラタラ説明する姿を何回も見た。役人がタラタラ説明しなければ理解されない政策こそ問題だったのだ。

鳩山総理の普天間移設問題で「少なくとも県外」は沖縄県民に大きな期待を抱かせたが、「勉強すればするほど普天間移設」という結果に終わった。今、その右往左往は官僚に騙された結果ではないかとみられている。

又、小沢さんとの権力の二重構造は官邸政治を否定する内容になり、鳩山、小沢さんのツートップが「政治とカネ」の問題で頓挫すると一気に政権の信用が失墜した。

続く菅政権では東日本大震災で大混乱、今までくすぶっていた「何時解散するのか」が常につきまとう政権運営が続いた。

官僚を廃して「政治主導」を掲げた菅総理だったが、一大事の時に官僚の協力がなければ政治はうまく行くはずがない。

野田政権では消費税増税をめぐり小沢さん一派と対立、大量の離党者を出す結果になった。今回の民主党と維新の党の合併にあたり、小沢さんの生活の党がどうでるか注目されたが、野田さんをはじめ小沢さんとのしこりが大きいことが分かった。

小沢さんとの関係をどうするかで、野田総理、小沢さん、輿石さんが民主党本部で会談する日に私は民主党本部前にいた。

前の通りはテレビ局の中継車が駐車し、警察官も普段より多く配置され、報道陣は3人の一瞬の姿を撮ろうと群がった。これほど民主党が注目されたのも久しい。3人が本部内に入っていった後は、脚立だけが残る風景だった。

野田さんは、小沢さんとの関係を修復できず「離党やむを得ず」に傾いたそうだ。

その後、党首討論で安倍総裁が「何時解散するのか」と詰め寄ったときに野田総理は「約束してくれれば明後日の16日に解散します」と応じ、安倍さんも一瞬驚いたようだが「解散ですね、解散ですね」と確認したシーンは今も思い出す。

野田さんは、民主党は勝てると思っていたようだが惨敗で政権の座から下ろされた。
野田さんは「政治主導」が評価されているものと思っていたようだが、見誤ったようだ。選挙後、「多くの同士を落選させ申し訳ない」と謝ったそうだ。

33ヶ月という政権の座は座り心地の良い物ではなかっただろう。

民主党政権時の失政は有権者の頭から消えず、反立憲、安保関連法、消費税増税、火を付ける格好になった待機児童問題でどう具体策を掲げられるか。

メデイアも安倍政権、自民党優位の記事ばかりでなく野党・民進党などへの期待の記事を書き野党再編への期待を煽ったらどうか。

野党の長老も引退者が増え若手に世代交代している。小沢さんも力はなくなっている。生活の党だってどうなるか分からない。自民党は有名人を候補者に挙げて得票数の確保を狙っているが、スキャンダルまみれでは無理だろう。

有権者の質も問われている安倍自民党一党独裁政治なのだ。

20年の歴史に幕 民主党から民進党へ
NHK おはよう日本
2016.3.28




0 件のコメント: