2016年3月8日火曜日

ステイグリッツ教授招聘?:「第三の道」か、世界の貧困対策か

安倍総理が第一回の経済分析会合にステイグリッツ教授を招聘すると新聞ニュースで知った。首相のアベノミクス政策に好意的というのが理由らしい。伊勢志摩サミットで世界経済の安定化のために主導権を発揮するために著名な経済学者を海外から招聘し政策を食いかじろうとでも言うのか。

ステイグリッツ教授と言えば、昔は「民主主義的理想」である「第三の道」を提唱、最近では繁栄の分け前を1%の最上層が占め、99%が貧困に苦しんでいると言い不平等の拡大を食い止める必要性を訴えている。

今の市場は狂っている。

アダムスミスは「市場の見えざる手」と言って、市場が見えざる手に導かれれば効率的な結果をもたらす。各個人が自分の利益を追求すれば社会全体の利益が高まるというのだが、今の経済界は大企業が利益を上げても他の人は代価を支払うばかり。

今の金融市場は短期的な利益を求めるが長期的には経済を弱体化しているとも言う。

要は「再分配政策」が未完成と言うことか。日本も安倍総理のアベノミクスの成果が津々浦々まで波及せず、消費増に向け企業の儲けを賃上げによって家計に再分配しようとしているが財界の抵抗も強い。

経済は政府が干渉しすぎると悪化するが、成すべきことを実行しない場合も悪化するという。

安倍政権は脱デフレに向け日銀総裁のすげ替えまでして異次元の金融緩和をし、市場にジャブジャブカネを流させたが、2%物価安定目標達成は未達、政府、日銀が挙って賃上げを要求するが、金融政策ばかりで達成は出来ない。規制緩和、構造改革の必要性が要求されるが政府の動きは鈍い。

「第三の道」というと民主党・菅政権が政策に取り上げようとした。

スティグリッツ教授は、その著書「人間が幸福になる経済とはないか」で「第三の道」は、社会主義と右派の政策との中間と言い、政府の果たすべき領域は教育、科学的技術の振興、高齢者、貧しい人を社会的に保護することだという。

だからか、民主党・菅政権は自由競争と至上主義に自立支援、セーフテイーネットの整備を訴え、再就職支援や職業訓練に力を入れたようだ。

大きな政府か小さな政府かも議論された。

又、今世界的に格差社会が問題になっている。中国、新興国では格差が拡大、経済減速が影響、米大統領選・予備選では民主党サンダーズさんが格差是正、政治改革を訴え主流派のクリントンさんに迫っている。

ステイグリッツ教授は「世界の99%を貧困にする経済」で、不平等の拡大を食い止め平等な社会を造れという。そうすれば経済的成果も上がり公平感、フェアープレー精神の向上への道筋を付ければ大きな配当が得られるというのだ。

経済成長に不平等解消で繁栄を共有出来る政策を打ち出せという。成長の恩恵を公平に分配することが大切なのだ。

ステイグリッツは具体的にどういう政策を提言するのか。

今の世界経済、金融市場はおかしい。

株価、為替レートで一喜一憂する。昔は円高ドル安なら日本経済が強く、アメリカ経済は弱いと言われていたものだが、今は為替が安い方が輸出も増え成長も早まり雇用も創出する。弱い経済のはずがメリットが大きいのだ。

早くこんな世界経済から脱したいものだが、国内経済の舵取りもままならないのに、世界経済に主導権などあり得ない。


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