2017年4月19日水曜日

日銀、出口戦略遠のく:新しい政策委員2人は量的緩和推進派

日銀の異次元の量的緩和の縮小に向けた出口戦略は遠のいたか。政策委員会で反対の立場だった2人の委員が任期満了で交代、2人の量的緩和推進派に交代するのだ。

リフレ派と思われる2人を新しい政策委員にあてる人事案が国会に提出された。「量的緩和がなければ物価目標達成は不可能」と1人政策委員は主張している。今、日銀は年80兆円の国債買い入れを継続、今までに日銀が保有する国債残高430兆円に達した。

それでも2%物価目標は達成出来ず0.1%レベルだ。ところが安倍総理は国会審議で野党議員から出口戦略について質問され「2%の物価目標を達成していない」と述べた。

まだまだ量的緩和策を継続する気なのだ。それが今回の日銀政策委員人事にも反映している。

日銀の物価の安定に重要な役目を担う政策委員9人全員が量的緩和推進派になり反対意見を発する委員(2人、白川総裁の時の委員)がいなくなった。

ブレーキ役もいない何という恐ろしい日銀政策決定会合になった事か。

国債の信用を失えば国債が下落、日銀や金融機関は経営難に陥ることは容易に想像出来るが、日銀は政府と一体だから潰れないという。でも巷には「日銀が潰れるとき」というタイトルの本も出ている。長期金利は上がり資金の手当ても難しくなり日本経済は大変な事になる。

ところで今、日本経済は為替変動に悩まされている。日本が量的緩和でカネを市場に流すことより世界経済の事情で変動している。FRBが利上げするとドル高、円安だが、北vsアメリカの一触即発事態、イギリスの総選挙、フランスの状況など世界不安が発生すると比較的安全な資産と思われる円が買われ、円高になる。

今、108年台だが100円を切る可能性も出てくるそうだ。でも日本は78円までなった経験がある。世界の政治経済事情から為替変動に翻弄去れ、日銀の出口戦略で日本経済は下落の憂き目を経験するのか。

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