相模トラフ沿いで想定される最大級ノの地震の震源域と 首都直下地震の発生エリア 讀賣新聞 2014.5.4 |
次に起きる巨大地震は何処か、相模トラフ、南海トラフ巨大地震は200年後と言うが、南海地震は20年後とも言われている。はっきり言えることは日本全国何処で起きても不思議ではないのだ。
新聞報道によると、東大と産業技術総合研究所の研究チームが大正関東地震(1923年)、元禄関東地震(1703年)を起こした相模トラフ巨大地震の発生間隔を従来の約2000年から約500年という短い期間ではないかと発表した。
房総半島南端の海岸隆起 州崎灯台付近 7200,5000,3000年前、1703年元禄地震 1923年関東大震災での海岸隆起が見られる |
房総半島南部の海岸段丘の穴から化石の年代を調査した結果、元禄型巨大地震が約6300年前から5回、約500年~約2800年の間隔で起きたというのだ。
元禄関東地震の1703年から約500年というと2203年、今から190年後に早ければ発生する危険があるのだ。これによって防災の見直しが必要になるらしい。
大正関東地震M7.9の巨大地震は30年間で最大2%の発生確率だったが、5%に高められている。
一方の南海トラフ巨大地震はどうか。
ここは、東海地震、東南海地震、南海地震、日向灘地震と3~4連動も想定されている危険な震源域で90~150年周期で起きる順番は東南海→東海→南海の順とみられている。
ところが京大の鎌田先生は、高知県室戸岬の北西の室津港での地震前後の地盤の隆起解析から次に南海地震が発生するのは2030年代後半と予想している(サンデー毎日2012.9.23)。
約20年後に南海地震が発生するというのだ。今までの発生間隔を考えると可能性があるというのだ。しかし単独で終わるはずはない。
ところで、浜岡原発が震源域内にある東海地震はどうなっているのか。100~150年間隔で何時起きても不思議ではなく、民主党政権時の菅総理が東北地方太平洋沖地震での福島第一原発の事故に鑑み稼働中だった原発の停止命令を中電に出した。
でも未だ起きていないことを考えると間違いだったのか、既に起きているのかと専門家は首をかしげる。浜名湖付近でスロースリップ現象が発生し東海地震が発生するかと思われたが起きなかった。スロースリップ現象は巨大地震の前兆と考えられている。
ところが東大地震研の瀬野先生が南海トラフ地震の精密な解析を行った。南海トラフ沿いで発生した地震の震度分布などから宝永型地震と安政型地震に2分類し、それぞれの発生間隔と次に起きるタイプはどのタイプかを検証した。
その結果、宝永型は350年、安政型は400年で、次は安政型が起きると考えた。先の安政型地震の発生は1854年だったから400年後とすると次の発生は2254年で今から230年ほど先になる。
将来の東海地震は200年以上先になるのだ(以上、「地震 第64巻 第二号 2012年1月」 総合報告「南海トラフ巨大地震」瀬野徹三 日本地震学会 又は朝日新聞2013.7.18 南海トラフ地震、200~300年後)。
首都直下地震はどうか。
今までは確か東京湾北部を震源としたが都心南部直下地震M7.2が首都に大きな被害をもたらす事が分かり30年間のM7.2の発生確率は70%と言う。南関東地震で海溝型首都直下を含んでいる。この都心南部直下地震は私の住んでいる東京・大田区から品川区を通る断層が考えられている。地盤の軟弱が大きく影響している。
関東平野では茨城、栃木、埼玉で深さ10kmで頻繁に内陸型地震が発生、これが首都直下地震、南海トラフ、相模トラフの巨大地震を誘発する事も指摘され心配されている。
朝日新聞 2014.7.21 |
南海トラフ、相模トラフ、日本海溝の海溝型地震の他にも中央構造線断層帯、糸魚川―静岡構造線も内陸型地震として要注意だ。熊本地震は中央構造線の西端で発生したがこれが東へ移る可能性も指摘され四国などの都市も注意が喚起されている。長野県松本市も要注意だ。
伊豆小笠原海溝、日向灘にも歪みが貯まっていると指摘する研究者も多い。
又、今世紀の天変地異は9世紀のそれに酷似していると言う。2011年の東北地方太平洋沖地震、火山噴火などの頻発で指摘されるようになった。
そのパターンは三陸沖地震(貞観地震869年)→首都直下地震(相模・武蔵地震878年)→南海トラフ地震( 出雲地震880年 仁和地震887年)となる。そういうことを考えると南海地震は2038年頃と言うことになるか。
GPS測位で数々の地震発生を的中させたと週刊ポストで有名な測地学の村井先生も地盤の隆起、沈降から南関東、日向灘を警戒している。
そして、多くの研究者が「千葉県沖」に注目している。房総半島沖でスロースリップ現象が起き、その間隔が縮まっているという。止まったところが巨大地震の震源域というし、東北地方太平洋沖地震でも房総沖は割れ残っているとみられており何時地震が起きても不思議ではないのだ。
そして要注意は1677年に発生したM8.3以上の延宝房総沖地震だ。房総沖で「過去最大」の痕跡が見つかったというのだ。鴨川市から茂原市にかけて海岸の高さ10~18mの海岸段丘が見つかったのだ。最大想定でM8.6になるらしい(朝日新聞2014.7.21)。
このニュースを聞いて鴨川付近の現地に行ってみたが分からない。でも房総半島南端の海岸段丘は巨大地震で隆起した海岸線を良く表している。7200年前、5000年前、3000年前、1703年元禄地震、1923年関東大震災で隆起した海岸線が確認出来る。巨大地震のエネルギーの大きさがよく分かる。
大変な時代になったものだ。
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