2017年5月28日日曜日

イタリア、タオルミーナ・サミット:それでも米大統領は開催国・議長の隣か

米国大統領は常に開催国議長の隣だ
2017.5.27 民放テレビニュースから
伊勢志摩サミットでは議長国の安倍総理がオバマ大統領
につきっきりで存在感を示していた?
広島に行くと決まったら予定を変更してついて行った
イタリア・タオルミーナで開かれていたG7サミットも閉幕したが、それでも米・トランプ大統領は開催国で議長のイタリア・ジェンテイロー二首相の隣なのだ。それだけ国際会議でのアメリカの存在は大きいが、今回も会議を見る限りジェンテイロー二首相が言っているように「自国の利益を守ることに興味のある国」と揶揄されるほど、トランプ大統領は自説を押し通したことになる。

会議を通じてトランプ大統領に振り回され「結束」どころか「乱れ」を生じさせ、G7の影響力も弱まってきた感じだ。そこをG7からはじき飛ばされている中国、ロシアが狙っている。

このまま行くと、中国、ロシアの反対で調整もつかなくなった国連安全保障常任理事国の二の舞になる。

物議を醸した自由貿易は「開かれた市場を堅持し、保護主義と戦う」と明記された。「あらゆる形態の」という文言はなくなった。これによって反保護主義との明記を要求した他首脳が譲歩し、トランプ大統領も譲歩した玉虫色の決着になった。

そして米国と他国との溝は深まるばかりだ。先に財務長官も「保護主義的行動をとる権利がある」と言明していたのだからアメリカの態度は変わらない。

大統領選でも反グローバル、「アメリカ第一」の保護主義を掲げていたのだから公約を通す必要がトランプ大統領にはあるのだ。

しかし、格差拡大などグローバル化の弊害は出ているのも事実だ。アメリカでも少数の金持ちが恩恵にあずかっているだけで中流層以下の国民は犠牲になっている。

グローバル化の問題は古い課題だが取り組みが甘かった。新聞報道では1996年のリヨン・サミットでその光と影が議論されたという。その取り組みの甘さから出て来た社会現象にトランプさんがうまく乗っかって大統領になったが、如何にせん、トランプさんも大富豪だ。そのうちに豪華な生活に批判が集まるのではないか。

各国が注目する地球温暖化対策の「パリ協定」からもトランプ大統領は離脱しようかどうか迷っていた。国内の産業、雇用の創出の方が重要なのだが、各国の説得に合い、正しく判断したいのでチョット待て。「来週決める」と言い出した。譲歩すれば成果はあった事になる。

なにぶんにも中国(28%)に次いで2番目に二酸化炭素の排出が多い米国(16%)だ。中国だって国際会議が開催される地区では工場の操業を止めて青空を戻しているが、通常は黒煙をモクモク出して、大気は汚れている。

おまけにPM2.5に含まれる酸化鉄が地球温暖化の原因物質になると言う研究も発表された。「一体一路」の広大な構想を推進しているが、中国の空、河川をきれいにするのが喫緊の課題ではないか。

北朝鮮に対する制裁強化も話し合われたようだ。新聞では「北は世界の脅威」と安倍総理は主導したらしい。北の核開発、ミサイル発射は新たな段階の脅威という。でも、「国連決議を守れ」と言っても聞く相手ではない。米国は朝鮮半島での原子力空母の交代を予定しているがいつまでこんな状態が続くのか。また、ミサイルの迎撃実験をすると言う。今まで17回実験して成功は7回とも言われている。上空を小さな物体が高速で飛ぶんだから迎え撃つのも容易ではない。しかも、数発同時だとほとんど迎撃は無理らしい。

テロ対策には「あらゆる形態の」という文言がついた。直前のイギリスでの自爆テロ行為は残念な事態だ。IS国がやったと言うが、犯人は難民でイギリス育ちと言うから未然摘発は難しい。

新聞報道によると前回は32ページの報告書も今回はたったの6ページという。如何にアメリカの抵抗が大きかったかがうかがえる。


アメリカ頼みの国際会議でトランプ大統領がどう対応していくか。国内問題も含め注目だ。

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