2018年5月27日日曜日

日本の財政:本当はどうなんだ 危機的なのか、そうでもないのか


日本の財政は本当はどうなのか。危機的状況か、そうでもないのか。同じ財政状況にありながら見方、考え方で真逆の結果になる。何故、統一見解を出し財政運営が出来ないのか。直ぐに消費税増税が課題になってくる。更に2%アップが景気を腰折れさせるのか。それとも財政改善に役立たせるのか。

財務省が2017年度末対外資産、債務残高を公表した。

それによると海外に持っている資産「対外資産」は1012兆4310億円、一方「対外負債」は683兆9840億円で対外純資産は328兆4480億円になるという。

そうすると17年3月末の国と地方会わせた債務(借金合計)は1080兆円だから対GDP比210%になり財務省の言うように先進国一厳しい財政状況だ。

これに対外資産328兆円を考慮すると借金は750兆円になり対GDP比では150%、こんな計算をして良いのかどうかは分からないが厳しいことに変わらない。

ところが国債は国内で保有され、円建てなので大丈夫だと言う考えもある。

たとえばネットで調べると借金1100兆円、日銀所有370兆円、国の純資産600兆円でこれらを差し引くと借金はたったの130兆円、全く問題ないのだ。こう言う計算を本当にやって良いのかも分からない。

国会でも予算の審議がされているが「日本の借金は1000兆円超え、対GDP比で200%越え」をまともに議論されたことはない。一度野党議員が予算委員会で質問していたが財務相の答弁は財務省の考え方のオウム返しだった。

どういう答弁だったか覚えていないが、質問者は納得しないのに次の質問に移った。

確かに財政健全化は財政制度審議会で問題になっている。財政健全化目標でPB黒字化は2020年度から2025年度に先送り、2019年の消費税増税は前提条件になっている

問題の高齢化による社会保障費の伸びも3年間で毎年5000億円内に押さえる事になっている。高齢者の医療負担も1割から2割に負担増が強いられる。

政府の財政再建目標も2021年の財政赤字をGDPの3%以内に抑えるという。実績は18年度でGDP比4.4%だと言う。EU諸国は3%以内をグローバルスタンダードとしている。でも今の一般会計の借金は33兆円とすれば対GDP比6.6%になるが間違いなのか。

こういった財政再建計画も前提条件が現実離れしているのだ。名目経済成長率を3%台とみているが実際は1%程度で可能性は低いのだ。

社会保障費は2040年で190兆円になるが誰が負担するのかということにもなる。

今、日本経済にとって必要なのは内需の拡大だ。企業が業績を上げ→賃上げ→消費増→企業業績押し上げを狙って政府も3%賃上げを要求したが実際は2%
程度だった。

アベノミクスで経済の好循環を狙っていたがトリクルダウンなど起きない。海外の著名な経済学者はトリクルダウンなど見たことがないと言っていた。

外需に頼らず内需拡大の必要性は海外からの圧力で日本でも検討された経過がある。前川レポート、21世紀版前川レポートが出されているが失敗した原因は企業の儲けを家計へ再分配するシステムが出来ていなかったことだという。

家計への再分配、格差社会の回避は税制改革で見直すべきだ。

日本財政の本当の姿を示して欲しいモノだ。

関連誇示
2018.5.17掲載
格差是正、経済の好循環は大企業、富裕層の優遇税制見直しで再分配

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