2020年7月8日水曜日

東京都知事選から解散総選挙が推論できるか


小池知事は366万票獲得で圧勝したかに見えたが、その要因は1期目の公約不履行を隠すためにネット選挙に重点を置き、2期目の選挙の「敵」は自分自身であること避けた。そして新型コロナウィルス対策、新感染者数の報告で出なくてもいいテレビ画面に顔を出し選挙対策を他候補に比べ有利に進めた。

他の主要候補はそれぞれ知名度はあるが都政には未経験、やっぱり現役が強い。東京都知事選は人気投票ともいわれ、ミーハー票が160万票あるといわれている通り、小池さんが圧勝した。

一方で、都議補選を見ると、「都民ファースト」の候補者は全員落選、自民党が勝利した。東京5区だったと思うが、都民ファーストの候補者は4位という体たらくだった。

こういった状況から内閣支持率も30%代と振るわない、安倍政権が解散総選挙に打って出る可能性はある。そのポイントはトランプ大統領が計画している8月末のアメリカでのG7だ。ここで得意とする外交で点数を挙げたいところだろうがそうはいかない。

対中、対北ではトランプ大統領に追随したところで、肝心の対米ではイージスアショア計画中止、在日米軍駐留費の4倍肩代わり、さもなくば駐留米軍の撤退、縮小と大きな問題を抱えている。死に体トランプ大統領とどんな交渉ができるか。

やっぱり、新型コロナウィルス感染拡大にかこつけてここは出席辞退すべきだ。ドイツやフランスとよく相談すべきではないか。一人一人が辞退するのではなく相談して辞退するのだ。

では、国内情勢はどうか。

なんといっても弱点は、河井議員夫妻の公職選挙法、政治資金規正法違反事件だ。買収資金の原資は自民党からの1.5億円にあるらしい。安倍総理はしっかり説明すべきなのだ。

そして「モリカケ」「桜を見る会」「夕食会」での安倍総理後援会による公選法違反、政治資金規正法違反事件の説明だ。これは600人に及ぶ法務関係者が東京地検に告発している。

また、6年間の数々の安倍総理夫妻による不祥事は裁判で有罪になっている。森友事件での文書不開示は「相当に悪質」と断罪されたし、野党の国会開会要求にも応じなかった事案は「憲法上違法」と認められた。

そして何よりも不利なのは新型コロナウィルスでの感染防止への対応のまずさ、生活、事業支援策での不手際が目立った。これで一気に内閣支持率は40%を切ったのだ。

これでは安倍総理も選挙で遊説は無理だ。秋葉原の時のように自民党支持者で周りを囲んでの遊説しかないのだ。話も下手だし反対の声に乗って批判を浴びる。

それでも最近の自民党の事前調査では70議席は失うという調査結果が出たそうだ。今まで存分の席を獲得したのだから支持率が落ちた今、解散すれば議席数減は当然だ。

問題は、野党の体制にある。安倍政権反対の受け皿がいつも不具合なのだ。

立憲民主と国民民主の統合が難しいのだ。それはそうだろう。小池新党「希望の党」へ民進党から移れるかどうかでふるいにかけられたのだから妬みは大きい。小池勝利といっても国民民主が有利になるわけはない。

立憲は創立者の枝野さんの存在が支障になっているらしい。憲法改正では離党者も出ている。ここはいったん枝野さんが身を引く時ではないか。

とりあえず、自民の受け皿として立憲、国民、共産のほかに今回東京都知事選に挑んできた「日本維新の会」がある。新型コロナウィルスで「大阪モデル」で名を売った吉村知事は小池さん以上の評価を得ている。大阪では数々の改革を実行し「大阪でできることは日本でもできる」と松井さんは主張するが、大阪以外の国民にとっては大阪都構想は理解がしにくいか。

日本新党のように熊本県知事だった細川さんがさっそうと登場したように吉村さんが登場することは不可能か。世論調査では政党支持率が低いのが気にかかるが、維新の会推薦の小野さんの登場は茶の間に「日本維新の会あり」を主張できたのではないか。

解散総選挙となると争点は何か。

新型コロナウィルス感染防止、第2波への備えだろう。小池さんはCDCの東京版を作ると主張していたが、最近の発言では大したことはなさそうだ。やっぱり国が対応すべきだ。

感染防止も大事だが、社会経済活動もポストコロナを考えれば重要なことは間違いない。感染防止と経済再開のバランスをどうとるかだ。

雇用、所得減は大きな問題で、正規、非正規労働者の格差拡大、日本経済の消費にも影響する。消費税減税も課題になるか。

災害対策は喫緊の課題だ。復興支援、過疎化問題が大きく関連してくる。

新型コロナウィルス対策もあり、安倍政権は大判ぶるいの予算を編成し、財政赤字へ邁進することになった。それでも財政審議会は「財政健全化を忘れるな」と警告する。膨らむ地方、国合わせての借金はとてつもない金額になっている。今の安倍政権を主導するのは経産省、財政重視の財務省は日陰者だ。経産省が日本をつぶすことにもなりかねない。国の財政は破綻しても経産省の利権はしっかり守っているのだ。

在日米軍、日米同盟も気がかりだ。トランプ大統領の軍事費肩代わりは8500億円に達しようとしている。いうことを聞かなけれな縮小か撤退をにおわせている。在日米軍といっても日本を守ってくれているのではない。アメリカの世界戦略の一環としてあることを主張すべきだ。「何でも買ってくれる晋三」に任せてはいけない。

そして安倍政権のスキャンダル、国会審議でもノラリクラリのはぐらかし答弁で逃げてきたつもりだろうが、国民はよく知っている。野党の国会開会要求に応じなかった安倍政権は裁判で「憲法上は違法」と断じられたし、森友事件での文書不開示は「相当に悪質」とまで判じられた。民主政治を取り戻すための国会改革は必要なのだ。

本当に安倍総理は解散総選挙に打って出れるか。総裁選を控え新しい自民党総裁を選び解散総選挙に打って出る方が有利ではないか。


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