2011年7月29日金曜日

ソニー水族館:水槽の中の魚は人間が見えるか
















銀座を通ったついでに、ソニービルに開設された水族館に寄ってみた。蒸し暑い日だったが、水槽と泳ぐ魚類を見ると涼感が漂ってくる。水槽の中にはハナミノカサゴなど31種類の魚が泳いでいた。

水槽の周りには、見学者や通行人で一時立ち寄った人達十数人がカメラを構えていた。私達人間は魚と認識し見ることが出来るが、水槽の中の魚は人間をどう認識できるのか。

スタッフの女性に聞くと、「水やガラスがあるので形は少し違っても、見えてるはずだ」と教えてもらった。直ぐ魚眼レンズのことを考えた。

近くの図書館で魚の見え方、持っている器官の能力などを調べてみた。通常、魚は目、耳、鼻を持っていて動くモノ、モノ音に敏感だという。

魚の目は球形レンズで両側に1個ずつ付いていて、180度の広い範囲を見ることが出来る単眼視野があるが、平面でしか見えない。しかし、前方に両眼視野があり、ここではモノが常時立体で見えるという。ただ、球形レンズで視野が広いのではなく、少し目が飛び出しているので左右、上下まで広い視野が確保できるのだ。

補食や外敵を見る場合、前方へレンズを出したり、引っ込めたりして焦点を合わせ、立体的に見るのだ。

しかし、魚は総じて近眼だ。視力は0.1~0.6で、沿岸部の魚より回遊魚の方が視力が良く、より遠くを見る事が出来るが、海の中も30mを越えればその先は見えないのだから近眼であっても、その他の感覚器官が発達しているので支障はないらしい。

水槽の中の魚は、水槽近くの人間であれば形は少し変わっても見えるが、離れれば見えないのだろう。色覚もあって紫、青、緑、黄そして紫外線も色として感じるらしい。

以前、尾瀬に行った時、清流でイワナが静止したままの姿勢を保っていたので、暫く見ていたら突然水面から飛び上がって何かをくわえて水中に落ち、また静止状態になった野を見たことがある。

人間の目では確認が難しかったが、水面付近に近づいた虫を補食したのだ。魚の前方の両眼視野で球形レンズを出したり、引っ込めたっりして焦点を合わせ飛び跳ねたのだ。
鼻の臭覚も鋭い。サケは生まれた河川に帰ってくると言うが、その誘因物質は分っていないらしい。音にも敏感だ。海水魚の多くは浮き袋の突起が内耳に繋がっていて音を聞くのに役立っている。

魚に知能は高いのだ。

写真:ソニー水族館 2011.7.28

参考図書:魚の雑学事典 富田、荒俣、さとう 日本実業出版 2004.11

0 件のコメント: