2013年8月26日月曜日

福島第一原発、汚染水貯蔵タンク流出事故:東電の安全意識欠如とコスト削減意識が招いた?

東電・福島第一原発の汚染水貯蔵タンクからの汚染水漏出事故は、東電の安全意識の欠如とコスト削減意識が招いた惨状なのか。何という東電の懲りない安全意識の欠如とコスト意識か。津波高さを15mと想定し見直ししながら「あり得ない」と80億円という工事を見送りメルトスルーの大惨事を招き、今度はコスト削減のために地盤沈下した場所に設置していたタンクの使い回しタンクから汚染水の漏出なのだ。

問題のタンクは大型だが、フランジ型で早期に設置できるということで採用になったらしいが、ボルト接合部や底盤周辺からは漏出は認められなかったので原因が不明と言うことだった。

でも、詳細が分かってくるうちに高濃度の放射能を含む汚染水を貯蔵するタンクとしては、余りにもお粗末な代物なのだ。

毎日新聞(2013.8.25)に掲載
されたタンクの底盤内部写真
毎日新聞(2013.8.25)が詳しいことを報じている。

このタンクは以前使っていたところが地盤沈下した為に、解体、移設して使用したものらしい。当然に底盤の欠陥があるかもしれないが、「問題なし」として利用していた。

写真では底盤内部の写真が掲載されており、底盤もボルト締めの接合だ。不等沈下で接合部に異常が出ても可笑しくないことは誰だって分かる。

驚いたことに、東電の技術スタッフも想定しており漏出は織り込み済みの事態だという。

更に、東電の財務事情から安上がりにするように求められていたと、協力会社の会長が証言しているのだ。

すべてがうまくいかない後手後手の対応策の結果がこうなのだ。

タンクヤードの排水弁は開
テレビ朝日 報道ステーション
2013.8.23
テレビ朝日(2013.8.23)の報道ステーションが原子力規制委員会の福島第一原発立ち入り調査のニュースを流していたが、規制委員が「出来ないことは声を上げてほしい」、「「きちんとやりたいけど出来ないでいる」と言ってもらう方が大事」と発言していたのに東電の思いつく対策の不備さがうかがえる。

私も地下水対策をやったことがあるが難しい。闇雲にやっても徒労に終わる。サンプリング場所や測定頻度を上げても汚染状況が明白になるのではなく混沌とするばかりなのだ。

福島第一原発の汚染水対策が解決するとは思えないが、東電の安全意識、コスト意識も「放射能物質を扱っているのだ」という基本的考えを忘れてもらっては困るのだ。




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