2015年8月24日月曜日

GDP世界第2位、成長率7%の中国、その実体は発展途上の大国か

GDP世界第2位、経済成長率7%の中国だが実体は温家宝さんが言ったように発展途上の大国か。広大な国土、13億人を超える人口が世界経済のけん引役として期待されたが、期待が大きかっただけに中国経済の減速は世界同時株安で東証でも前日に較べ24日は900円安で19000円を割った。

中国が成長率を見直したと言っても7%、世界の成長が鈍く2%、良くて4%と言われているときに7%には驚くが誰も本気で信じてはいないようだ。GDPにしても発表される数値の信頼性はない。

他の経済政策と整合しないのだ。中国はドルに対して元安政策をとり対ドルで4.5%下落させた。輸出振興で国内経済の改善を狙った為替競争の様相を呈し、続く金利下げはIMFから警告を受けた。

これらの政策は中国国内の経済の減速を示すもので成長率7%など信じられないのだ。

上述の「発展途上の大国」とは温家宝さんが地球温暖化でCO2削減率を議論しているときにアメリカに次いで世界第2位の排出国である中国が削減率に異議を唱えた。その時の屁理屈が「中国は発展途上の大国」発言だった。

そんな中国が国連安全保障常任理事国で国際ルールを守り世界の安全保障に努めなければならない立場で有りながら各地で領海侵犯、基地の拡大を進めている。中国の実体は「発展途上の大国」なのだから拒否権を持つ安全保障理事国など返上すべきではないか。

そのほかに政治、経済、社会面で国内に大きな問題を抱えている。

国内での権力闘争が激しい。腐敗撲滅運動は習主席vs江沢民派、胡錦濤派で軍部との軋轢もありクーデターの噂も絶たない。

人権問題も大きい。天安門事件に始まり各地で民主化運動が押さえられ、人権派弁護士の失踪、拘束など噂されている。

情報の閉鎖、情報操作も激しい。事件が起こりそれを報道するメデイアの報道内容がカットされている。国民に本当の情報が伝わっていないのだから国民が正当な判断を下せるはずがない。
民主党政権の時、習近平さんが来日したとき天皇との会見を希望したが時期も切迫していたために宮内庁が一旦断ったが、当時の小沢さんが「次に主席になる大切な人」と言うことで会見を強要し顰蹙を買ったことがあるが、この習主席を見て小沢さんはどう思っているのか。

メデイアの報道は悪いことが多い。

経済成長で開発行為が続いたが林立する高層マンションはほとんどが売れていないようだ。ゴーストタウンの様相を呈している。メデイアの報道ではマンションの一区画を買うともう一区画おまけするという話もあった。こんな売れ行きでは維持管理の費用もまかなえず荒廃するまでだ。

大気汚染、水質汚濁をはじめ環境汚染は激しい。我が国にも汚染物質が飛んできて健康被害の心配がある。空はスモッグで覆われ通行人がマスクする姿は異様だ。オリンピックなど国際的イベントがあると政府が工場の操業を止めて青空を取り戻すが終われば元に戻る。

急激な経済発展は安全などに手を抜いている。天津大爆発は危険物の安全管理もおろそかになっていた。こんな国に原子力発電所が建設中も含めて50基以上あるらしい。人材難で安全対策、地震対策も十分でなければ危険きわまりない状況に置かれる。

格差の拡大も大きい。都市での高層ビルと山間部での格差、民族問題も含んで政府との抗争が絶えない。冨を分配するシステムが整っていないのだ。これでは安定した消費は期待出来ない。

そして国内問題での不満を日本など近隣諸国との紛争で誤魔化そうとしている。南沙諸島の強引な埋め立て、基地建設、東シナ海での尖閣諸島の領海侵犯、基地化を狙ったガス井建設は世界の安全、平和を目指す国連安全保障常任理事国のやることではない。中国の軍備拡大は日本など近隣国の軍備増強をもたらすことになる。

低開発国の設備投資を支援するためのAIIBの設立で中国は主導権を握ろうとしたり、発展途上国での港湾施設建設を支援したりして中国を中心とする貿易路の建設も目指しているが、中国国内経済が減速しているのに世界に手を広げすぎて大丈夫なのか。

中国は共産党一党独裁のように見えるが実際には多くの弱小政党がある事をラジオの解説で聞いたことがあるが、共産党一党支配では思い切った政策が取れるメリットもあるが政策も偏る。国際展開するのであれば政策の切磋琢磨が必要で共産党一党独裁では限度があるし、世界が信用しないのではないか。


中国の国内政策と海外展開にチグハグさが目立つ気がするがどうなのか。

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