2020年1月14日火曜日

少子化・人口減で日本消滅の危機?:80年後の人口は95年前の約6000万人と言う


進む少子高齢化、政府は次々に政策を打ち出すが人口減少が進めば日本消滅の危機と言う。80年後(2100年)の人口が95年前(大正14年)の約6000万人になるという報告がある。一方国立社会保障、人口問題研究所の将来人口推定では2110年に約4300万人と報告している。

何時だったか人口爆発で食糧難という社会問題が叫ばれたときがあったが、その時出生率を1.8から1.4に落としたが、今また1.8を推奨している。晩婚化、少子化になれ女性の生活、価値観も変わってきた。いきなり1.8にしても子供が生まれ、労働人口に参入するには15年、20年かかる。即効性にある政策はない。

ところが毎日の新聞では社会保障制度維持が困難になっている。70歳まで働け、医療費の窓口負担を2割に、年婚制度改革、全世代型社会保障制度を打ち出すが、若者の結婚→子育て→労働人口増への道のりは険しい。

結婚子育てできるだけの賃金が保証出来ない。高齢者や女性、海外労働者の移入などを考えると賃金は下落傾向、所得の再分配に勇断を振るわなければ無理だ。

安倍政権は経営者に賃上げを要求するが、経済界の動きはマチマチだ。経団連は同調するが事情は各社でちがうのだ。

所得の再分配も税制改革が必要だ。大企業、富裕層への優遇税制を見直すことになるが当然に企業は反対だ。法人税を下げ設備投資で景気の回復を目論むが、市場にカネを流し、低金利を誘導しても企業は借金してまで投資する気はない。ある専門家は無借金経営だという。内部留保460兆円と聞くとそうだろうとうなずける。

とてもじゃないが少子化に終止符を打ち人口増を目指すことは難しい。むしろ日本社会あらゆる分野に人口減の悪影響が出てきている。

   地方自治、都市コミュニテイ―の維持ができなくなってきている。

ドライブすると必ず見ることができる限界集落、地方自治、社会生活にも支障が出てきているのだ。地方議会の議員のなり手がないという。人口減、手当てが安い。生業をやらないと生きていけない。合併を考えると役所は遠く離れた場所だ。

学校も大変らしい。生徒数が減って中学校や高校は統廃合が続く。私の田舎では4つの高校を一校にしようとし、どこに設置するかで問題になっている。優秀な生徒は遠くの学区へ電車で通う。駅まで親が送り迎えだ。

病院の統廃合も高齢者にとっては死活問題だ。診療数の低い病院を統合するというのだ。人口減、高齢化が進むと病人もどうなるか。当然減ってくるだろうが、その前に医者の数も減るだろう。救急医療、小児科、産婦人科が減り、儲かる整形外科が増えるか。

   災害対応が難しくなる。

これから巨大災害が増えることは確かだ。今まで被害を経験していなかった場所で被害が続出する。しかし、自治体の防災対応の専従職員が不足している。緊急時対応、復興に支障をきたす。今回の15,19号の台風被害での千葉県の例を見れば参考になる。

復興に政府は予算を付けるがその執行ができないのだ。災害地復興を政権の支持につなげようと被災地訪問をするがそういう時代は無くなる。

   インフラ整備、老朽化インフラの更新が無理になる。

トンネル、橋、港湾、ダムの維持管理が困難になる。今でも補修、更新ができない状況が新聞で報道されている。生活に使う橋が老朽化で更新できず「通行禁止」の立て看板が目立つようになる。トンネルでは壁の脱落での交通事故、港湾施設ではコンクリートが剥離しさびた鉄筋が目立つ。ダムは流入した堆積物で埋まる。維持管理できなければ利水、防災の役目ができない。

   巨大技術である原発、新幹線(リニア)をどう維持管理していくか。

原発は将来エネルギー政策と関連し、再稼働、新設をしっかり議論すべきだ。使用済み核燃料は永久に保管維持しなければならない。廃炉作業も専門性を生かさなければならないが、大学などで新しい原発技術者が育成できるか。廃炉作業では興味なく志望者が減ってくるか。

新幹線も、リニア新幹線など超高速交通網をどう維持管理するのか。今は投資する効果を狙っているが、将来は負担になることは確かだ。

   被災地の復興の在り方が問題になる。

3.11東北地方太平洋沖地震での復興を見ると専門家の指摘が思い出される。「被災地は過疎地であることを忘れてはいけない」と言うのだ。過疎地で人が集まらないところに大きな金額で復興することへの疑問だ。

今誰もそういう指摘をする人はいないし、政府関係者でそう言おうものなら政府はもたない。

でも、誰かがいわばければならない。寺田寅彦博士はその随筆で、一度災害が起きると規制がかかり安全な場所へと移動するが、そのうちに被害のことなど忘れ仕事の関係で海岸に降りてくる。何事のなかったように生活するが、数百年後に再び災害に襲われ、痛い目に会う。歴史はその繰り返しではないかと言う。

火山噴火、地震などで温泉地、観光地ができる。今にぎわっている場所も必ず災害に襲われるのだ。

   格差拡大

今は都市肥大で地方への移住を答申されているが都市も御多分に漏れず過疎化が進む。都市も人口減少、マンションでの空き室、一戸建ての空き家が今も目立ってきた。住民の高齢化が影響している。メデイアの報道によると東京立川市も昔の面影はなく、人通りも少なくなって来たという。新聞では東京23区でも消滅する区部があるらしい。

   産業はどうなるか

明治時代の初めごろの人口だ。今、農業の疲弊が問題になり里山の維持管理もできないので熊、イノシシ、サルなどの動物が田畑を荒らす事態が起きている。若者が農村の生活にあこがれ農林業に従事する例も増えてきた。しかし、内実は受け入れる自治体が住居費、生活費で優遇しているがこれがなくなったらどうなるか。今はいろいろ問題あるが、木材も大事にされ、農産物も期待されればやっていける可能性が出てくるのではないか。

ただ、人口減は国内市場の縮小で海外の企業も見向きもしなくならないか。製造業もテレビでよく出る家内工業的な生産品は見直されるのではないか。親方―弟子の関係での産業育成には期待できないか。

自給自足、物の循環も無駄がなくなり消費生活ではメリットが大きくないか。

   教育のやり方も考えなければならない。

小学生の孫が「面白社会教育」の副読本を持って帰った。読んでみると希望に満ちた将来の社会が紹介されているが、少子高齢化、人口減少の評価が入っていない。孫たちが大きくなる社会はどうなっているか。過疎化した社会、自給自足、物に循環をしっかり教育する必要はないか。人生後半は人口減の社会に足を突っ込んでいるのだ。

教職にある娘が嘆いていたことがある。「これからどんな職業がいいのか」と問われても「答えることが難しいのだ」という。

人口減のメリットもある。競争力の関係で今まで挑戦できなかった大学に挑戦することもできるのだ。

今から人口が今の半分になった街の様子を想像してみないか。

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