2020年1月22日水曜日

金融政策決定で「現状維持」が一番安心な日銀、踏み出さずFRB,ECBの様子見か


米国・トランプ大統領の外交で何が起きるか分からない世界経済にあって各中央銀行は自国の景気下降局面への対応に四苦八苦の状態だが、日銀の黒田総裁も「現状維持」が日銀にとっては一番安心な政策決定であり、一歩踏み出さずFRB, ECBの様子見に出た。

「現状維持」だが後退局面の恐れがあると、「躊躇せず追加緩和に踏み切り」というが他の中央銀行のように量的緩和縮小、利上げをしたことも無く量的緩和を継続、金融政策もマイナス金利の採用になったが、一向に好転せずむしろ銀行経営悪化の副作用が目立ってきた。

物価2%の目標達成は程遠い状況だ。2%はグローバルスタンダードというが、IMF専務理事が各国の状況に応じ「拘る必要はない」とコメントしたほどだ。

日銀は日本経済を「底堅く、景気は拡大基調が続く」というが、成長率は1~0.9%の上昇だが、物価は1~1.4%の下落を予測している。

成長率が物価を押し上げないのだ。アベノミクスは成長率が上がれば物価も上がると見ていたのではないか。それだけデフレマインドが強いということか。だとしたら、物価2%を目指す政策の見直しが必要になる。

FRBは昨年、見直しに言及したがどうだったのか。日銀も昨年、総合的な検証の必要性を説いていたが、どうなったか確認はしていない。

わが国の異次元の金融政策の必要性は自民党政権になったときの安倍総理がリフレ派経済学者の主張を取り入れて金融政策に応用するよう、時の日銀総裁の首を切って黒田総裁を任命した。その後政策委員にもリフレ派を登用し今は全員がリフレ派だ。

政策委員は各地の講演会で「量的緩和の強化」を訴えているという新聞ニュースを見る。

だから、安倍総理がアベノミクスの第一の矢で異次元の金融緩和を謳っている以上は安倍総理の意向が大きく影響する。昨年の国会審議で「何時まで続けるのか」と問われた安倍総理が「私に任期中にめどをつける」と発言したが、「日銀・黒田総裁に任せている」とも付け加えていた。決して日銀の専決事項ではないのだ。

日銀が量的緩和にもたもたしている間にFRB,ECBは緩和縮小、利上げに舵きりしたが再び利下げ、量的緩和に逆戻りする動きも出てきた。FRB議長はトランプ大統領の執拗な利下げ要求に抵抗し、更なる利下げはないと宣言した。

黒田総裁にも、安倍政権と一歩距離を置いた姿勢が必要ではないか。

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