2012年11月30日金曜日

2012年・政権公約:これでも第三極を支持するか


各党の政権公約が出そろってきた。これでも第三極を支持するか。日本維新の会の石原さんは政権公約発表の席で「小さなこまごました政策を話しても仕方ない」と言うが、新しい政党が乱立しては、合流し消えていく今回の衆院選だ。その政党がどんな考えを持っているのかは知りたいところで、ついつい政権公約に目が行く。

2009年の民主党マニフェストは人気取りでの大風呂敷の政治課題は、その3割しか実現せず、野田総理が政治生命をかけた消費税増税はマニフェストにも記載されていなかったことで、マニフェスト違反と追及され通しで民主党政権の凋落の要因になった。

そしてそれが政治不信をかき立てもした。マニフェストより(政権)公約という用語が目立つのも当然だろう。

特に新しく第三極に加わった政党の政策は気になるところだ。

みんなの党の公約(アゼンダと言うらしいが)は、今までよく見るし、他党との合流話でも「政策の一致」を第一義とする姿勢を崩さない事に信頼が置けるし、国会審議でも党の考えには共感できた。

問題は「日本維新の会」と「日本未来の党」だ。

「日本維新の会」は橋下「旧日本維新の会」と石原「太陽の党」が小異を捨て大同団結で急遽合流した党で、それぞれの党の公約もあって合意に至るまで変節を繰り返した。昨日のネットによる党首討論にも参加しなかった理由がわからないでもない。出て発言すれば整合性が保てないのかもしれない。

メデイアの報道によると、橋下さんは「大きな方向性を示すのが政治、詳細を作れといっても政治家には出来ない」と言ったり、公約の実現性を問われて「まだまだ議論の余地はある」と、これからも変わる可能性をにおわした。

さらに驚いたのは「骨太2013~2016」だ。官僚では絶対に書けないセンターピンを示したと言うが、何故か自民党政権時の小泉政権を思い出す。ブレーンの一人である竹中さんが関わっていると知って納得出来た。

大阪維新の会か、大阪府・市のブレーンとして多くの顧問団が関わっていると聞く。党の外観は新しそうだが、中身は何か古そうだ。

おまけに、その顧問団も離散しているようだ。脱原発でギクシャクし顧問だった飯田さんが維新の会を離れて、今度新しく立ち上げた「日本未来の党」に加わった。

飯田さんはエネルギー問題の専門家らしいが、「「脱原発」では、実施に向けたプログラムはまだ持っていない」とテレビで橋下さんが言っていた。だから新党の売りである「卒原発」も実施行程はまだないのだろう。

その「日本未来の党」も、政策、政局では小沢さんの力を最大限利用するという。事務局も党役員も小沢さん丸抱えの様相を呈してきた。

当初、小沢さんの関与はないと否定していたはずだが、嘉田さんは全面的に小沢さんに頼るようだ。

行財政改革、子育て支援、教育支援など何故かしら2009年の民主党マニフェストに酷似している。民主党政権が見直しを進めているマニフェストを姿を変えて「日本未来の党」で挑戦しようとしているのだろう。

民主党の安住さんは、「財源をどうするのか。私たちと同じ失敗を繰り返すのか」と新聞で批判している。

しかし徹底した行財政改革、無駄の削減をやるというのだから、民主党とは違った結果が出てくるかもしれない。

ところで、「日本維新の会」にはがっかりした国民も多いのではないか。一方、「日本未来の会」には小沢さんが加わることで新鮮さはなくなり、賞味期限の切れた政党の感がしてくる。

これからも新しさを求めて、いろんな公約、公約内容の変更が打ち出されるだろうが、こんな第三極に期待が持てるのか。

メデイアのポピュリズムに乗せられず、各選挙区の候補者の公約を一度はチェックする必要があるのではないか。

2012年11月29日木曜日

「日本未来の党」結成:3分化する第三極、選挙後の政界再編狙いか


3党が合流し、新党「日本未来の党」として第三極に加わった。安易過ぎる野合と思われても仕方ないが、何故か「選挙後の政界再編狙い」の感がぬぐえない。一方、みんなの党は日本維新の会との合流を断念し第三極は3分化する結果になった。

公示間近の急ごしらえで、みんなに参加を呼びかけたと言うから政権公約の摺り合わせなど二の次で、「数は力」の発想での結党だろう。

嘉田代表の主張する「卒原発」も、電力の効率化、発送電分離、再生エネルギーなど総合的に考えて10年後にゼロを目指すと言う内容だ。「脱原発」ではいろんなニュアンスで記され、政権に近いほど玉虫色の表現になり、政権に遠いほど原発ゼロだ。脱原発に特化出来る政党ではない。

同時に発表された6項目の主要政策も「卒原発」、「全員参加型社会」、「安心、安全社会」、「脱増税」、「脱官僚」、「品格のある外交」で表現はチョット違っても代わり映えしないが、嘉田さんは女性らしくサイレントな女性、若者の声を党内に取り込みたいと全員参加型社会を謳う。

が、如何にせん、国民の生活が第一、減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の寄り合い所帯だ。各党の主要な政策を持ち寄っている。

「小沢さんの影」を心配したり、批判する向きもある。嘉田さんは、最後は自分が決めるとキッパリ否定したが、そこは小沢さんだ。額面通りに信じるものはいない。

「この指とまれ」と言うからには、弱小政党に埋もれず、選挙後の再編の主導権を握ろうとしているのではないか。

ところで、嘉田さんの関係で気になる記事が目に付いた。

滋賀県知事に担いだNPO法人の人が「周りのみんなの支持で知事になれた。今、自分の力を過信しているのではないか」と批判的な発言をしていることだ。

琵琶湖の保全までは良かったが、福島第一原発事故から「脱原発」を唱えるようになった。大飯原発が事故でも起こせば放射能で琵琶湖が汚染され、京阪神の飲料水が危機に瀕するから当然の結果だ。

ところが、脱原発で日本維新の会が当てにならないと分かったから、自ら国政に打って出たのだろう。

初期の支持者の信頼を裏切り退いていった政治家がいる。長野県知事だった田中康夫さんだ。

地元銀行のトップに請われて知事に当選したが、段々我が出てきて議会などと対立するようになり、国政にも足を突っ込むことで混乱を招いた結果、支持者が離れ田中さんは長野から離れていった。今は渡り鳥政治家だ。

「日本未来の党」も今は第三極として騒がれているが、選挙の結果惨敗となれば皆散っていく。勝ち上った者で政界再編に向け主導権争いが繰り広げられる。小沢さん、亀井さんがいればそうなるに決まっている。

「日本再生」に向け、第三極に何を期待するか。

2012年11月28日水曜日

円高から円安基調へ:安倍効果か、日銀の政策か


7879円台の円高基調から82円台の円安が続いている。安倍総裁の金融、経済政策が効果を発しているのか、それとも日銀の金融政策のためか。自民党安倍総裁は、デフレから脱却するために思い切った金融緩和をし、円高を是正していくと言えば、民主党は日銀と連携していくと言い、その日銀は自民党が政権公約に掲げたインフレ目標導入に否定的だ。

今まで、77~76円台に円高が進むと、政府は為替介入し、日銀は様子見をしながらもさらなる金融緩和を実施、9月、10月は連続で金融緩和を強化し78円台を保ってきた。

ところが、安倍総裁が、建設国債の日銀買い入れ、物価上昇率目標2%、日銀法の改正などを打ちあげると市場は反応し、円安、株高傾向に転じ、今は82円台前半で推移し、株は9400円台にはいった。

欧州経済、米国経済に大きく影響されるために、この状況が今後も続くかどうかはわからないが、今のところ誰が見ても安倍効果と思った。

ところが、日銀・白川総裁は、円高の悪影響を意識して金融緩和をやっているとしながらも、安倍総裁の金融、経済政策を「現実的でない」と批判した。

野田総理、民主党は政府・日銀が一体となってデフレ脱却を強力に推進するといい、通常国会で大規模な補正予算を組むという。安倍総裁が言っている建設国債の日銀買い入れなど従来とは次元の違った政策には反対している。

財界でも、経団連会長は「建設国債の日銀買い入れ政策は、禁じ手で無謀すぎると批判する。安倍総裁が「自分の発言で相場が円安、株高に動いた」といえば、米倉会長は「安倍総裁の発言で動いているとは思えず、円安は日銀の緩和策の成果だ」という(朝日新聞2012.11.27)。

本当のところはどうなんだ。

我が国だって政府財務残高は1000兆円、対GDP比でも200%を超え、先進国でも一番悪い状況にありながら円高とは、余程他国の状況が悪いのか。

政府の単独為替介入も、一時の効果はあったが長続きはしなかった。それでも、市場に警戒感を持たせ、これ以上の円高を回避させる効果はあっただろう。

国会審議で、日銀が実施する金融緩和に効果があるのかどうか聞かれた日銀・白川総裁は「その時、その時で状況は違うが、効果があるものと考えて実施している」と答弁していた。

デフレ脱却策でも、リーマンショック後、欧米は通貨量を2.4倍に増やしたが、我が国は1.5倍で低い水準だと言い、デフレ脱却が進まない要因に挙げる(松原前衆議院議員談 2012.11.27.東京・JR五反田駅での野田総理街頭演説にて)。

国会審議でもマネタリーベースでは、欧米各国はリーマンショック後大量に増やしているが、我が国は僅かな増加だと日銀を批判するが、白川総裁は対GDP比でみると我が国の方が高水準だと抗弁する。

日銀・白川総裁が、名古屋市での講演で、「強力な金融緩和が円高への一定の歯止めになっている」と発言した報道(朝日新聞 2012.11.27)を見て、「デフレ脱却の道筋」(名古屋での経済界代表者との懇談会における挨拶 日銀 白川総裁2012.11.26)を日銀HPから開いてみた。

それによると、欧州危機は極端な事態に発展するリスクは後退したが緩やかな景気後退局面に入っている。為替レートを見ると、円高化した水準で高どまっており、企業の海外進出の動きが強まっており、根強い円高傾向がそうした動きを加速している面もあるという。
これは、企業の海外シフトの加速や中長期的な成長期待の低下につながり、我が国経済に負の影響を与えることを懸念して、強力な金融緩和を推進しているという。

最近の金融政策運営では、当面消費者物価の前年比上昇率1%を目指し、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と資産買い入れなどによる強力な金融緩和を続けることを約束している。これらの政策は、政府による為替介入と相まって、円高への一定の歯止めとして作用していると考えているようだ。

円高への歯止めに効果があったとしても、円安への効果ではない。

良く議論になる物価上昇率でも、安倍総裁は物価上昇率2~3%を掲げているが、日銀は、「物価上昇の目処は1%台が現実的」という考えを変えていない。政府による成長力強化が実を結べば1%より上がってくる可能性があるともいう(産経新聞 2012.11.27)。

その経済成長率については、潜在成長率は就業者数の伸びと付加価値生産性の伸びからなるという。就業者数の伸び率はー0.6%、2020年でもー0.8%と減少幅は拡大している。付加価値生産性も比較的良好な時期でも+1.5%で、これから考えても先行きの潜在成長率は1%以下だという。

政府や自民党は名目3%の成長率を目指していることを考えると、早期にデフレから脱却し、物価安定のもとでの成長路線に復帰するには、「成長力の強化」と「金融面からの後押し」の両方が必要だと言い、企業は付加価値の高い商品、サービスを提供しなければならないのだ。そして、金融機関は資金面からサポートする。政府は、思い切った規制緩和などで企業が挑戦しやすい環境を整備することが何よりも重要だという(デフレ脱却の道筋)。

デフレ脱却、経済成長は企業、金融機関、政府、日銀それぞれが約束を果たすことが必要であるが、今は日銀の金融政策に過度に頼りすぎではないか。

安倍総裁の金融、経済政策に市場が反応するということは、政府の規制緩和、日銀の金融政策にまだ不満があるということではないか。

2012年11月27日火曜日

街頭演説:野田総理、五反田で「前へ進むか後退するか」訴える

街頭演説する野田総理
JR五反田駅東口
2012.11.27
27日午後、野田総理が五反田で街頭演説し「前へ進めるのか、残念ながら後退するのか」と訴えた。今回の選挙では、「古い政治に戻すのか、社会保障、経済、外交、政治改革を前へ進めるのか」が問われているというのだ。

野田総理は、5つの政治課題について、「前へ進めよう」と聴衆に訴えた。

社会保障では自民党は年間2200億円カットした。維持するには年間1兆円がかさんでくるからひずみも出てくる。1兆円というと1万円札で100トンだ。
民主党は必要なところにカネをたて、産婦人科、小児科を立て直した。

消えた年金5000万件、2360万件を解明し1300万人分(1.7兆円)を取り戻した。

これからも改革を前に進める。

子ども支援では、大々的に後押しし、新児童手当に名前が変わったが、中学生までもらえるようにし、高校は無償化した。このための中退者は半減した。

会場に集まった聴衆
更に前に進める。

マニフェストでできなかったことは認める。ゆるぎなきものにするために一体改革に取り組んだ。現役に過重な負担を強いていたのを持続可能なものにしなければならない。

一体改革は更に前進し、みんなで支え合う。私たちに任せてほしい。


経済政策では、公共事業、バラマキは止め成長分野がどこにあるのか見直しをする。成長分野として「中小企業」を更に後押しする。

柱を定めて成長をすすめるのだ。どこに需要、雇用があるのか。企業収益を雇用につなげる。

失業率も5.4%から4.2%に改善している。バラマキでなく、種まきを私たちに任せてほしい。

エネルギー政策も前に進めるのか、後退するのか。

54基の原発で30%の原発依存だった。すべてゼロにするのは現実的でない。将来はゼロにしたいのが国民の声だ。2030年代にゼロを目指す。

原発を前に進めるのか、脱原発か。将来はゼロを目指す。

外交、安全保障では、平成21年に補正予算を組んで、6800の離島を守った。排他的管理水域は世界で6番目、体積で言うと世界で4番目、無名の島には名前をつけた。

国益に関することは、毅然とした態度で臨む。大局感を持って、外交、安全対策を進める。

冷静さを持って着々と前へ進める。

「隗より始めよ」だ。定数削減、脱世襲を先頭に立って前に進める。

野田総理の演説を聞いていると、謝罪はない。すべての政策で、「前に進める」と言う。野田民主党のキャッチコピーだ。

古い自民党時代に戻すのか、「前に進める」民主党に任せてもらうのか。ここが野田総理の訴えたいところなのだろう。

300人ぐらいがJR五反田駅東口に集まった。野田総理の街頭演説ではなく、松原前議員の応援演説なので、冷静な演説に終わった。自民党の政策をどう批判するのかと期待していたが、この点は残念だった。

「頑張れ」の声もかかっていた。



 

2012年11月26日月曜日

政党選択の自由:政策軸か、人物本位か、それとも党首か


組織で推薦し候補者を指示されれば楽だが、政党選択が自由となれば、その基準は政策軸か、人物本位か、それとも党首の顔か。14あった政党が、新聞報道では「脱原発」で、まだ新しい新党結成・合流の話があるらしい。議員の生き残りとキャステイングボードを握る第三極を狙っての構想だ。

明日27日には各党が政権公約を発表するという。合流でいろいろ変わってきている公約の内容であるが、言えることは、政権に近いほどニュアンスが曖昧になり、政権に遠ければYESNOがはっきりした内容になっているのではないか。

メデイアの世論調査では、必ず「投票先を決めるとき、政党の政権公約、マニフェストの内容を、重視しますか」という設問がある。

2012.11.26の讀賣新聞世論調査では、非常に重視する12%、ある程度重視する63%、余り重視しない19%、全く重視しない4%、答えない1%と言う結果だった。

電話で「マニフェストを重視しますか」と聞かれれば、政権公約が問題になっているのだから、「ある程度重視する」と答えた方が無難という考えはあるはずだ。だから結構この設問にYESという人の割合は多い。

労働組合など組織に属している人たちが多いはずだが、そういった人はどこにYESと答えているのだろうか。「余り重視しない」になるのか。

それにしても、これほど政党が乱立すると政党選択も迷ってしまう。

メデイアによる各政党代表出席の討論会でも、必然的に発言が自民、公明、政権党の民主に偏りがちで、埋没を心配する政党から「発言させろ」という不満の声が上がる。司会者は「後で発言してもらいますから」とその場を処理する。

弱小政党の政権公約まで聞いて政党を選択するのも大変だ。

大まかに基準を作るとすると、「保守」か、「革新」かで分類できるが、民主党のように「中道」「中庸」もあって曖昧な点がある。

もう一つは米国の大統領選で言われた「小さな政府」か「大きな政府」かだ。
でも政策軸よりもっと簡単にやっているのは、「候補者人物本位」や「期待できそうな「党首」は誰か」ではないのか。

人物本位と言っても、どぶ板作戦で候補者に握手されれば、それで決まりという事もある。握手したこともなければ、どういう判断で人物を見ているのか。

「党首」の効き目は大きいだろう。「選挙の顔ではない」、「その顔では選挙に勝てない」でいじめられる党首も多い。気の毒なことだ。

今、積極果敢に経済政策を発表し円安、株高に導いている自民党・安倍総裁も憲法改正、「国防軍」発言でタカ派のレッテルを貼られている。野田総理は「前へ進むか、後戻りするか」で国民に選択を迫っているが、国民は「民主党は期待外れ」と思っている。

第三極を目指す日本維新の会の橋下さんは「民主党はダメ、ダメだった自民党に戻るのか」と訴えるが「では、維新の会で大丈夫なのか」と問いたいぐらいだ。発信は軽快であるが、その言葉を理解するには、「じゃんけん」発言のように解説が必要になる。

タカ派色を強める安倍総裁に対して、今一番真っ当な発言をしているのは、山口代表ではないかと思うが、残念ながら公明党の代表だ。

さらに残念なことには、田舎、地方都市の選挙区では、自民党候補者は必ずいるが、民主党、日本維新の会の候補者はいない場合がある。

意に沿わぬ時は棄権するのか。これでは投票率が上がるわけがない。

1票の格差」問題で違憲判決が出て改善せぬままの衆議院選の「差し止め訴訟」が棄却されたが、投票率を上げることの方が大事なのではないか。

街頭演説:安倍総裁、亀有で訴える

安倍総裁の街頭演説
JR亀有駅南口
2012.11.26
自民党・安倍総裁の亀有駅前での街頭演説を聞きに行ってきた。直に国民にどう訴えているのか知りたかったからだ。当日はあいにくの雨で人出も少なく2~300人といったところか。安倍総裁の演説も少し控えめに映った。

開口一番、安倍総裁は「今回の選挙は、信頼を取り戻せるかどうか」がかかっていると切り出した。

まず、経済政策の話では、デフレ、円高で希望が見い出せないでいる。物が下がり、収入が下がる。汗をかいて頑張っても円高で仕事を失っていく。日本から企業は出ていく。

それを止めるのが、自民党で政策では民主党と違って大胆な政策を打ち出し、2%の緩やかな成長へ世界が喜んでくれる成長戦略を作る。

その(成長)分野に資金、人を投入する。元気で長生きできる分野、医療、医薬だ。

自民党はスーパー・コンピューターを神戸に作る約束をし、世界一になったが、今はNO3だが、アルツハイマーやパーキンソン病など難病の研究開発に使っている。

雨の中を集まった聴衆
バス乗り場に接しているので、バス
が入ってくると姿は見えず、声ははっ
きり聞こえない。テレビクルーは急いで
場所を移動していた。
健康と富を生み出し、若い人が希望を持てる社会をつくっていく。

いじめの件数も倍増し14万件に達した。誰が責任を持つのか。教育委員会改革をやらなければならない。日教組により支配されているので政策も出てこないのだ。

外交も敗北の3年間だった。最低でも県外でギクシャクした日米同盟関係を取り戻していく。日本が外国に侵略された時、若い米兵が戦ってくれる。

だから信頼を取り戻さなければならないのだ。国益を守り日本を守ることだ。

約20分の間に、経済政策、成長戦略、いじめ問題、外交問題を訴えて終わった。もっと民主党批判をすると思っていたが、紳士的な演説で終わった。

その分、前座で平沢・前衆議員が民主党の批判をやり、自民党への支援を訴えていた。

ここ亀有は、50年前に2年間ほど暮らしたことがあるが、すっかり変わった。

何故、亀有で安倍総裁が街頭演説したのか。おそらく、平沢前衆議員の強い要望なのだろう。前回の衆議院選で、自民党がボロ負けしたが、ここ葛飾区は唯一自民党議員が議席を確保した実績がある。

明日27日は、JR五反田駅前で民主党・野田総理の街頭演説がある。時間だ許せば聞きに行こうと思っている。






2012年11月25日日曜日

党首発言:佳境に入った選挙戦前夜?


乱立気味の政党、政党合流でめまぐるしき変わる公約、そして大胆な政策を発表する安倍総裁を野田総理が批判し、それに安倍総裁は応戦する与野党逆転の様相を呈し、日本維新の会の橋下さんもキャスチングボードを握ろうと、合流話に「じゃんけん」という政治決断を持ち出した。

野田総理、日銀の金融政策では一向に改善が見られなかった円高、株安が、安倍総裁の成長戦略で市場が反応し、円安、株高へ展開するようになった。一時の市場の反応という見方も捨てきれないが、野田総理の経済政策にNOを突きつけたようなものだ。

25日のテレビ朝日の報道ステーションSUNDAYはおもしろかった。生出演と言うが、別々の出演だ。

最初に出演した野田総理が、安倍総裁の経済成長率3%、日銀の資産買い入れ枠無制限、建設国債発行、日銀買い入れ政策に反論した。「現実的でなく、行き過ぎたインフレの危険もある」というのだ。自衛隊を国防軍にする話も、憲法改正がいるのでその行程がはっきりしないという。

次に登場した安倍総裁に、キャスターが野田総理の考えを投げかけた。

国防軍については、憲法改正が発議できる両院で2/3の議席を取ってから憲法改正へ持って行くという内容の反論をしていたように思う。

経済成長3%になると、その正当性をエール大学の浜田教授からのメールで説明した。

それによると、日銀法改正以来、金融政策が不十分で、デフレ、円高の状態が続いているのだから金融拡張は当たり前の処方箋で、野田総理の考えは非常識だという。政策手段としてはインフレ目標が望ましく、4%までは良いという説もあり安倍総裁の2~3%は適正な数値であるという。

そしてデフレ脱却には、日銀が国債を大規模に買い入れれば良いが、短期国債でなく、長期国債、社債、株式の買い入れも必要になると言う。

日本経済の成長は、緩やかなインフレと共存しての結果であり、デフレを克服するとハイパーインフレの危険があるというのは脅しだというのだ。
国会でも日銀の大規模買い入れが審議されたが、政府、日銀は拒否した経緯がある。

ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授も、「こういう時期は財政出動で景気を刺激せよ」というが、各国政府は緊縮財政しかしないとぼやいている。

今までの野田政権、日銀の金融政策は効果がなかったのだから、ここは大きく政策転換をしてみても良いのではないか。野田総理はインフレの行き過ぎた例を挙げるが、そんな心配はないという識者も多い。

一方、第三極を目指す日本維新の会の橋下さんの言動が批判にさらされている。

選挙区で競合する結果になった「みんなの党」と合流したい橋下さんは、選挙区調整を「じゃんけん」で決めても良いと言ってしまった。

これには、各党がかみついた。

それを見て、橋下さんは「言葉のセンスがない。理屈で決めなくても最後はまとめましょうよ」というメッセージで、どっちを取ろうかという政治決断を「じゃんけん」と言ったそうだ。

「日本維新の会」のくるくる変わる公約、橋下さんの言葉には惑わされるばかりで、こんな「日本維新の会」に国政の一翼を託せるのかと不安になる。

「民主はダメ、ダメだった自民に戻るのか」と問われても、「では日本維新の会は大丈夫なのか」と問いたくなる。

今は何を言っても大丈夫と思って各党首の話も佳境に入った選挙戦前夜であるが、公示日までにしっかりした政策を出さなければならない。

宮城県沖でM3~5の地震相次ぐ

10月24日、10時30分
宮城県沖でM4.8の地震
発生
気象庁地震情報

宮城県沖でM3~5の地震が相次いでいる。241759分頃千葉県北西部地震が発生したことで、最近1週間の気象庁地震情報を見た。気になることは宮城県沖の同じ場所で18日から24日にかけ、6回も地震が発生している。1824日は1日に2回も発生しているのだ。

震源域はいずれも宮城県沖で、18日は1129分、M3.8、震源の深さ50km、震度1。2211分はM4.0、深さ40km、震度1。20日は2128分M3.6,深さ50km、震度2。22日は、242分、M4.8,深さ50km、震度24日の1回目は521分、M5.2,深さ60km、震度4。2回目は1030分にM4.8,深さ60km、震度4で段々震度も大きくなっている。

地図で確認すると、志津川湾沖30km付近らしい。

この付近は、政府の地震調査委員会が宮城県沖地震として、M7.5~8.0規模で20年後81%、30年後98%の発生確率を出している(地震列島 ここが心配 朝日新聞 2001.5.16)。

地震列島 ここが心配
朝日新聞 2001.5.16
いつ発生しても不思議ではない地震の震源域で多発しているのだから注意を要するだろう。昨年の3.11大震災の震源域と考えられたが、場所が違うことから早期に否定された。

大地震の前には小さな地震が多発すると言われているが、宮城県沖地震に要注意だ。

「刺客」戦術を拒否し、劇場型政治から脱却を


政党の「刺客」戦術を拒否し、劇場型政治から脱却して冷静な判断で国政を託せる人材を国会へ送れないか。`民主党の刺客戦術が激しさを増してきた? 離党し他の党から立候補した候補者の当選を阻止するために民主党の意に沿った刺客を送っているのだ。

山梨1区で民主党を離党し、日本維新の会から立候補した小沢元環境相を刺そうと野田、輿石・民主党執行部は官房副長官を送り込んだ。新聞報道によると小沢さんは「僕を殺しに来ている」と言ったそうだ。

政治の世界が、暴力団抗争の様相を呈してきた感がする今の政界だ。

他にも「国民の生活が第一」が、野田総理の選挙区に他の選挙区から女性候補を鞍替えさせたり、政党入り乱れての生き残りをかけた政界抗争が続いている。

民主党の党内抗争、第三極への対応、各党の思惑がからんでいるのだ。

よく考えてみよう。今そんなことで政界での殺し合い、主導権争いに乗っている時なのか。多くの選挙区では、まじめに選挙を戦おうとしているのではないか。

小泉さんの「郵政民営化是か非か」を問う選挙で「オレは殺されてもいい」と決死の覚悟を示し、自民党の反対者には「刺客」を送り賛否をはっきりさせた小泉劇場の小型版を見ているようだ。

否、小泉さんの時は党内抗争だったが今度は党間抗争なのだ。もう止めないか、そんな不毛なことは。

今度の選挙では、「刺客」となった候補者、送り込まれた候補者への支持は止め、劇場型政治から脱却しよう。

 メデイアにも乗せられたポピュリズム(大衆迎合)から脱却し、国民(有権者)はまじめな判断をするのだと言うことを政治屋に見せようではないか。

2012年11月24日土曜日

党首の批判の応酬:整合性された論戦になっている


公示日が迫り各党党首の論戦が激しさを増している。民主党野田総理が安倍総裁の政策を批判すれば、安倍総裁がそれに応戦する。相手党との争点の違いを鮮明にする意図だろうが、訴えている政策と整合性されているのか。追求されれば、苦し紛れの言い訳になっていないか。

説明不足で誤解を与え、それがそのままメデイアが報道すれば有権者は困ってしまう。

政権交代したところで、今度は国会審議で選挙戦での発言の食い違いを追求され、また言い訳をしなければならなくなる。

極端なことになると政権公約違反で民主党の二の舞だ。

一方、第三極結集を目指し公約が変わってきている日本維新の会が、選挙区で候補者が競合する事態になり、みんなの党と改めて合流を持ちかけているとメデイアが伝える。みんなの党はアジェンダに違いがあり合流は否定しているようだ。当然のことだろう。

やっぱり日本維新の会は、当初の通り独自の候補者で選挙戦を戦い、その後再編へ向かうべきだったのではないか。キャスティングボードを握りたいために、欲が出てきて合流の手段に出た。何か墓穴を掘った感じだ。

各党は、違いを出すために政策のニュアンスに違いもあり戸惑うばかりであるが、同じ政策でどうして素直に認め合わないのか。主要政策ではYESNOで割り切れないところもあるが政権に近い党ほど曖昧な表現になっている。

これから論戦は激しくなるだろう。自民は反民主、民主は反自民では先の選挙と同じだ。

選挙が終われば「ノーサイド」で、民・自・公の3党協調路線を進むのか。それはすべての政策ではなく、限られた政策になるのか。

整合性のある政策、論戦であってほしい。

2012年11月23日金曜日

経済活性のビジネスチャンスは、金融緩和より規制緩和?


経済活性化のためには、金融緩和より規制緩和でビジネスチャンスを創出する事が近道か。政府はより一層の金融緩和を要求するが、財界、日銀は市場に資金はダブついている。むしろ政府による規制緩和が必要だという。政府、財界、日銀はしっかり話し合いしていないのか。それとも政府は官僚の圧力で、規制緩和をする力がないのか。

朝日新聞(2012.11.22)で三井物産会長で日本貿易会長でもある槍田さんの「経済活性化には規制緩和を」の記事が目に付いた。

それによると、商社もずいぶん金融事業をやった経験から言うと、もっと資金があれば成長するというビジネスは今は見当たらないという。商社金融をかっては盛んに進めたが、今は強いニーズを感じないという。

そして、金融緩和には限界があり、今後は規制緩和などで新しビジネスチャンスを広げる方が近道だと言うのだ。

これは日銀の白川さんも常に指摘していることだ。

白川さんは、金融政策には限界があり過度の期待は禁物だ。今市場には資金がダブついている状態で、むしろ規制緩和などで対応しなければならないというのが持論だ。

だから資産買い入れ枠も小出しの政策をとって外部からの圧力を交わしているのだろうか。

一方、政府は日銀と協力してデフレ脱却に当たると言うが、その手段は日銀に更なる金融緩和を要求するだけだ。安倍総裁も無制限枠や日銀法改正をにおわせて日銀に圧力をかけている。

しかし財界の見方は、規制緩和が一番の近道だという。

政府はこの声をどう聞くか。

日銀のせいにせず、政府は政府で積極的な規制緩和をすべきだと思うが、一向に規制緩和のニュースは流れない。どんな規制緩和がビジネスチャンスに結びつくのか。

そして、それは官僚の利権が絡み推進できないのか。もっとしっかり国会で議論出来ないのか。事業仕分けと同様に規制緩和も議論すべきだ。

規制緩和にも問題がある。「民間で出来ることは民間で」というが、なかなか進まない。一方で、タクシー業界のように規制緩和で参入業者が増えた結果、タクシー従業員の収入は大幅減となった例もある。雇用創出か収入確保かの問題もあるし、観光バス会社のように過当競争でで安全を疎かにすることにもなりかねない。

規制が必要な理由もあるだろうが、国民の安全を確保しながら出来る緩和はやっていくべきだ。

新しい政権はしっかり規制緩和に取り組むべきで、それもやって日銀と協調すべきである。

総選挙:政党より人物本位か

国会議事堂内

新党乱立で誰に投票するか、今回は人物本位で考えるか。どの候補者なら年間経費1億円支払っても良いかと言うことになる。減税日本が合流宙ぶらりんになり、これで新党結成も終わるかと思ったら、亀井・山田グループと減税日本の合流が決まり第三極も4党が加わり二分化されるという。

今の小選挙区制では少数政党は不利と言うことで、生き残りをかけた規模の拡大を狙っているのだろう。

しかし気をつけなくてはならないのは、選挙公約が少しずつ変わってきていることだ。日本維新の会も「太陽の党が合流したことによりオリジナルから変わるのは仕方ないことだ」と変更を弁解する。石原さんを取り込むことにより、本来の維新の会の公約との違いが目立つ。後々トラブルの原因にもなりかねない。

一方、既成政党の政権公約もTPPでは、支持団体の意向、支持を受けようとすると表現が曖昧になって来ている。交渉参加を加速させようとする野田・民主党でも異論があるようで、党公認の前提となる誓約書を巡っても解釈がまちまちだ。

誓約書に署名し公認を得た川内さんが、TPPには反対で「党内に反対論がなくなることは恐ろしいことではないか」とテレビで発言していたのを聞き、まともな考えの人もいるんだと感心した。

自民党の安倍総裁だって、大胆な経済成長戦略を発表したが、反対意見が大きいと見ると「そうはいっていない」とトーンダウンする有様だ。

脱原発では、原発ゼロ、10年後のゼロ、新設禁止、新しい供給体制の構築、2030年代までに原発依存をゼロ、3年以内に再稼働の可否を決めるなど各党で考えが様々だが、政権に近い党ほど脱原発を先送りしている。

また、脱原発に特化する政党も出てきたが、政治は全体のバランスだ。特化する党が特定団体を除いて支持されるとは思えない。

各党の政策も絞りきれず似たり寄ったりで、候補者は前職、元職、新人、生き残りをかけた移籍組、離党組と経歴は賑やかだ。既成政党以外は経歴説明、立候補の経緯、謝罪から始めなければならない候補者も多いはずだ。
メデイアだって大変だろう。注目選挙区の情報を流すとき、公平さを考慮すると候補者のいる各政党の情報にも触れなければならない。申し訳程度に画像を流すことになるのか。

こういった少数政党がメデイアの話題になるのは結成当初までだ。選挙戦に入り論戦が加熱してくると少数政党は忘れ去られる運命になる。

その少数政党に著名なベテラン候補者がいると、適宜持論をぶち上げて有権者に存在感を示そうとするが、そんなことは稀だろう。

結局は、人物本位の選択になるのではないか。

年間1億円超になる税金からの経費支出を認めても良いのではないかと考える候補者を選ぶことになる。

国会議員は、それぞれの選挙区の代表者ではなく、全国民の代表者なのだ。他の選挙区の人に「恥ずかしい」と思う人間を選んではいけない。地域の利権に走ってもいけない。

そのためには何を訴えているかを正確に知る必要があるが、今の選挙公報では他の候補との比較が容易ではない。

詳細な政策課題毎の一律な内容のフォームに、各候補者がYESかNOを記した一覧表のようなモノを考えたらどうか。原発、TPPにYESかNOだけでなく、他の政策にどう考えているのか知ることが出来れば、投票もしやすくなるのではないか。

メデイアの作り上げた虚像、ブランド力だけで選んではならない。最後は有権者の判断力だ。

血税から議員には年間1億円を超える経費が支払われているのだ。その価値に値する人材を国会に送るべきだ。そして定数削減などに有権者がやってほしい政策に積極的に賛成かどうか。

2012年11月22日木曜日

日本経済成長(再生)戦略:何故、国会での議論が深まらないのか


安倍自民党総裁の日本経済成長戦略が脚光を浴びているが、何故、国会審議で経済対策の審議が深まらなかったのか。自民党は政権公約を発表し名目3%以上の経済成長、物価上昇率目標2%、日銀法改正、防災、減災対策としての公共事業の10年間集中計画などを掲げた。

市場は22日午前も、82円45~50銭、株価は9331円03銭をつけ相変わらず円安、株高の状態をつづけている。

各党も選挙を控え、経済対策を争点化しようとする動きも出て、やっと日本経済の再生に向け議論が深まることが期待できる。

しかし、これらの政策課題は、先の国会でも審議されたはずだが、一向に盛り上がりがなく、政府は役人のペーパーを棒読み、日銀は従来の考えを繰り返し正当化するばかりだ。

デフレ脱却、経済成長にはインフレターゲットの設定が要求されたが、日銀はあくまで目途だという。目標にすると達成に責任を持つことになるからだ。

「日銀の政策は効果があったのか」との質問に、白川さんは「そのときそのときで状況は違うが、効果があるものと思って実施している」と答えていたが、市場が反応しないのだから効果はなかったことにならないか。それとも市場の反応以外に物価の安定で効果があったのか。

自民党の中川さんが、日銀の責任を追及していた。決定会合の議事録を見ても公開が遅いし、どの委員がどう判断したかの掲載がなく総裁が多数決で決めている。これでは各委員の責任が分からないという。

デフレ対策では、マネーの流通量が関係するが、欧米中央銀行の流通量を見ても日本は一番少ない。欧米はリーマンショック直後、大量に流通量を増やしているではないかと追求するが、日銀は対GDP比では日本が一番高い率を維持していると従来の考えを繰り返すだけだ。

お互いに自分の都合の良いデーターで主張し合っているだけだから始末が悪い。日銀には「相手のデータをどう読むか」の判断が欲しい。

また、日銀が言う事を聞かないのであれば、日銀法を改正するぞと脅して質問を終わった議員もいたが、今、自民党は日銀法の改正も公約に記している。

1998年の日銀法改正で、独立制が認められて以来、デフレ社会から脱出できていないので、日銀せいではないかと考えている輩も多い。

その白川日銀総裁の任期も切れるので、次期総裁人事が見物だ。

景気停滞脱出には、公共事業による財政出動で景気を下支えすることも一つの方法だが、財政再建と絡んで議論がチグハグになる。自民党は今後10年間で200兆円の防災、減災対策の国土強靱化を提案している。

自民党政権時代に「上げ潮派」と言われた議員が、財政出動で経済成長を促す政策を訴えていたが、安倍総裁も財政出動を考えているのだろう。

建設国債の日銀の直接引き受けを提案し、「やってはならない禁じ手」と批判されると「そうはいっていない」と発言がトーン・ダウンした。

民主党政権は財政再建で、公共事業費も大幅に削減しているが、どうなるのだろうか。

要は、雇用を創出できるかどうかだ。大企業が儲かるだけの政策は避けなければならない。

そして、消費税増税、TPP,脱原発もただの理念だけでなく、経済成長、雇用創出の絡みで議論しなければならない。

国会審議もお座なりの審議ではなく、P→D→C→Aサイクルを回し、実りある国会審議であるべきだ。

委員会審議では質問者もテレビ中継があることを念頭に、質問を補完するボードまで用意しての周到さであるが、「これはここまでにして」、「時間がないので次に行きます」、「どうしても意見が合いませんね」で終わってはいけない。

安倍さんが「従来とは次元の違ったデフレ対策」と言っているのだから、国会も「従来とは次元の違った」審議をやってほしいと思う。

2012年11月21日水曜日

民主党の踏み絵:国民の選んだ議員を排除するのか


民主党が候補者の公認の前提に党が決めた政策に賛同するかどうかの踏み絵をしようとしていることが話題になっている。209年の「政権交代してみませんか」の民意として私たちが送り込んだ議員を今度は反対する者を排除しようとしているのだ。

今、民主党では私たちが選んだ国会議員が離党→新党結成、あるいは離党したがその先が決まっていない者、そして鳩山さんのように立候補を断念する者まで出てきた。

しかし、このように党の政策に賛成できなければ公認しないという「排除の論理」は、言論、思想、表現の自由に反するのではないか。

「他の党に行け」、「新党を作れ」とは、国会議員の身分を脅かすものであり、国民の負託を蔑ろにする行為ではないか。

240人もの国会議員を、マニフェストで選んだのか、新しい政治を期待して選んだのか分からないが、本来であれば「マニフェストの原点に返れ」、「消費税増税反対」を主張し、分裂、反対し離党した議員が民主党に残り(約70人)、マニフェストになかった政策を進めている議員こそ離党し新しい政党を作るべきではないのか(約170人)。

そして、それぞれが国民の信を問うことではないのか。

離党して、「国民の生活が第一」を結成した議員が「お前たちこそ離党すべきだ」と説いたことは、あながち間違ってはいないのだ。

反対意見を排除することは、恐ろしいことだ。反対意見があって初めて、政策の真相が明らかになり、より国民のための政治に近づくことが出来るのだ。

社会保障と税の一体改革、消費税増税の審議過程を見ても明らかだ(野田総理の言う丁寧な説明、十分な討議がされていたとは言えないが)。

自民党が長期政権の座についておれたのも、党内に右派、左派、中道が混在していたからだ。党内に革新的存在がいたからバランスの取れた政治が出来た(ただし、長期政権で悪弊も目立ってきたが)。

民主党も党内反対派を排除し容易な党運営を目論んでいるのだろうが、切磋琢磨することを欠いた政党は長続きしない。

安倍総裁vs日銀・白川総裁:どちらがデフレ脱却、日本経済再生に貢献するか


安倍vs白川、どちらが日本経済再生に貢献するか。自民党・安倍総裁の大胆な金融政策の提案に市場は反応し、円安、株高が続き気を良くした安倍さんは、成長戦略拡大を目論むが、白川さんは日銀の国債買い入れを「やってはいけないことの最上位」、2,3%のインフレターゲットを「現実的でない」と反論する。次期政権へ返り咲く自民党・総裁と日銀トップの論争に注目が集まる。

「どちらが日本経済再生に役立つか」なのだ。

思えばここ15年ほどのデフレ下での日本経済は、日本の活力もそいできた。それが1998年の日銀が独立性を確保した時期とダブルので日銀の金融政策に疑問を呈することになった。

国債の日銀引き受けは、日銀法第5条で禁止されていると主張する専門家もいるが、「財政への影響の大きい国債の日銀引き受けを原則として禁じる」という規定であって、「やろうと思えば出来る」のだという説も説得力はある。

日銀の繰り出す、細切れの資産買い入れ枠の拡大、効果を見るための「様子見」、周囲からの強い要求に屈して目処としたインフレ1%などの政策が本当に効果があったのか。市場が反応したかどうかで見ると、先の11兆円に市場は反応しなかった。

規模が小さすぎるのだ。「無制限枠」が要求されているのだ。

でも、安倍さんが言うように、「輪転機をじゃんじゃん回して印刷すればいい」という表現は、財政規律を蔑ろにする危険をはらんでいる。

メデイアの報道によると、野田総理も「やってはいけない禁じ手」と批判した。

財務相経験のない安倍さんだから、財務省の呪縛がかかっていない分、大胆な発想が出来るのか。

確かにデフレ脱却には、マネーの流通量を増やせばいいが、日本は先進国一少ないという。欧米ではリーマンショック後、マネーの流通量を大量に増やしている。この点は国会でもたびたび審議されていた。

しかし、白川さんは、対GDPで比較すると先進国一高い比率だと反論する。お互いに自分の都合の良いデータで論じ合っているので埒があかない。

インフレターゲット問題も、2,3%では、取り返しのつかない経済になる危険があることは明らかだと白川さんは拒否するが、そんな事例はどこにもないと反論する学識者もいることは確かだ。

この辺をしっかり国会で審議されるのを期待しているが、いつも平行線のままだ。

ところが、これを機会に金融政策、経済再生が公約の争点になってきそうだという。

インフレターゲット、資産買い入れ無制限枠、建設国債の日銀買い入れ、日銀総裁の責任など日銀法改正などデフレ脱却、日本経済再生を政府と日銀が責任を持って進めるためにも、しっかり国会で議論する土俵を作ってほしい。

2012年11月20日火曜日

喫緊の課題はデフレ脱却:何故、総選挙で経済対策を争点化しないのか


「日本を取り戻す」「日本再生」を言うなら、喫緊の課題はデフレ脱却だろうが、どうして経済政策が争点化されないのか。政党の乱立を前に、公約として議論されているのは、消費税増税、TPP、原発への是非だ。勿論、それぞれの課題が国内経済への影響とも関連して是非が論じられなければならないのだが、声が小さい。

先日のFNNニュースでの世論調査でも分かったが、国民が望む政策は、景気・経済対策が33.6%、医療・年金など社会保障が20.6%で、いま各政党が競っている原発・エネルビー政策は7.9%、消費税増税5.9%、TPPは2.3%でしかない。

当然のことだろう。長年続く日本経済の停滞要因にはデフレ経済がある。

財政出動→経済再生→雇用創出→家計収入増→税収増→赤字財政脱出が望まれる経済再生のパターンだろうが、肝心の出だしである財政出動を財政再建と絡めて考えると、踏ん切りが付かないのだ。

緊縮政策だけでは経済はしぼんでしまう。財政再建もIMFも言い出したように経済成長と両立させる途を考えなければならないのだ。

一時、アメリカ大統領選でデフレ脱却の可能性があった。ロムニー氏が選ばれれば、ドル高、円安の可能性があったのだが、残念ながらロムニー氏は敗れた。オバマ大統領は、海外へ出て行った企業を呼び戻し、雇用を確保するという。当然ドル安で輸出を奨励するのだろう。円高傾向は変わらないのだ。

ところが、野田総理が解散に打って出たとき、市場は反応した。それまで株価は8661~8664円、ドルは79円30~90銭だったのが、15日には株は9024.16円(プラス194円)、ドルは808485銭と円安に動き、政策が野田不況だった感がしてきた。

そして、自民党・安倍総裁が15日の讀賣国際経済懇話会で「無制限の金融緩和」デフレ脱却に意欲を見せたところ市場はさらに株高、円安に動いた。19日は915320銭(プラス129円)、ドルは812829銭と円安で20日も傾向は同じだ。

消費税増税、脱原発、TPPで各党が独自色を出そうと苦労しているが、消費税増税前のデフレ脱却を謳っているのは自民党だけだ(朝日新聞2012.11.15)。

安倍総裁のヴォルテージは上がる。「今までと違う次元のデフレ脱却政策」を進めるというのだ(讀賣新聞2012.11.20)。

民主党と自民党の違いはどこにあるのか。

国会審議でも自民党は民主党政権の経済対策を批判していたが、野田総理は確か需給ギャップを例に取り自民党時代は30兆円以上だったが、今は10兆円に縮小したと反論していた。

安倍総裁は、政権につくと「日本経済再生本部」を設置して指導力を発揮すると言うが、民主党政権でも同じような仕事をする組織はあるはずだ。

安倍総裁は具体的政策として、インフレ目標を2~3%に設定、無制限の金融緩和、国内経済の下支えとして建設国債の日銀買い入れ、家計に眠っている資金を活用する無利子他税国債の発行、弾力的な経済財政運営などを上げている。

一方、政府は月例報告で4ヶ月連続で景気の悪化を認めて、デフレ脱却の道は遠いという(朝日新聞2012.11.17)。また政権内には「成熟社会に達し、もはや成長は見込めない」という考えもあり、GDP以外の指標で経済成長を計る必要性も出されていた。

建設国債の発行、日銀の買い入れ案などは、財政規律を損ねる危険があり反対も強く、行き過ぎたインフレを警戒する識者も多い。

政策課題としては新規性はないと思うが、思い切った内容になっているのは、財務相経験がなく、財務省の呪縛にかかっていないせいか。

消費税増税、TPP,脱原発とそれぞれ国の将来を決める重要課題であることに間違いないが、国内経済再生問題と絡めてしっかり議論してほしいものだ。

「日本再生」「日本を取り戻す」のは、まず雇用の創出からだ。

2012年11月19日月曜日

何故、政党が乱立するのか

何故、政党が乱立するのか。ついこの間まで15政党と思っていたらテレビのワイドショーで14政党だったことがわかったが、更に増えるらしい。メデイアの世論調査でも「どの政党に投票するか」の設問に「わからない」と答える人が半数近くになったという。

何故政党が増えるのか。

今の政党では、「自分の思っていた政策を達成できない」とか、「執行部の党運営に疑問を感じる」という理由で離党する人が多い。

一つには、政治の多様化があるだろう。候補者、政治家が「主要政策に何を置くか」があるだろう。脱原発に特化など政策に差別化する工夫がある。

また、大きな政党では自分の存在価値が小さく感じるのではないか。党内では分科会などで割り振りされるために、全体の政策や法案の審議に参加できない。国会での審議にも参加できず、勿論質問にもたてず、投票マシーンになり下がっていることへの不満もあるだろう。

存在感を出し、行動するチャンスは小さな政党しかない。

選挙区の事情もあるだろう。比例区で出て来た議員は自分の選挙区を持って政治活動がしたいだろうが、大きな政党ではそのチャンスがない。

そして、最近の傾向として「決める政治」では、民・自・公3党合意などで進めるしか手がない。

これについては、「大きい政党で決めたことに小さな政党は従え」ということかと評判が悪い。民・自の2大政党に楔を打ち込むという第三極構想がある。

「小異を捨て大同団結」が必要というが、乱立気味の小政党を結集できるかどうかは、今の「日本維新の会」を見ていると難しい感じがする。

結局は、弱小政党設立で国民に信を問うても、支持団体が小さければ消滅の危機にあるのではなかろうか。

今回の選挙は、増えすぎた政治家を淘汰する機会になるのではないか。弱小政党にあって、生き残れるのは実績もあり、政治活動を怠らなかった候補者だけだろう。

政治の多様化に応えるには、中選挙区制へ戻した方がいいのではないか。そして、議員の定数を大幅に削減することだ。


政党とは何なのか


政党とは何なのか。今、議員の生き残りをかけた離合集散が激しくなっている。支持者を放っぽりだす場合もあれば、支持者毎変わる場合もあり、政党と議員の結びつきに疑問を抱く程だ。しかし政党に属した当初は理念、政策に賛同していたはずなのではないか。

政治を志すとき、「こういう社会を目指したい」「国民のために働きたい」という初志貫徹型もいれば、政党勢力拡大のために誘われる場合もあるだろう。でも政治に携わってくると理想と現実は大きく違うのだ。なれ合いで継続する者もいれば、自分の目指した考えと違うと飛び出す者もいる。

老練さ、名声が出てくると、総理や大臣になりたいために政党を移るベテランもいる。

政権政党にありながら綱領はなく、どんな社会を築こうとしているのか分からないが、「政治主導」「自公政権からの離別」を掲げ「政権交代しませんか」で政権についた民主党の現状は哀れだ。

政権交代が可能は2大政党をめざし政策の違う野党が野合した。政権を取るまでは小異を捨て一致団結したが、実際に政権を取ると今度は主導権争い。党内各グループのくっついたり離れたりで代表、総理の座につくが代表戦の度に抗争が起き、候補者同士が握手して「ノーサイド」を宣言するが、しばらくすると別の抗争が起きる。

自民党は今、政権奪取に向け一致団結しているように思えるが、総裁選では派閥抗争を繰り広げた。

第三極を目指す日本維新の会は、民・自・公政権に対抗する勢力を作るために「小異を捨て大同団結」を謳っている。政策を異にする維新の会と太陽の党が急ごしらえの合流をしたのだから、党内対立の火種を抱えたままだ。

数人の政党でも主導権争いで飛び出す者もいれば、50人ぐらいの勢力ではまだ一致団結しているが、100人もの勢力になると政権への欲が出てきて主導権争いが激しくなる。

離党者が出ると、「我々の政党で当選したのだから、議員辞職せよ」と責められるが、辞職して党を移る者はいない。あまりにも簡単に党を移ることが出来るのにも驚く。

安易な(?)な離党劇に業を煮やした民主党は、公認の条件に公約に賛同するかどうかを確認するらしい。政策について党内のゴタゴタを回避しようという算段なのだろう。ついでに離党する場合は議員辞職する契約を交わしたらどうか。

投票では、小選挙区で候補者名、比例区で政党名(候補者名)を記すようになっている。今の小選挙区比例代表並立制では、「死票」も多く、得票数とかけ離れた獲得議席数を得ることも出来るので、知名度のある候補者をたてることで勢力を伸ばす可能性が大きい。また、小選挙区で落選した候補者が比例区で復活することも理解に苦しむ制度なのだ。

だから私は小選挙区では候補者名、比例区では別の政党を記入してバランスを計ろうとしている。

政党とは、共通の原理、政策を持ち、一定の政治理念実現のために政治権力への参与を目的に結ばれた団体だ(広辞苑)。

政党は「目指す社会」、理念を明確にし、議員はその目標に向け、国民の声をくみ取りPDCAで目標達成へ邁進する事が重要だ。

議員の政策の多様化で今、14もの政党が出来、候補者を立てているが、これほど多くなると選択の自由より混乱が出てくる。

新しい政党と言っても中身は古いか、力不足の感がほとんどではないか。

2012年11月18日日曜日

維新に太陽合流:石原さんのご都合主義で「日本維新の会」は信用できるか


大同団結という石原さんのご都合主義で新しい「日本維新の会」が発足し、第三極でなく第二極を目指すと言うが、本当に信用していいのか。あれほど石原新党と煽っておきながら、ここに来てメデイアには不安視の論調が目立つ。讀賣新聞の世論調査でも維新への投票先調査では初めて1桁に落ちた。

地方自治を経験している橋下さんや石原さんの国のがんじがらめの交付金、2重行政の話などを聞くと、やっぱり今の統治システムは見直さなければならないと思う。

石原さんの言う中央集権体制の打破は、日本再生への喫緊の課題ではあるが、切り込み口を間違うと民主党政権のように失敗する。その点、石原さんや橋下さんは分かっているから期待は出来る。

しかし、日本維新の会の他のメンバーはどうなのか。橋下さんは「僕と石原さんの間では・・・」というフレーズをよく使う。2人で決めたことを他のメンバーは、今のところ我慢しているのか。

また、石原さんのご都合主義も危うい。

とにかく「小異を捨て大同団結」で政策が少々違っても、人数を集めて勢力を作ることが石原さんの願いだった。ところが橋下さんやみんなの党は「政策が第一」の当然の主張だった。

石原さんが「減税日本」と合流を決めたときは、橋下さんばかりでなく、多くの国民も驚いたことだろう。当然橋下さんは異論を唱え、「太陽の党」との合流も可笑しくなった。そこでご都合主義の石原さんは、合流を決めたばかりの「減税日本」を切って、橋下さんの維新の会との合流に漕ぎ着けた。

河村さんより橋下さんの人気の方が大同結集には欠かせない。当然、河村さんは怒るだろうし、「みんなの党」は合流を躊躇する。

新しい「日本維新の会」の設立プロセスが、明らかになれば国民の目も「信じていいのか」との疑いの目が出てくる。

今の状態は「野合」と言われても仕方がなく、橋下さんの発信力で人気があった日本維新の会だが、石原さんの従来(都知事時代)の発信力では、人気は落ちてくるのではないか。

願わくば、投票日前までに、落ちるところまで落ちてほしい。メデイアの作り上げた石原ブランドに過大な期待は禁物である。

政党、政策乱立の選挙戦:ポピュリズムを排して、風を掴めるか


政策もさることながら15もの政党が乱立する今回の衆議院選でポピュリズムを排して、風を掴むことが出来るか。選挙に突入するとなると当初の政策もトーンダウンし争点がぼやけてくるし、第三極構想を目指す維新の会、太陽の党は合流問題で政策が誤魔化されている感じだし、選挙制度改革は姿を変えようとしている。こんな状態で有権者は風を掴むことが出来るか。

民主党のTPPは、当初野田総理は「交渉参加」を主張していたが、「国益を確保しながらTPPを進める」と表現が変わり、これでは自民党の安倍総裁が言っていたことと変わらず、争点化が曖昧になってきた。

消費税増税だって、民主党の当初の政権公約には記されていなかったが、「すべてを社会保障にあて、低所得者対策を講じる」という。これでは公明党と違わない。

「1票の格差」問題での選挙制度改革も来年の通常国会まで持ち越したが、今の小選挙区比例代表並立制では「死票」も出るし、ポピュリズムの結果にもなると言うことで、中選挙区制への改革が検討されている。

脱原発は一番争点化されていると思っていたが、内容をよく見るとニュアンスが違ってきている。維新の会と太陽の党との合意文書を見ると、何故か脱原発への対応が消えた。

注目された日本維新の会と太陽の党などの第三極構想も二転三転のめまぐるしい紆余曲折の結果、合意に漕ぎ着けた。石原さんが代表で、橋下さんが代表代行で政党名は「日本維新の会」になるらしい。心配なのは石原さんの考えが消えて、橋下さんの政策に統一されたことだ。

「小異を捨て大同団結」と訴えていた石原さんが我慢したようだ。これでは他の党から「野合」と言われても仕方ない。石原さんのことだから国会議員になったら自説を主張し、日本維新の会の内部で混乱が起きるのではないか。

一方メデイアはポピュリズムを排しようとする論調が目立つ。

朝日新聞は「熱狂政治はいらない」で、シンプルな争点を政党が掲げ、多くの有権者の熱い期待を集める郵政選挙、政権選択選挙と異様な総選挙が続いたとし、未来に責任を持てるマニフェストを示すべきだという(朝日新聞2012.11.17)。読売新聞は「マニフェスト固執の過ち」で無責任なマニフェストが生まれた背景には、選挙戦術を優先させたポピュリズムがある。その反省がなければ同じ過ちが繰り返されると警告する(讀賣新聞2012.11.18)。

何を言っているのだ。メデイアこそ小泉さんの「郵政民営化是か非か」、民主党の「政権交代してみませんか」に踊らされてポピュリズムを煽ったのではないか。そのメデイアの責任をどう考えているのか。

ところで今回の選挙はどうなるか。

民主党・野田首相は、「2013年以降の日本の舵取りを、どの方向感で進めていくか。前へ進めるのか、政権交代の前に時計の針を戻して古い政治に戻るのか。前へ進むか後ろに戻るかが問われる選挙だという(讀賣新聞2012.11.17)。

自民党の安倍総裁は、間違った政治主導による混乱、停滞に終止符を打つために全力で戦い抜く。最大の争点は、どの政党が経済を立て直し、被災地の復興が出来るかだという(讀賣新聞2012.11.17)。

一方石原さんは、ふあっとした民意はたくさんあるが、一番確かな民意は「この国は危ない、何とかしてよ」だ。中央官僚の支配体制を変えないと駄目だといい、「原発は怖い」などいろいろな民意があるが、それにこびたらポピュリズムになると警告する(産経新聞 MSN 2012.11.17)。

2009年の政権選択選挙とは少し違った選挙だろう。野田総理は、民・自・公の連立を考えているのだろうが、安倍総裁は第1党か過半数確保の自民党政権だろう。石原さんは第
三極ではなく、第二極で政権に入り込むつもりらしい。

期待できるのはどの政党か。公約もさることながら、政党の考え方から風を掴まえなければならない。