解散・総選挙、違憲より「国民に民意を問う」ことの方が国益に合うのではないか。14日の党首討論で野田総理が解散に言及したことで、政界は解散・総選挙に向け、まっしぐらと言いたいところだが、議員の右往左往、第三極を目指す政党の混乱が目立つ。
16日夕方に国会は解散になるようだが、昨日に続き政権政党の民主党は離党者続出、新たな党へ議員の生き残りをかけた行動が目立つ。「民主党では戦えない」というのだ。
一方で、今の選挙制度では「1票の格差」問題での最高裁の違憲判決に対応されていないと選挙は「法の下での平等」に反すると懸念を示す法曹関係者がいる。
野田総理の解散条件を整えるために、「0増5減」先行での民・自・公の3党合意により16日に法案の駆け込み成立がされるというが、比例定数削減は各党の思惑もあり来年の通常国会に持ち越しになった。
早くから憲法違反が指摘されていたにもかかわらず、国会の対応が遅れたことは国会の怠慢で、批判されても仕方ないことである。
でも、「1票の格差」で、全国の有権者1億数百万人の中の何人の有権者が、どんな不利益を受けているのか。今は法曹関係者が興味から問題提起しているのではないか。
ここは、大多数の有権者の国政への参加の唯一の手段である選挙を否定してはいけない。
違憲を主張するのであれば、投票率の低さ、獲得票率の低さを問題にすべきではないか。
4人に一人の支持で国会に議員を送ることこそ民主政治の危機ではないか。もちろん、有権者でありながら棄権することも権利の一つではあるが。
「決められない政治」「停滞する政治」の政局にあって、国民の判断で、このゴタゴタをクリアーし、「決める政治」へ国民の信を得た政権を作ることが先ではないか。
ところで、価値観の多様化と言っても、こうも政党が乱立し、政策がまちまちでは「誰を」「どの政党を」国会に送るか判断に迷わないか。
「これも反対」「あれも反対」と考えると、共産党や社民党しか残らないが、それらの政党は余り伸びていない。今回はどうなるのだろうか。
最後は「公約」よりも「任せられる期待」の方が優先すると思うが、民主党の二の舞だけは避けなければならない。
[後記]
東京地裁 衆院選差止め申し立て却下・・・読売新聞 2012.11.22
最高裁が「違憲状態」と指摘した区割りのままで衆院選が行われることをめぐり、東京地裁は21日の決定で、選挙の差止めを国に求めた山口邦明弁護士らのグループの申し立てを却下した。グループは東京高裁に即時抗告する。
決定理由では「差止め訴訟を提起できるとした法律の規定はない。仮に差止めを認めて国政の停滞を招くことがあれば、かえって種種の弊害が生じる恐れがある」とした。
当然の結果だろう。法曹関係者は興味本位の提訴は止めた方がいい。
むしろ今、選挙制度改革で小選挙区比例代表並立制から中選挙区制へ再改革が検討されようとしているが、こちらの方で「1票の格差」のない制度を議論した方がいいのではないか。
(2012.11.22)
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