読売新聞2012.11.5 |
大飯断層が、「活断層」か、「地滑り」かで関電・大飯原発の運転停止にも関わる原子力規制委の有識者会合の議論が注目されている。この原発の下を通っている「F-6」破砕帯が活断層かどうかを問われているのだ。そのF-6破砕帯も関西電力が従来から主張している位置が現地調査でずれていることもトレンチ調査で分かったのだ。
この破砕帯の上に非常用取水路という重要施設が設置されていることから「活断層」であれば運転停止の事態になるのだ。
読売新聞(2012.11.5)によると、4日に専門家らの評価会合が開催され、地層の動いた痕跡が見つかり活断層の疑いが出てきたが、「明らかに活断層」という意見と、「地滑りによっても生じる」とする意見も出され、「両方の可能性がある」として結論が先送りされた。
規制委による現地調査 NHKニュース7 2012.11.2 |
動いた年代は堆積物や破砕帯の断面からある程度は年代が推定できるらしいが、40万年前以降に動いた断層であれば活断層と判断すべきであるが、敷地内に活断層がないとは言えず、場合によっては再調査が必要になるらしい。
従来から関西電力の調査に頼っていたが、その関電の調査で「破砕帯の構造は活断層において一般的に観察される特徴(平滑で連続性の良いシャープな断面など)を有しておらず、現時点ではF-6破砕帯は後期更新世以降の活動を示唆するものではない」と中間報告している(大飯発電所敷地内F-6破砕帯の追加調査 平成24年11月2日 関西電力)。
活断層かどうかが問題委になっている 「F-6]破砕帯 NHKニュース7 2012.11.2 |
同じ海側のトレンチ内調査で規制委の専門家が新しく地層が動いた痕跡をみつけていることから、関電は「現時点では」と言うことは「自分たちの調査の範囲内では」ということになる。
「活断層であってほしくない」と思えば活断層ではなくなるし、「活断層ではないか」と思って調べれば「活断層の疑い」が強くなるということかもしれないが、関西電力のボーリング調査では、破砕帯が確認できた箇所もあれば確認できなかった箇所もあり判断に苦労したのではなかろうか。
地下の見えないところで地層、断層がどう繫がっているかを判断するのは大変だと思うが、今回調査した2つのトレンチは新聞に載っている地図で見る限り100mチョッとしか離れていない。
今年の豪雨による山崩れ、地滑りの報道を見ていても地滑りの範囲は数百mだが、活断層は数kmに伸びる。
陸側でもう少し離れた箇所のトレンチ調査をやるべきではないか。海側に伸びた活断層だと言うことも出来るだろうが。
活断層の疑いがあれば、その上に建つ原発は運転停止し「安全第一」に徹するのが原発の安全確保の原則だろうと思う。
しかし、現実には稼働している大飯原発である。
ここは原発の稼働の是非もさることながら、地質学上徹底的に議論すべきではないだろうか。
原子力規制委員会のホーム・ページによると、7日に有識者会合第2回評価会合が予定され傍聴が出来るらしい。
4日の評価会合の議事録が公表されているかどうか確認したが、議事次第は出ていたが会議内容まで公開されていなかった。今は新聞報道しか分からないが詳細を公表すべきである。
大飯原発では、活断層ではないかと疑われている「F-6」 破砕帯の上を重要施設である冷却用取水配管が敷設され、 国の指針に反している可能性があるのだ NHkニュース7 2012.11.2 |
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