社会保障と税の一体改革の時のような熱意はどうなったのか。野田政権の政策判断基準は、反野田派の「離党回避」なのか。野田総理の首根っこを捕らえる内閣不信任決議の成否の過半数に迫っているというから必死だろうが情けない話だ。
代表質問で「近いうちの解散」の時期を問われた野田総理は、従来から特例公債法、1票の格差問題での選挙制度改革、一体改革へ向けた国民会議の立ち上げをあげ、「条件が整えば、きっちり自分で判断する」と答えていたが、さらに「間断なき経済対策」を主張し補正予算などを上げてきた。これで野党が要求する早期解散は先延ばしの雰囲気だ。
今、解散時期に言及すれば民主党内の離党予備軍が動くとの懸念から言質を取られないように注意する野田総理だが、これで解散は先送りと見られ離党予備軍は落ち着きを取り戻すのか。
そして、原発再稼働などの是非に関連し原子力規制委員の国会承認人事で同意手続きを取る必要があるが、田中委員長は「原子力ムラ」出身と言うことで党内に反対論があり、強行すると離党者が出る恐れもあって見送ることになったという(読売新聞 2012.11.2)。
TPPに関しても、党内の反対意見に考慮し、交渉参加を正式に決定する方針を固めたことはないと言及せざるを得なかった。
増税は「マニフェスト違反」と主張する反野田派は、「その前にやることがあるだろう」と衆院比例定数削減を訴えている事もあり、解散前の環境整備に定数削減も持ち上がってきた。
そのため民主党野田政権は解散のハードルをドンドン上げて、先送りを画策していると見られても不思議ではない。
所信表明では、「明日の安心」「明日への責任」と結構な理念を掲げたが、実際の野田政権の政策は「国民のため」といいながら、「離党者」対策が優先しているのだ。
経済団体も民主党にみぎりをつけたのか、解散に言及しだした。民主党の最大の支持団体である連合はどう考えているのか。
労働者である前に一国民ではないか。民主党政権を支持することにより労働利権の維持に拘っているのか。支持団体としてこんな民主党を支持し続ける事を恥と思わないのか。
一方、自民党はここに来て、戦術の変更を決めたようだ。特例公債法の成立には協力するという。
選挙を控えての国民の目が気になったようだが、野田総理・政権は野党の妥協を引きづり出せば勝ったとでも思っているのか。
民主党内の消費税増税反対者、離党予備軍と言われている議員は早急に立場を明確にし、離党すべきではないか。
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