2012年11月1日木曜日

民主党衰退は既成事実:解散先延ばしで何を守ろうとしているのか


民主党衰退は既成事実と思われているが、野田政権は解散先延ばし戦術に出た。一体何を守ろうとしているのか。「国民の生活」か、「民主党の存続」か。31日の国会代表質問で安倍総裁から「近いうち解散」を守るのかと問われた野田総理は、特例公債法、一票の格差問題での選挙制度改革、一体改革での国民会議の立ち上げで条件が整えば、きっちり自分で判断すると答えた。

特例公債法の成立を期していることを考えると、「国民の生活」を守ろうとしていることは分かるが、難題を抱え、おまけに予算編成や追加の経済対策に踏み込もうとしている事からは、そう簡単には片付けられず、政権の延命、出来るだけ長く与党の立場でいたい気持ちの表れだ。

解散先延ばしは、民主党員にとっては願ってもない事なのだ。安倍さんの代表質問で解散に言及した時、与党席からヤジが飛んだ。安倍さんは、質問から話をそらし解散で席を失う恐怖は分かるが、静かに聞いてほしいと言ったほどだ。

こんな政局にありながら、政治は粛々と進んでいるように思える。

要は、日本の官僚組織は強固で政権与党が誰であれ、政策に継続性を持たせているから混乱も少ない。

その一方で、目新しい政策も出てこない。緊急対策と言いながらしょっちゅう対策をやっていれば政策も底をつく。苦し紛れに昔の政策が戻ってくる。

官僚のやりたい政策には、屁理屈をつけてもやってしまう。今度の復興予算でもそのことが明るみに出た。

政治が混沌としている時こそ、官僚が力を発揮するときなのだ。「官僚主導」が打破できない要因でもある。

野田政権に問題があると騒いで見ても政権の寿命は縮まるが、政策が大きく変わることはない。

そんな野田政権に「明日の安心」、「明日への責任」を託せるのか。

解散が先送りされればされるほど民主党は衰退、消滅の道を歩むのだ。

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