クルーグマン教授がクルーグマンコラム(朝日新聞2017.4.14)でトランプス氏の貿易政策を「無知、かつ無策が露わに」と酷評、政権の失態も紹介している。特にオバマ政権での貿易政策を見直すと豪語していたがトランプ政策が見当たらないという。
トランプ大統領は貿易に関する新しい大統領令に署名するつもりだったが、その内容は「中身のないハンバーガー」で赤字の原因も分かっておらず、オバマ大統領が署名した法律に重複するものだという。
おまけに署名式の場では記者から貿易の質問ではなく、フリン元大統領補佐官やロシアとの繋がりが質問され、怒った大統領は署名せずに部屋から出て行ったらしい。副大統領が残った大統領令を片付け、後で政府が署名したという。
テレビでは関係者を背に大統領令に署名、書面をテレビの方に向け満面の笑顔(?)のトランプさんが映し出されるが実情は大失態のようだ。
実業界も変化が出て来た。
選挙中は勿論、大統領になってからもツウィッターで政策を論じているが一時は自制したメキシコ移転だったが今は活発になりトランプの貿易政策は消滅の運命にあるらしい。
見かけ倒しの「張り子の虎」だ。NAFTAも全面見直しを謳っていたが、実情は微調整のようだ。
トランプ大統領が実際に政権につき、政策を精査する中で現状が分かってきて選挙期間中に約束した公約にも乖離がある事が分かってきたのだろう。クルーグマン教授は「今はどうして良いか分からないのではないか」と指摘する。
昔は「中国ショック」があった事は確かだが、今、反グローバルでは「トランプショック」になり、市民生活、雇用は混乱すると見ている。
そうなると、撤退するTPP、日米経済会話でテーマになるだろう「対日貿易赤字」の議論もトランプ政権での誤解が解ければ事態は変わってくるのか。
クルーグマン教授は「トランプトレード」は「トランプケア(オバマケアの代替案)」の二の舞になるのではないかと言っているが同感だ。
トランプ大統領の言う二国間協議も急いで解決しようとせず、相手の誤解が解けるまで辛抱強く交渉する時間稼ぎをした方がいいのではないか。後々になってトランプ政権が政策変更をするかもしれない危険がある。
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