2011年5月31日火曜日

今回の不信任案は、政策・政治手法の是非を問うのか、権力闘争か







今の政局はわかりにくい。大方の見方は「こんな時期に、そんなことをやっていて良いのか」との批判もあるが、本来は、大震災・原発事故への対応、情報公開のあり方、関連法案の成立の少なさも含めた復興・復旧の遅れ、増税なき復興財源の確保など菅政権の政策・政治手法への批判から「菅ではダメ」「菅がいては連立構想も組めない」と言うことで内閣不信任案提出が予定されているのではないのか。

だとすれば、急いで提出して是非の判断を下さなければならない。「こんな事をやっているときではない」という批判は合わない。

ところが、「嫌菅」による権力闘争の様相を呈してきては批判されるべき政局である。

また、菅総理の政局運営もおかしい。自らの外国人政治献金疑惑での窮地、政権批判を回避するために、早々と今国会会期末閉会を言いながら、野党からの「2次補正予算案提出」「国会延長」しなければ、不信任案を提出すると脅され、政権延命のためその方向で方針転換を模索している。

一方民主党内でも野党提出の不信任案に載る動きが、小沢系グループから活発になり、執行部との対立が激しくなってきた。小沢さん自身も一気に勝負を賭ける積もりはないらしく、菅総理の「自主的辞任」を望んでいるようだ。

小沢さんも「菅ではダメだ」と思っているようだが、菅政権の何処が問題で、どうして政権党内でしっかり議論せず、政局に持って行こうとしているのか。民主党内ばかりでなく、未だ「小沢頼み」の動きがあるが、小沢さんの描く政策、展望がわからない。

このままでは、干されっぱなしで我慢できず、これを機会に一気の勝負にでようとしているのか。菅さんを降ろし、民主党の両院議員総会で新しい代表を選出し、内閣を改造していく。その時は冷や飯を食っている小沢系グループの復権も目論んでいるだろう。

小沢さんが絡んでくるとどうしても権力闘争の傾向が出てくる。民主党執行部は除名などでその動きを牽制しているが、どうしても権力闘争に思えてくる。

民主党執行部も、菅政権の政策・政治手法について、両議院総会などでしっかり議論すべきではないのか。統一地方選でも惨敗しているが、その総括だって出来ていない。誰も責任を取っていない。
寄り合い世帯の民主党の脆弱さを露呈させている。

党内コミュニケーションも十分出来ず、政治主導と言わんばかりに菅総理の唐突な政策提案に振り回されるのは御免だ。

今回の内閣不信任案提出は、菅政権の政策、政治手法の是非を問うモノであって、早急に提出し、判断を下すべきである。


写真左:G8後帰国早々不信任騒動にまみれる菅総理

写真右:菅政権では復興は進まないと政策批判をする谷垣さん いずれもテレビ朝日報道ステーション2011.5.30より

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