2011年9月4日日曜日

野田新内閣の世間受けと党内不一致対策



野田新内閣の世間受けは良さそうだ。4日のメデイアの報じる世論調査の内閣支持率は、読売新聞で65%(メデイアにより50%台~60%台の差がある)、菅改造内閣の時と変わらないV字型の急回復になったが、野田内閣は融和人事、菅内閣では脱小沢が評価され、評価理由が正反対のように思える。

これと言った政策には踏み込まず、実績の乏しい内閣であるが、「何か変わるのではないかという期待」と菅内閣の最後は余りにも酷かった事からこういう結果になったのだろう

菅総理は当時、「有言実行内閣」とキャッチフレーズしたが、野田総理は「後で皆さんが付けること」と言及を避けた。菅内閣では嫌気されたパフォーマンスをさけているのだろう。地味な内閣の門出だ。

財務相の時は、何か言うと財務省のポチと揶揄された程で、今後何かあると財務省との距離が問題になる。菅さんも財政再建に取り組む姿勢を見せたが、財務相経験が徒になった。

今回の組閣では、小沢グループからの入閣、政策立案に係わった議員の入閣は、3党合意のマニフェスト見直しで窮地に立つ事も予想されるし、閣内不一致を露呈させるかも知れない。

与野党国会審議より先に、民主党内で政策を統一することが必要ではないか。 

特に民主党の看板政策であった「子ども手当」は議論を呼びそうだ。マニフェスト順守派は、「その理念」が重要だと主張するが、寄って立つ法律の目的を見ると大した違いはない。

平成22年度などにおける子ども手当の支給に関する法律の目的は、「子どもを養育している者に子ども手当を支給することにより、次代の社会を担う子どもの成長及び発達に資すること」と記されている一方で、児童手当法の目的は、「児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資する」という。

子ども手当法だろうが、児童手当法だろうが、社会全体で子どもを育てる事に変わりがないのではないか。小沢グループの反対論は、反対のための反対の域をでず、不毛な主張だ。
政策の名称を残すことが目的のように思えるが、児童手当法の改正で対応する時に、名称が問題になるのか。
更に、マニフェスト順守のための財源だが、増税はしないと言う。4日のフジテレビ新報道2001を見ていたら、小沢さんの側近と言われ今回初入閣した山岡賢次さんが出演して、国の資産など数字を上げて増税しなくてもマニフェストは順守出来ると主張していた(メモしていなかったので詳細は不明)。

ここが一番大事な点であったが、番組のキャスター、コメンテーター、出演国会議員、誰からも確認や反論の発言はなかったのは残念な事だった。

確かに国の資産は約650兆円ぐらいある。国、地方の債務が約944兆円とすると、差し引き294兆円の借金で大したことはないと思えるが、そうはいかないらしい。資産には流動性が必要であるが、すべてが現金化できないのだ。

この資産の一部あるいは特別会計の剰余金、まだ20~30兆円あると言われる埋蔵金、約90兆円に上る外貨準備の運用益など復興財源などに使用出来ないのか党内でしっかり議論し、安易な増税はさけるべきだ。国家公務員数、人件費の削減もまだやっていない。国会議員数、人件費の削減も手つかずだ。痛み分けが出来ていない。

増税なき財源の確保では小沢グループの考えに賛成だ。国会審議で話が平行線に終わらないように、政策調査会でしっかり議論しマニフェストの順守/見直しの統一した方向性を出し、閣内不一致は避けなければならない。

首相が代わり、「新しさ」を出そうとするなら政策の刷新だが、野田内閣は政治手法を替えようとしているのだろう。

低姿勢で、泥臭く黙々と政治を進め、最後に国民がどう評価するかだというが、その通りだろう。

写真:野田新内閣の支持率を報じる読売新聞 2011.9.4 菅内閣の不人気と野田新総理への期待から支持率が急回復したが、菅政権発足時も同じ傾向だった。期待が大きいだけに、失望したときの下落も大きい。いずれの政権も末期は支持率20%前後だ。

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