2011年9月17日土曜日

行財政改革、政治を歪曲化する財務省の解体を







政権発足にも影で暗躍し、折角の行財政改革も官僚機構の本丸として官僚利権を守るため抵抗する。国家予算編成に大きな権力を握る財務省は、政策や政治主導に少なからず影響力を発揮する。

時の政権、財務相が財務省にとって、如何に御しやすいかでその政権の評価が決まる。内閣組閣時いつも言われたことだが、今回の野田内閣も財務省の増税路線からすれば大歓迎なのだろう。

私は、以前「政権を維持するために必要な憎まれ者・財務省との距離」という記事を書いたことがある。鳩山政権に始まる民主党政権の「脱官僚政治」で財務省は憎まれ役になり、従来の力を発揮できなくなった。

ところが最近、財政再建を標榜し増税路線を歩みたい財務省は復権したかに見える。

先の代表選では、泡沫候補と見られた野田さんを財務省は影で支援の動きをしたようだ。また野田総理を前提に総理補佐官などのシフトを財務省事務次官が主導したと報道されている。

赤字財政の中で、財源確保は至難の業であるが、財務省は安易な増税路線を引こうと躍起になった。

IMFが数次に渡って我が国に増税、しかも消費税10%を勧告しているが、その背景にはIMFへ相当数の出向者が財務省から出ており、財務省の意向が伺われるという。

17日の読売新聞に復興財源として所得税、法人税の増税案が政府税制調査会で決まった。財務省は消費税増税を考えていたようだが、野田首相の指示で消費税は外したという。財務省は復興目的で消費税を増税しておき、後で社会保障目的に切り替える積もりだったようだ。

また、事業仕分けで廃止が決まっていた朝霞の105億円の公務員宿舎が、急遽建設が決まった。復興財源に国有財産を処分して充てる方針が出ているにもかかわらず財務省が決めたことだ。公務員住宅は余っている。この財源も復興財源に廻すのが当然と思うが、財務省は違った考えを持っているのだ。

その事業仕分けも実質的には、財務省が主導したのだ。予算を組む財務省が、この事業ハムだと考えていた事業がまな板に載せられた。私も何回か聞きに行ったが、これらの内容は全体を見ている財務省でしか分らない。仕分け人だけでは何も出来ないのだ。

さらに、画期的な行財政改革を進めようとした古賀さんを閑職に追いやり、何ら仕事を与えない状態を作ったのも、官僚の利権を守ろうとする官僚機構の本丸の財務省の意向が働いていると言われる。

政権選択に口を出し議会制民主主義をひん曲げたり、政治主導を歪曲化したり、行財政改革に抵抗し骨抜きにしたり、財務省の行為は目に余る。

政治改革は、行財政改革から。それにはまず、財務省の解体から始めなければならない。

財務省解体は、古くは新党さきがけが構想していた。大蔵省を(1)金融部門の分離、(2)国税庁と厚生省の年金部門の合併、(3)主計局を分離、(4)国有財産の管理の4分割があった。

96年の橋本内閣で大蔵省改革が打ち出され、この時は金融部門の独立で、金融庁ができた。大蔵省が相当抵抗した結果だろう。

この財務省解体、とりわけ主計局の解体に執念を燃やしていたのが、菅さんだったのだ。

主計局は、国の予算、決算及び会計に関する制度の企画、立案、作成などを担っており、予算の査定権限を一手に握っている財務省とりわけ主計局は絶大な力を持っている。

財務省自身も所管一般会計で23兆5000億円(平成23年度成立予算額)を持っているが、詳しい項目は全く不明で「その他の項」にまとめられている。

財務省のHPによると「平成24年度予算の概算要求に係わる作業について」で、概算要求に向けた作業を進めるように財務大臣から各大臣に通達されている。それによると、高速道路の無料化は要求せず、戸別所得補償、高校の実質無償化は所要の金額を要求、子ども手当は平成23年8月4日の3党合意に沿って要求となっている。

財務省の解体を進めて欲しいし、私達も財務省を監視していかなければならない。

写真左:官僚機構の本山財務省 権力集中防止に為に分割解体を

写真右:24年度予算編成に向けて 財務省HPより

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