2011年9月22日木曜日

円高、デフレ対応:政府の円高対策か、通貨の増量か



日本の財政状況は悪いのに円高傾向が続き、富の生産を妨げるデフレは一向に解決しない。野田首相は万全を期せと言うが、まとめる円高への総合的対応策も「円高ありき」の補助金、助成金、基金の強化や海外企業の買収やエネルギー確保支援などで根本的な円高対策ではない。そこで在野の経済学者が提案しているのが通貨量の増加策だ。

円高はじわりじわりと進んでいる。菅さんが財務相になったとき、円相場を聞かれ90円台半ばと答え顰蹙を買ったが、今は76円台で14円以上高くなっている前の政権の菅首相や野田財務相は「マーケットの動向を注視したい」と言うだけで、何ら効果のある政策は打っていない。

企業へのアンケート調査によると、政府・日銀への円高対策で継続的な為替介入、一段の金融緩和を求めている(読売新聞2011.9.22)。

やっと、8月に1回4.5兆円で円売りドル買いをやったが、効果は微弱で更に円高が進んだ。1日当たりの為替取引は世界で410兆円ぐらいと聞いたことがあるから1%では効果も余り期待できなかった事になる。単独介入はそんなモノなのだろう。

為替相場が決まるのは、いろんな条件があるのだろうが、一つに通貨供給量がある。リーマンショックの後、欧米では金融緩和で大量のドル、ユーロを市場に供給したが、日銀は渋った。そのため円高の相対的価値が上がり、今の円高の要因になっているというのだ。

米国は資金供給を増やしているが、日本はほとんど増やしていない。日銀のHPで見るとマネタリーベースは最近117兆円であるが、米国は倍以上あるのではないか。これでは財政状況の悪い日本の円が高くなっても仕方がない。

素人目でも分る。紙幣を印刷して貨幣量を増やせばいいのだ。円高の対応にもなるし、念願のデフレ脱却でもなる。

残念なことだが、今を日銀はデフレと認識していないのだ。一体日銀はどんな経済状況をデフレと言うのか。「今のような需要不足の時に、流動性を供給するだけでは物価は上がらない」と日銀は言い、量的金融緩和を拒否しているが、2009年12月1日に10兆円の資金供給を決めた。広い意味での量的金融緩和だと白河日銀総裁は言った。

これも政府のデフレ宣言を受けてのことだ。菅政権の時も、政府と日銀は協調して当たると言うのだが日銀の動きは鈍い。

そんな日銀に業を煮やした民主党の「デフレから脱却し、景気回復を目指す議員連盟」は、2011年3g圧9日にインフレターゲットの導入、内閣が日銀総裁などの解任権を持つなど日銀法の改正を柱とする総合デフレ対策を協議した。

物価を守るために、中立性を保とうとする日銀への国会の宣戦布告だ。

野田首相も各省事務次官に対する訓示で「円高、デフレ対策に万全を期していかなければならない」と言ったが、何をしようとしているのかは分らない想像できるのは、財務省の言いなりになるのではないかと言うことだけだ。

従来の政策では円高、デフレ対策にならない。ここは思い切って紙幣を増刷したらどうか。心配の余り何もしないでは、「日銀は寝ている」と批判されても仕方ない。

写真:よく使用される各国中央銀行の資産規模比較 2011.9.20 フジテレビ「知りたがり」経済を立ち直せるか

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