2012年4月16日月曜日

消費税増税:国家財政、危機の緊迫度に払拭できない疑問が


消費税増税で情報が少なく、国家財政、危機の緊迫度で拭い切れない疑問が残る。「財務省よ チョっと待った。ここは財務を精査し、国民に信を問う」と言えない野田総理に国民の民意は通じていない。何故だ。財務省に言い含められたか、「お前しかいない」と煽てられたのか。

今まで、何が専門分野だったかわからない野田さんが、財務副大臣→財務大臣になり、民主党代表選に一番最初に手を挙げ、財務省の言う財政再建、消費税増税に乗り、政治の集大成と考えても不思議ではない。

消費税増税の是非に対する国民の判断を迷わすようなメデイアの増税一辺倒の記事、朝日新聞は編集委員が「財務省バッシング」に反論し、財務省大擁護論を掲載する始末だ。社説でも消費税GOの論調に民主主義の公器としての誇りはない。

そんな状況下でも消費税増税に反対する議員、エコノミストもいることも確かだ。

民主党小沢グループを率いる小沢元代表は、国民はまだ民主党政権になった利益を受けていない。マニフェストの原点に帰り、国民との約束を守れという。増税すれば「選挙が怖い」という意見が先行し反対が歪曲化されているが、真っ当な考えであることに違いはない。残すは、どうやって実現するかだ。

みんなの党の江田さんは自民党の橋本政権時の秘書官の経験から、「増税は税収につながらない。まだ利用できる財源はある」と国会の予算委員会で追及している。しかし、野田総理は聞く耳を持たない。

在野のエコノミストの高橋洋一さんも反対論にとっては興味のある説を述べている。借金が1000兆円あるというのは財務省の巧妙な洗脳だ。純債務は対GDP比で70%程度で財務省の意図的なミスリーデイングだという(週刊現代2012.4.28)。

この説はよく言われていることで、債務は対GDP比200%であるが、資産も対GDP比120%はあり、純債務は対GDP比80%で、言われているほど財政危機ではないのだ(数値は学者により異なっている)。

もっと我が国の財政状況をしっかり国会で議論し、はっきり意思統一しなければ国民に負担を強いる理解を得ることはできないのではないか。

こういった議論は、為政者ではなく反対者の意見の場合が正しいことが多い。

おりしも、読売新聞(2012.4.16)が「基礎からわかる社会保障と消費税」というタイトルの記事を掲載した。

それによると、借金は対GDP比200%の危機的財政で再建を目指さなければ社会保障の給付は高齢化で膨らむばかり。悪化は年金や児童手当の切り下げにつながる。所得税や法人税は景気の影響を受けやすいが、消費税は安定な財源である。行財政改革にも取り組まなければならないが、歳出削減だけでは財源不足は解消しないという。

「景気が悪くならないか」については、政府は復興事業などで経済は好転する都みているが、反対に、一時的な成長は見込めるが、駆け込み需要とそのあとの買い控えで成長率は押し下げになるというエコノミストの説を紹介している。

しかし、国家財政については一般会計予算の解説はしているが、政府債務、資産についての詳細な解析はない。

増税だけでは税収は増えないし、不足の解消はできないことはわかる。当然デフレ脱却→経済成長→税収増も必要だろう。政府も13日の「デフレ脱却など経済状況検討会議」でこれまでのデフレ対策などの効果を分析し、財政再生戦略、2013年度の予算に活用するという。

検討を財務省に任せるのであれば、結論は決まっている。こんな時こそ民間のシンクタンクを利用すべきではないのか。

何はともあれ、国家財政、危機の緊迫度に対する疑問はぬぐえない。

16日のテレビのニュースで、内閣支持率が20%に落ち込んだという。官房長官の記者会見で、そのことを聞かれ「世論調査に左右されない。それが政治決断だ」という意味の発言をしていた。ますます民意が離れるのではないか。

消費税がどうなっても、次は下野の覚悟を決めたのか。

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