2012年4月25日水曜日

大飯原発再稼動問題:正論を吐く橋下さん、説明に窮する官房長官


政治家が安全宣言をすることは絶対
可笑しいと主張する橋下さん
2012.4.24 TBSテレビ
NEWS23

安全軽視も一因だった福島第一原発の事故を反省に、原発の再稼働が大きな社会問題になっている今、大飯原発再稼働問題で多いに正論を吐く橋下さんと、一方で説明に窮する藤村官房長官のテレビに映る姿に、上昇機運の地域政党「維新の会」と下降気味の民主党政権を見ることができないか。

橋下さんは「専門家でない政治家が安全性を判断していいのか」と、一貫して正論を吐き、さらに「国家運営の重大な危機」とまで言及する。

一方の藤村官房長官は記者会見のニュースで、「何も政治家が安全を宣言しているわけではない。それぞれの専門家によって判断されている」と弁明に必死だ。「総合的に判断するのが、4大臣会合だ」と橋下さんの主張を短絡的と評した。

24日の橋下さん、松井さんと官房長官の会談でどんな話し合いがあったのかわからないが、それでも橋下さんが同じ主張をしているのであれば、数次に開催された関連閣僚会合に問題があったのではないかと疑いが出る。

政治家が安全を宣言しているわけでは
ないとコメントする藤村官房長官
2012.4.25 フジテレビ スピーク
3日の第1回会合からの新聞報道をもう一度めくってみた。

第1回会合では、福島第一原発事故分析から新しい安全基準を作成し、その基準が適正と判断され、大飯原発がクリアーできれば再稼働を要請するということが決まったらしい。

5日の第2回会合で、新しい判断基準が大筋で了承されたというが、2日の短時間でそんな重要な基準が決まるのか不思議で問題だ。関係部門と十分に議論されていないものではないのか。

6日の第3回会合で、判断基準を最終決定。安全基準、安全性向上計画を審査したらしい。

9日の第4回会合で、「我々が決定した判断基準に適合」とし、安全性が概ね確認されたが、まだ最終判断ではないらしい。

13日の第6回会合で、「大飯原発の安全性を最終的に確認」し、地元自治体に再稼働の要請を決定。

14日に、枝野大臣が福井県知事に要請した。
しかし、この間先送りの連続だった。どんな問題がどうだったので先送りになっているのか疑問だった。そしてどんな資料を見ているのか、橋下さんの言う専門家がどう判断しているのか。

藤村官房長官が専門家の判断を得ているというのであれば、どの委員会(通常考えるのは原子力安全委員会)がどういう判断を示したのか。この10日間の報道を見てもその気配さえ感じられない。

原子力安全委員会は仕事をしていると官房長官は言うが、原子力安全委員会は原子力安全・保安院の仕事を監視・確認する仕事で、直接安全性に言及する組織ではないと斑目委員長が記者会見で発言していたのを思い出す。

そうすると、やっぱり規制庁のような組織が必要になるが、未だ設立されていない。

福島第一原発事故の反省に立って新しい安全基準を作る話も、まだ福島原発事故の報告書も出ていないのではないか。ではあの安全基準はなんだったのか。

電力需給の問題も国民の生活、安全を第一にする政府にとっては最優先課題だろう。今までの発表では根拠こそはっきりしないが、電力不足が想定されている。万一の時はその批判の矛先が政府に来ることはわかっているのだから、政府は電力不足を回避するために原発を再稼働させたいのだろう。

藤村官房長官は、専門家の判断を得て「手続き」を進めているともいうが、その手続きの中に情報の開示がどうなっているのか。国民に明らかにして問題の収拾を図るべきではないのか。

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