2012年10月16日火曜日

政治不信をもたらした大風呂敷のマニフェストとC→Aに欠ける役人文化

2009年の民主党マニフェストは有権者の関心を買おうとして、実現性を後回しにした大風呂敷を広げた内容になり、消費税増税では野党から果てしなき追及を受け、党内でも分裂、離党騒ぎになり大きな政治不信を招く結果になった。

次の選挙に向け、与党・民主党は、新しいマニフェストを提言しようとしているが、信用を回復し、人気を挽回できる可能性は低い。

そもそも政治にマニフェストを導入しようとしたのは何だったのか。政治家は有権者にどんな政策を約束し、それが果されているかどうかを評価しやすくするための手段だった。

「期限を切った政策」の重要性が、マニフェストを導入しようとする人達によって、しつこく要求された。期限の約束がない政策は意味がないのだ。余りにもこだわりすぎ、政治家は不確実性を認めながらも追随した。

民間企業などに勤務している者であれば、品質管理、環境管理システムの導入でマニフェストは経験している。

目標を設定し、PDCAサイクル、つまりP(プラン)→D(実行)→C(検証)→A(再実行)工程を繰り返すことにより目標達成を狙うのだ。

目標達成に向けた工程で軌道を外れそうになった時は、修正する必要がある。年数のかかる目標であれば、目標自体を修正することも必要になる。

この手法を地方の自治体が取り入れようとした。首長が行政の効率化を狙ったようだ。しかし、何時の間にか聞かれなくなった。

政治、行政には不向きとみられたのだ。

その要因には、役人に品質管理を理解できなかったことと、役人には「C(検証)→A(再実行)の文化」が欠如していたことだ。

役人は、一度決めた政策、事業は継続して遂行する必要があり、これを途中で見直すことはご法度なのだ。それをやった役人は将来はない。

民主党が鳴り物入りで始めた「事業仕分け」も大した成果も得られなかったし、改革派官僚が退職に追い込まれることからも明らかだ。

こんな官僚組織が政権与党の政策を遂行するのだから、もともとの政策がいい加減ならどうしようもない。

次期衆議院選に向け各党が公約を掲げるだろうが、どんな公約になるか興味がある。

マニフェストが政治に導入される前に、産業廃棄物の管理票としてマニフェストが用いられている。

廃棄物を排出する企業、運搬する業者、処理する企業、最終処分する企業が一体となって廃棄物が合法的に処理されることを目的にしたシステムだ。世間に横行した不法投棄、非合法処理を防止するのだ。

政党、政治家も政策には責任を持ち、不法投棄、非合法処理をしないよう願うものだ。







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