2012年10月27日土曜日

「日本を取り戻す。」ことが出来るほど自民党は生まれ変わったか

25日発表になった自民党
の新しいツー・ショットポスター
自民党HPより

「日本を取り戻す。」は、総裁選でも使われたキャッチコピーであるが、25日に発表された新ポスターにも採用された。自民党は、3年間の野党生活で、国民目線になり日本を取り戻すほど新しく生まれ変わった政党になったのか。

民主党政権によって壊されてしまった日本を、「強い」「豊かな」「誇りに思える」日本に再生するのだという。それを実現するシナリオと力を自民党は持っているというのだ。

では、今どうしてその力を発揮できないのか。

野田民主党政権を倒し、政権を取り返してから発揮するというのであろうが、今その力を発揮して国民に自民党の実力、託せる政党であることをアピール出来ないのか。

谷垣前総裁から引き継いでいる「近いうち解散」の時期に拘っていてはチキンレースで、政権党の方が打つ手は多いのではないか。

野田政権の姑息な手法であるが、「責任は一方的に野党にあり」の世論に持って行かれる危険がある。

そして、万一解散・総選挙で政権に返り咲いたとしても、攻守ところを変えての攻防が続く事になりかねない。

ここは正々堂々と国会審議に持って行くべきではないのか。国民会議の立ち上げは新しい政権でやるとして、特例公債法、選挙制度改革でのせめぎ合いに勝算があるのか。

国会審議で、野田政権と大きな考えの相違があったときには、内閣不信任決議を出せばいい。「話し合い解散」の手もあるが、国民には分かりにくく、選挙に対する意気込みも沸きにくい。

政策パンフレット
自民党HPより
ところで、自民党HPからあわせて政策パンフレットを開いてみた。

総選挙に敗れ、改めて国民の目線で政治のあり方を見直す機会をいいただいたと殊勝なことを言っている。

そして、国家運営の使命感と政策実行力を持つ生まれ変わった自民党に日本再生への挑戦を任せてほしいと訴え、次の政策を掲げている。

経済成長戦略では、5年間で集中的に改革し、新しい経済成長モデルで雇用を守るという。

エネルギー政策では、3年間で再生可能エネルギーを導入し、原発再稼働は安全を第一に考え、すべての原発について3年以内に結論を出すという。

社会保障では、消費税は全額を社会保障に使うが、自助・自立、共助・公助を組み合わせ、生活保護も見直すという。

外交・安全では、立場をはっきり主張する外交、東アジアの現実に向き合う安全保障で、日米同盟の強化、集団自衛権の一部行使を主張し、TPPは交渉参加に反対している。

復興・防災面では、早期復興と首都圏直下型、南海トラフの巨大地震の発生も予測されている今、命を守る防災対策の徹底を謳っている。

国のあり方・教育・行革では、日本人らしさを示す新しい憲法を作るといい、憲法改正発議要件の緩和、国防、緊急事態条項も明確にする姿勢だ。

行政組織の徹底的な効率化を目指し、中央省庁改革、公務員総人件費2兆円の削減とともに、能力・実績主義の徹底で公務員制度改革をやるというのだ。

そのために、日本経済再生・競争力強化基本法、社会保障制度改革推進法、国家安全保障基本法、国土強靱化基本法、憲法改正草案など法整備も進めるらしい。

新しいポスターに安倍総裁、石破幹事長のツー・ショットが採用されている。総裁選では、安倍さんは国会議員投票で勝利したが、石破さんは地方党員票でトップに立った実績から仕方ない対処だったのだろう。

でも、自民党は3年間で本当に国民目線の政治に変わってきたのか。

総裁選の様子を見ると旧態依然とした自民党に思えたが、政策は国民目線で作ったのか。

次期衆院選に向けた公約作りでは、民主党によって信用を落としたマニフェストという用語は使わず、「政権公約」にしようという

政権を取ってからではなく、今混沌とした政局にあって生まれ変わった新しい自民党の姿を見せてほしいものだ。

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