2013年9月11日水曜日

福島第一原発汚染水対策:まずは原子炉建屋敷地周囲に鋼矢板を打ち込むべきでは

読売新聞2013.9.11 東日本大震災
東電・福島第一原発で高濃度の汚染水が流出している対策は、まず原子炉建屋敷地周囲に、地下の不透水層、岩盤まで鋼矢板を打ち込んで高台側から流れ込む地下水を遮断し、海側への高濃度汚染水の流出を止めるのが費用の点からも、効果の点からも最良の対策ではないか。

今まで汚染水流出事故報道では、汚染水貯蔵タンク群、その配管類、地下貯水槽などが部分的に映されていたし、停電事故の時はトラック積載の仮配電盤、ネズミでショートした配電盤内、地上を這う仮設配管、それからの漏れ箇所をビニールでくるんで応急処置をしている画像で福島第一原発の惨状を見るしかなかった。

しかし、今日(2013.9.11)の讀賣新聞「東日本大震災」で、原発周辺の映像と汚染水対策を知ることが出来た。

安倍総理がIOCで、「状況はコントロールされている」と発言したのは、水中カーテン付近、港湾内入り口付近の放射性物質トリチウムの濃度変化から、汚染は港湾内でブロックされ、港湾外へ流出していないことを根拠にしたのだ。

汚染水流出対策を国際公約した格好になった政府は、予備費から206億円支出し、凍土壁に136億円、放射性物質除去装置の設置に70億円を当てることを閣議決定した(讀賣新聞 2013.9.11)。

凍土壁は途方もない技術で、効果の程は分からない。おまけに常に冷却材を循環させていなければならず維持管理は想像も出来ない。

また、除去装置「アルプス」は、事故後フランスから急遽取り寄せたと思うが、2年半経っても作動していない代物だ。期待は大きいが腐食問題で運転が遅れているらしい。

山側から建屋への地下水流入を防止するために、高台に12本の井戸を掘って地下水をくみ出すそうだ。

しかし、山側からの地下水脈は地下のどの高さを流れているのか。深く掘ると、今度は建屋側から汚染された地下水が流れ込むことになる。

まずは、原子炉建屋敷地周囲に鋼矢板を打ち込んで、建屋地下の高濃度汚染水を封じ込め、くみ出すことを考えるべきではないか。


実施に当たってはいろんな障害物がアルかもしれないが、私の経験からはこれしかないのではないか。

1 件のコメント:

turkey.jp さんのコメント...

私も同感です。汚染水が増えすぎて処理に困っている。汚染水が増える一番の原因は地下水の流入です。だから真っ先にやるべきことのひとつが「汚染されていない地下水」を原発敷地に入れないことです。

汚染水の処理能力がとても高いのであれば分離しなくても良いのですが、増えて困るなら混ざる前に取り除くことが最も効果があります。