2014年3月30日日曜日

IPCC横浜総会:リスク評価は合意でも対策費用負担で対立、いつものこと?

温暖化で予測される生態系への影響
讀賣新聞2014.3.30
IPCC横浜総会は地球温暖化での8種類のリスクの明記には合意するも被害を軽減する対策費用負担では先進国と途上国の思惑の違いで合意できず協議が延長になったとメデイアは報じる。何時ものことの繰り返し? 途上国の費用負担支援である気候資金のぶんどり合戦に先進国が懸念しているのだろう。

IPCC第2作業部会はリスク評価を最終報告する部会で、北極の海氷や珊瑚礁は回復できない影響を受け温暖化の影響は拡大中であることを指摘している(讀賣新聞2014.3.29)。

しかし、ラジエンドラ・パシャウリ議長は「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える目標達成は難しい」という見解を示した(毎日新聞 2014.3.30)。何もしないことの付けは大きいと警告し、早急に温室効果ガス排出削減対策を強化することを呼びかけたのだ。

先進国と途上国が温室効果ガス削減対策費用負担で対立したままでは地球温暖化防止は不可能だ。

これに関しては2010年のカンクン合意(COP16)で2020年までに先進国全体で年間1000億ドル(10兆円)の長期資金を拠出することが合意されているが、途上国は2016年までに700億ドルの拠出を求めているが先進国は反対しているようだ。

「2度目標」はIPCC第4次報告書で「気温上昇が1.5~2.5度を超えると生物種の20~30%が絶滅の危機に直面する」という指摘があったかららしい(讀賣新聞2014.3.30)。

2度上昇に抑えようと思うと累積CO2排出量を3兆トンに抑えなければならない。今まで2兆トンが排出されたので残り1兆トンだ。今のCO2排出量(2011年)313億トンとすると後30年が限度だという(同上)。

このままでは完全に不可能だ。

IPCC総会で途上国が対策費用で「数字を上げて具体的に示さないと深刻さが伝わらない」と言ったそうだが、どういう思惑かは別として当然だ。

我が国でも対策に確か20兆円かかるという報告を見たことがあるが、削減の効果、評価をどうするのか分からないが莫大な資金になる。もし投資して効果が無かったらどうするのか。

それでいて地球温暖化の要因がCO2等人為説なのか自然変動説なのかはっきりしない。アラスカ大の赤祖父先生は、全ては自然変動要因とは言わないが、1/6がCO2など人為要因、5/6が自然変動要因と言い切った。

科学的検証は遅れているにもかかわらず、一方で政治問題化は進んでいる。

平成24年から私たちは地球温暖化対策税を払っているのだ。原油・石油製品では289円/CO2トン×CO2排出量により760円が現状の石油石炭税に加算されるのだ。しかも急激な増加を避けるために3段階に分けて増税される。今年4月からは2/3が加算されガソリン税は消費税増税と地球温暖化対策税で5円/Lの値上がりになるそうで、ダブル課税と評判が悪い。

平成28年4月1日以降は家庭のエネルギー使用量をベースにすると1世帯あたり月平均約100円の負担になると言う(政府広報オンライン)。

讀賣新聞2014.3.30の「温暖化で予測される生態系への影響」を見ながら産業革命前より気温上昇は「2度目標」が限界と思うが、第4次報告では最大6.4度、第5次報告で最大4.8度、環境省は3.5~6.4度を予測している。これでは「地球全体での大規模な絶滅」の範疇に入るのだ。

自然変動説を唱える赤祖父先生は、「どちらの説が正しいかはもうすぐ分かる」とまで言い、誤った地球温暖化論に惑わされるなと警告している(正しく知る地球温暖化 赤祖父 誠文堂新光社 2008.7)。

世界のエネルギー起源CO2排出量煮染める各国の割合
中国、アメリカ、インドで50%を占める。
環境省資料による
 
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