2014年3月8日土曜日

プロジェクトX「NHKを改革せよ」(4):信頼回復は法に則った放送を続けるしかないのか

NHK経営委員会議事録
NHKホームページより
籾井会長は地に落ちたNHKの信頼を回復するには、放送法に則った放送を続けるだけで特段の実効策はないというが、籾井NHKで期待出来るのか。国会での籾井さんへの質疑の内容が民放ではニュースとなるが、NHKでは都合が悪いのか流さない。これでは受信料を強制的に徴収する公共放送としての意識に欠けているのではないか。

そこで籾井会長を選出したNHK経営委員会ではどう議論されているのか知りたくて228日に公表された最新の第1207回経営委員会議事録をNHKホームページから開いてみた。

その日の議事が終了し、浜田委員長が「全体を通じての発言があるか」と問うと美馬委員が発言を求めた。

今起っている事態はNHKに取っては危機的事態と認識しているが、事態収拾をどう考えているのか。クライシスマネージメントをどういう体制で行い、その計画はどうなっているのかと籾井会長に質問したのだ。

公共放送機関としてNHKの存亡に係わることなので経営委員として当然の質問だと思う。

籾井さんは、私見を述べて申し訳ないと謝罪しながらも「ただ真意とはほど遠い報道がされている」と言いその議事録を通読してほしいという。

いかにもメデイアの報道が悪いと言っているのだ。恐らく「私見で述べたことを取り消す」と言ったことをメデイアが認めなかったことに不満があるのだろう。

今やらなければならないことは、国会の予算委員会を乗り切ることだとも言う。

そして、クライシスマネージメントについては、放送法に則って放送を続けること、個人の見解を放送に反映させないこと、そういうことを経てNHKの信頼を回復することだという。

しかし、メデイアでは籾井さんが放送に介入していることを報じたものもあるし、民放は放送しているのにNHKは放送しなかったことでもあるが、これは介入した結果ではないのか。それとも現場が気をきかせた結果だとでも言うのか。

公共性、中立性は多義に渡り判断が難しい。NHKが放送法を守っていると言っても直ぐに信用できないのだ。

美馬さんは、受信料などの収入減、海外メデイアでのいろんな問題も特段に何も実行することはなく、粛々と放送していくことでよいのかとたたみかける。

籾井さんは、記者会見のテキストを全部見ていただきたいと言うが、美馬さんは全部読んだと言い返す。

「それでもなおかつ私は大変な失言をしたのでしょうか」と籾井さんは不服のようだ。

美馬さんは、経営委員としてその発言ではなく、「その後の事態に組織としてどう対応しようとしているのか」を聞いているのだという。当然の話だ。

それに対して、籾井さんは、「対策をどうするかは正直言って分かりません」と言う。

信頼の回復は放送法に則った放送をすること、収入減は営業でがんばると言うしかないのだ。

国会審議でも籾井さんの馬鹿面を見ると受信料の不払いに走りたくなるが、NHKの信頼回復は籾井さんが身をひくことが第一歩ではないのか。

当初、籾井会長人事は安倍総理の意向と思っていたが、どうやら菅官房長官、同郷の麻生財務相が絡んでいるようだ。政治主導で更迭がやれないのかと思ったがこれじゃ難しそうだ。

それなら浜田経営委員長がまず、身をひいたらどうなのか。


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